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5W1Hとは?ビジネスにも役立つ使い方と意味を解説

#マーケティング基礎知識

「5W1H」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。学生時代、英語の授業で習った人も多いでしょう。

「5W1H」はコミュニケーションにおいて、重要な情報が過不足なく相手に伝えることができる基本のフレームワークです。

そしてこのフレームワークは、日常での会話はもちろんですが、ビジネス上の報・連・相(ほう・れん・そう)からマーケティングやプレゼンテーションなどにまで応用することができます。

本記事では「5W1H」の意味やメリットから、使用する際のパターンをお伝えします。

5W1Hとは

5W1HとはWhen「いつ」、Where「どこで」、Who「だれが」、What「なにを」、Why「なぜ」、How「どのように」を表す英単語の頭文字をとったものをいいます。

この5W1Hに沿って文章を構成すると、伝えたい情報が整理され、主旨が明確になり、過不足なく伝えることができます。

シンプルだからこそ普段のコミュニケーションから、社内・外でのメールやプレゼンテーション、マーケティング戦略やコンテンツ制作に至るさまざまな場面で使用することができ、あらゆるビジネスシーンにおいて応用可能なフレームワークなのです。

以下ではそれぞれを詳しく説明していきます。

①When「いつ(時間)」

Whenは「時間(いつ)」を表すワードで、日時や期限、タイミングなどを伝えます。

時間軸に当てはまる事柄を明確にすることで、期限までのプロセスや段取りをイメージしやすくなります。

When:時間、日時、頻度、期間、納期、時期、スピード、タイミング、順番、季節イベント など

>具体的な例

  • キャンペーンの期限・期間
  • プレゼンテーションを行う日時
  • 商品の納期
  • 新商品発売のタイミング
  • 季節やイベント  など

②Where「どこで(場所)」

「Where」は「どこで」を表すワードであり、場所や環境、空間を示します。

位置や状況に当てはまる事柄を明らかにすることで、そこまでの移動手段やかかる時間、そして規模感をイメージすることができます。

Where:場所、位置、分野、環境、市場、場面、エリア、チャネル、プラットフォーム など

>具体的な例

  • 製品の販売場所
  • イベント会場
  • 販売エリア
  • ネットの通信環境
  • 宣伝するYouTubeチャンネル
  • 訪問先  など

③Who「誰が(人物)」

Whoは「だれが」といった部分を表し、主体となる人物や役割、関係を示します。

関わる人物や企業が明確になることで、新しい関係性の発見やターゲットのセグメントが可能です。

「誰が」という部分は主語となる事が多く、これが抜けてしまうと正しく意味が伝達できなくなります。

Who:担当者、自社、従業員、顧客、グループ、部署、チーム、競合、ターゲット、パートナー、ペルソナ など

>具体的な例

  • 社内の担当者
  • 顧客や消費者
  • 競合企業
  • プロジェクトの担当部署  など

④What「何を(目的となるもの)」

Whatは「何を」の部分を指しており、物や事などの対象物を表します。

この対象物は物理的なものだけでなく、概念なども含まれます。そして、このwhatは「あれ」「これ」「それ」などに置き換えてしまうことがありますが、それでは対象が曖昧になり伝達事項が正確に伝わらなくなってしまうため、whatは明確にする必要があります。

What:テーマ、議題、中身、目的、結果、課題、製品・サービス、コンテンツ、WEBサイト、コンセプト、価値、ブランド、タスク など

>具体的な例

  • 商品、サービス
  • コンセプトやテーマ
  • ブランド
  • 資料や企画書
  • プロジェクト
  • Webサイト  など

⑤Why「なぜ(理由)」

Whyは「なぜ」といった理由や原因を表しており、本質や目的、背景を明らかにします。

この「なぜ」の部分が明らかになると、事業や企画の説得力が増します。また、問題の原因が明らかになると、再発防止に活かすことができます。

Why:理由、原因、目的、価値、本質、背景、ゴール、社会的意義、影響 など

>具体的な例

  • 顧客の購買理由
  • なぜこの商品を選んだのか
  • 事業の目的
  • 不調の原因
  • 起業の背景  など

⑥How「どのように(手段)」

Howは「どのように」といった手段や方法を表しています。ゴールや目的を達成するためのプロセスの部分であり、これを明確にせず目的のみを掲げていても、そこにたどり着くのは難しいでしょう。

How:手段、方法、段取り、手法、ステップ、手順、テクニック、事例、媒体 など

>具体的な例

  • 商品の販促手段
  • 顧客へのアプローチ手段
  • 問題の解決方法
  • 販売テクニック  など

5W1Hを使う目的とメリット

なぜ5W1Hが重要なのか

受け手に何かを伝えるとき、プロジェクトを立案するときなどさまざまな場面において、この5W1Hというフレームワークは活用することができます。この5W1Hを押さえておくだけで、どんな物事も整理され、具体的かつ明確に伝える事ができるのです。

友人間での連絡のようなプライベートの場面とは違い、ビジネスでは小さな伝達漏れが結果として大きなトラブルにつながる可能性があります。

コミュニケーションを円滑にとるためには、この5W1Hを意識することは重要なのです。

>5W1Hを用いた例文

今月25日にzoomを使ってマーケティングチームがセミナーを行います。このセミナーは、弊社商材や取り組みについて知ってもらうことを目的としたセミナーで、弊社の実際の事例や実績、取り組みをパワーポイントで紹介します。
そのため、セミナーの3日前までにセミナー資料の準備をお願いします。

When:今月25日開催セミナーの3日前まで
Where:zoomで
Who:マーケティングチーム
What:セミナー
Why:弊社商材や実績、取り組みについて知ってもらうためのセミナーを開くので
How:
実際の事例や実績をパワーポイントで紹介するためのセミナー資料

