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買いたくなるキャッチコピーとは?事例と共に作り方のポイントを解説!
「キャッチフレーズ」はそのワンフレーズでその商品やサービスの印象を大きく変えます。その印象は売上にも大きく関わってきます。
本記事ではキャッチコピーの重要性やその種類、売れるキャッチコピーを作るためのポイントなどを詳しくお伝えします。
キャッチコピーとは
キャッチコピーとは、キャッチ―な言葉や印象に残る短いフレーズを利用し、商品やサービス、企業やブランドなどの魅力や特徴を訴求するために短くわかりやすく表現した言葉のことです。「宣伝文句」と同義であり、広告や販促物、ウェブサイト、メルマガ、SNSなどさまざまな媒体に掲載され、見た人の注意や興味を引き、購買意欲や行動を促す効果があります。
つまり、キャッチコピーはそのフレーズをテレビやラジオ、広告、SNSなどで見聞きした際、自動的に特定の企業や商品、サービスを想起させる役割を持っており、現代のようにさまざまな情報が簡単に発信できる時代でも、自社が伝えたい事を膨大な情報の海に埋もれることなく伝える旗印となるのです。
キャッチコピーは、その短さと簡潔さが特長で、一目で誰でも理解でき、消費者の印象に残るように作られる必要があります。また、実態と言葉が一致していることや、ターゲットの心に刺さることも大切です。
キャッチコピーの重要性
キャッチコピーは、商品やサービス、企業やブランドのイメージを形成する上で、大きな役割を果たします。キャッチコピーによって、見た人に印象に残るメッセージを伝えることができます。また、キャッチコピーは、見た人にリアクションを起こしてもらうことも目的としています。たとえば、「今すぐチェック」「期間限定」「お得な情報」などの言葉は、行動を喚起する効果があります。
そして、キャッチコピーはそれだけで企業のブランドイメージを大きく左右するため、いいイメージだけでなく悪い印象も持たれてしまう可能性も考えておく必要があります。一度ついてしまったイメージは変えることが難しいため、キャッチコピーを作る際は注意が必要です。
キャッチコピーの種類
キャッチコピーには、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴や役割について見ていきましょう。
キャッチフレーズ
キャッチコピーと似た言葉として用いられるキャッチフレーズですが、宣伝や購買意欲の促進だけが目的ではなく、企業のイメージづくりやブランディングといったキャッチコピーより幅広い意味で使われます。
例えば、セブンイレブンの「セブンイレブン、いい気分」やファミリーマートの「あなたとコンビに、ファミリーマート」などが代表的なキャッチフレーズです。
ボディーコピー
ボディーコピーとは、商品やサービスの詳細な説明やメリットを表現した言葉です。たとえば、「カルシウム・マグネシウム・亜鉛など20種類以上のミネラルがバランスよく含まれています」「驚異的な処理速度と高画質なディスプレイで快適な操作感を実現します」「自分のペースで学べるカリキュラムと充実したサポート体制で夢に近づけます」などといった商品の詳しい説明がボディーコピーに当たります。。このようなボディーコピーは、キャッチフレーズやキャッチコピーで興味を持ってくれた人にさらに商品やサービスの魅力や特徴を詳しく具体的に伝えることで、見た人に購入意欲を引き出す効果があるのです。
タグライン/スローガン
タグラインやスローガンボディーコピーービス、企業やブランドのコンセプトや理念を簡潔に表現した言葉です。サントリーの「水と生きる」やロッテの「お口の恋人」などが代表的な例です。
タグラインやスローガンは、商品やサービス、企業やブランドの個性や価値観を伝えることで、見た人に感情や共感を呼び起こす効果があります。
キャッチコピーを作るときに重要なポイント
前述したように、キャッチコピーが効果的であれば、見た人の興味や関心を引き、購入や行動につなげることができます。では、どうすれば良いキャッチコピーを作ることができるのでしょうか?ここでは、キャッチコピーを作るときに重要なポイントを3つ紹介します。
①ターゲットを明確に決める
キャッチコピーは、誰に何を伝えたいのかを明確にすることが大切です。ターゲットが決まっていないと、キャッチコピー自体が曖昧なものになってしまいます。ターゲットが抱える悩みや欲求、感情や価値観などを理解し、それに応えるようなメッセージを考えることで届けたい層へ的確に届けることができます。ターゲットを決める際には、年齢や性別、職業や趣味などの基本的な属性だけでなく、ライフスタイルや嗜好、ニーズや関心事などの詳細な情報も把握しペルソナを作っていきましょう。
②そのキャッチコピーと企業・商品・サービスのイメージをリンクさせる
キャッチコピーは、単に商品やサービスの特徴や機能を説明するだけではなく、その商品やサービスが提供する価値やメリット、企業やブランドの理念や個性などを伝えることが重要です。そのためには、そのキャッチコピーと企業・商品・サービスのイメージをリンクさせる必要があります。上記で決めたターゲットの悩みを解決できる強みをキャッチコピーでアピールするのです。
また、キャッチコピーを作る際には、その言葉が持つニュアンスや響き、文字の大きさやフォント、配置やバランスなどデザイン面も考慮するようにしましょう。
③短く簡潔な言葉で構成する
キャッチコピーは、限られた時間や空間で見た人の注意を引く必要があります。そのためには、短く簡潔な言葉で構成することが大切です。余分な修飾や説明を省いて、必要最低限の情報だけを伝えます。