5W1Hを使うメリット

コミュニケーションの円滑化

5W1Hが押さえられたコミュニケーションは、不足なく物事を具体的にわかりやすく伝えられる点が大きなメリットです。

前述した例文の内容を5W1Hを使わずに「セミナーを行うから資料の準備をよろしく」の一言だった場合、頼まれた受け手は混乱してしまうでしょう。

いつ行われる、何のセミナーなのか、そしていつまでにどのような資料が必要なのか受け手には全くわかりません。結果として、トラブルやミスに結びついてしまう事もあるでしょう。

しかし、例文のように5W1Hを使った説明があれば、受け手側と伝える側の齟齬がなくなり、余分なやり取りや勘違いが生まれず、スムーズにコミュニケーションを測ることができます。

5W1Hによって整理された情報は、相手にとっても理解しやすく、双方にとってメリットとなります。

過不足のない情報収集と情報発信が可能

プロジェクトを提案する際の企画書や提案書などを作成する場合、5W1Hを使用することで、項目の確認漏れや論点のズレがないかをチェックすることができます。

そして過不足ない情報収集から、目的と方法や対処すべき課題の内容が明確になります。

また、情報発信においては新聞がその代表例です。新聞は逆三角形の構成になっており、リード文や記事の文頭に5W1Hの内容を持ってくることで、情報に過不足ない記事を作成しています。そして、文頭に持ってくることで、最後まで読まなくても的確に伝えたい情報を届けられるように構成されています。

課題の発見

何かトラブルが起きたときや課題が見つかったとき、この5W1Hに沿って問題を分解していくと、何がそのトラブルの原因になったのか、何が足りなかったのかなどの解明が行えます。

原因の見落としがなくなり、次善策をスムーズに打ち立てることができます。

5W1Hフレームワークの使い方・使う順番

5W1Hを上手く活用していくための使い方は簡単です。

それは「書き出す事」と目的に応じて「順番を変える」ことです。

前の例文のように5W1Hに応じて物事を箇条書きのように書き出していくことで、文章や言葉よりもわかりやすく整理することができます。

特にビジネスにおいてこのフレームワークが使われる場面は、会議(プレゼンテーション)、研修、文書の作成、コミュニケーション、などが多いとされています。  5W1Hを用いる際は、これらの目的に応じて順番の使い分けが必要です。そうすることで、聞き手の理解が促進され、説得力が増すのです。

  1. 5W1Hにあたる情報を書き出す
  2. 5W1Hの順番を変更

5W1Hの順番を変える

基本の順番

When→Where→Who→What→Why→How

これが一般的な基本パターンとされ、この順番は聞き手側が脳内で具体的なイメージがつきやすく、社内での報・連・相(ほう・れん・そう)やミーティングなどのコミュニケーションや資料作成や会議アジェンダで主に使うことができます。

応用パターン①

Why→How→Who→What→When→Where

これはWhyから始まっていることから、「なぜ」の部分を強く伝えたい場合に使用する順番です。

ビジネスの場合、理由に沿って全体を組み立てるこのパターンは、購入意欲をアップさせる為の新商品のプレゼンテーションなどで使用すると効果的です。

「なぜ」の部分が明確で説得力があるほど、聞き手に高い納得感を与える事ができ、その後のWhatやHowなどへの期待感を高めることができます。

かの有名なスティーブ・ジョブズの初代iPhoneのプレゼンテーションもこの順番だったといいます。実際に多くの人の購買意欲を掻き立てたことはいうまでもありません。

近年注目されるパーパスブランディングでもWhyから行う情報発信は重要とされています。

パーパスブランディングについて詳しい記事はこちら↓
パーパス・ブランディングとは?意味や成功事例を解説

応用パターン②

Who→What→Why→How→When→Where

これはWhoを先頭に持ってきていることから、「誰」という対象者が重要な場合に用いられる順番のパターンです。

特定の対象者へ向けたキャンペーンなどの際に有効に活用できます。

「20歳以下限定!」など最初に対象者を限定することで、該当者はより当事者意識が芽生え、強い興味をひくことができます。

応用パターン③

What→When→Where→Who→Why→How

議題や内容などその「事柄」が重要であり伝えたい場合はWhatを先頭にだします。

また、この順番はトラブルの対処や原因究明などにおいて有効に活用できます。 

なにか問題が発生したとき、その原因であるWhyに気を取られがちですが、その前にまず何が起きたのかという事実を明確にし、その後具体的な時、場所、人という順で分析するほうがが、問題の本質を見失わずに改善案を探すことができます。

7W2Hとは

近年、5W1Hに「Which:どちら」「Whom:だれに」「How much:どのくらい」の2W1Hを加え、より内容を具体的にさせる7W2Hも注目されています。必要に応じて、基本の6要素に加えて有効に活用することができます。

Which「どちら」
比較や選択肢が複数ある場合に用います。


Whom「だれに」
対象を示します。物事のターゲットを明確にし、立場や関係性を説明するときに用いられます。


How much「どのくらい」「どの程度」

金額、量、頻度など数量の程度を表現するのに使用できます。ビジネスの場合予算やコストなどを明らかにできます。

まとめ

5W1Hはビジネスにおいて欠かせないフレームワークです。普段の報・連・相(ほう・れん・そう)から常にこれを意識することで、コミュニケーションが円滑に進むでしょう。

また、5W1Hを使うことで、物事が整理され視覚化できるようになります。そのため、新しい視点から問題を分析ができるようになり、思考の選択肢を増やすことができるのです。

また、後半でお伝えした順番の応用パターンは、必ずしもこの順番で活用しなければならないということではありません。基本の順番を頭に置き、場面によって有効な順番に組み替えて活用することが重要です。

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