短く簡潔かつ印象に残る言葉を使うことで、見た人の記憶に残りやすくなり誤った捉え方もされなくなります。キャッチコピーを作る際には、長い文章や難しい漢字、専門用語や流行語などを避けて、シンプルでインパクトのある言葉を選ぶようにしましょう。
売れるキャッチコピーの要素4個の要素
ベネフィットを伝えている
商品やサービスがどんなメリットをもたらすのか、つまりベネフィットを伝えることが重要です。ベネフィットとは、商品、サービスを利用したことでお客様が得られる結果や感情のことで、商品やサービスの特徴ではありません。例えば、「この本は厚い」というのは特徴ですが、「この本であなたも英語が話せるようになります」というのはベネフィットです。このようなターゲット層にあったベネフィットをキャッチコピーに盛り込むことで、お客様に「欲しい」と思わせることができます。
発見、驚き、刺激を加え好奇心を煽る
キャッチコピーは、お客様に新しい情報や驚きを与えることで、興味や関心を引くことができ、印象に残りやすくなります。例えば、「あなたが知らない○○の秘密」という言葉は、お客様に「何だろう?」と思わせることができます。また、「実はそのやり方間違ってます!」などの少しネガティブな感情を煽るのも有効です。このように発見や驚きや刺激を加えることで、お客様に行動を促すことができます。
数字を用いて具体的に伝える
数字を用いて具体的に伝えることで、信憑性や効果性を高めることができます。例えば、「10万部突破!Amazon○○部門1位!」という言葉をキャッチコピーに盛り込めば具体的に多くの人に売れている人気作だという事がイメージすることができます。また、「90%以上の方が満足した」という言葉は、ただ「満足した」という言葉よりも効果的です。数字を用いて具体的に伝えることで、お客様に「本当だろうか?」と疑わせないことができます。もちろんその数字に信憑性がないと、逆に信頼を失ってしまう可能性があるため、数字を記載する際はその数字が何を基準としたものであり、どのように計測されたものであるか説明を添えることが大切です。
心理学のテクニックを取り入れる
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、大勢の人が選んでいるものや流行しているものなど、多数派の意見を好意的に捉えたり、選びたくなる心理のことです。これは特に日本人には効果が大きいと言われています。この心理を利用するには、「今話題の~!」」「売上げNo.1の商品」など、人気や実績をアピールしたり、トレンド性が高いことを示すフレーズを使うことでバンドワゴン効果を利用することができます。
スノッブ効果
スノッブ効果とは、みんなが選ぶものではなく、自分は他者とは違うものに価値を感じ、差別化されたものを選びたくなる心理のことです。この心理を利用するには、「あなただけ特別に」「世界に○○個限定販売」など、希少性や独自性をアピールするフレーズを使います。この心理効果では、高級感や満足感を与えることができます。
ツァイガルニック効果
ツァイガルニック効果とは、完成したものよりも未完了なものごとに興味が持続する心理のことです。人は、物事が途中で終わってしまうと気になってしまいます。この心理を利用するには、「続きはこちら」「これから驚くべき事実が……」「あと一歩で……」など、続きが気になるようなフレーズを使います。この心理を効果的に使う事で、消費者の好奇心や行動意欲を高めることができます。
キャッチコピーとマイクロコピーの違い
キャッチコピーは、上記でもお伝えしましたが商品やサービスの特徴や魅力を短く表現した宣伝文句のことです。キャッチコピーは、読者の注意を引き、興味や関心を持たせることが目的になっています。
一方、マイクロコピーとは、ウェブサイトやアプリなどの画面上に表示される短い文章のことです。マイクロコピーは、webサイトのボタンや入力フォームラベル、ローディング画面、完了ページなどに見られ、ユーザーに操作や機能を案内したり、信頼感や親近感を与えたりすることが目的になります。
マイクロコピーは、ユーザーに操作方法や機能内容を分かりやすく説明することで、ユーザビリティを向上させます。そのため、マイクロコピーは、親切で丁寧でわかりやすいものが求められます。
キャッチコピーとマイクロコピーは、主に対象とする媒体や目的が異なるのです。
有名企業のキャッチコピー事例
「そうだ 京都、行こう。」(JR東海 京都キャンペーン)
JR東海が1994年から始めた京都への旅行を促進するキャンペーンのキャッチコピーです。このキャッチコピーは、会話調で親しみやすく、ただシンプルに京都へ行くことを自然に提案しています。バブル崩壊後の不景気という時代背景のなか、このキャッチコピーは国内旅行を促し、京都の魅力や日本文化の魅力を再度発見しにいくきっかけとなりました。 また、「そうだ」という言葉は、日常会話でよく使われる決断表現であり、ひらめきや回想を連想させ、過去を思い出させます。そして、「行こう」という言葉で未来へ前進させる意味合いが含まれています。このように、このキャッチコピーは、シンプルでありながらも効果的に京都への旅行を訴求しているのです。
参考:そうだ京都、行こうHP
「インテル入ってる」(インテル)
インテルが1991年から始めたCPU(パソコンの中核部品)のブランディング戦略の一環として作られたキャッチコピーです。このキャッチコピーは、「インテル」と「入っている」たった2語でありながら同じ音の繰り返しにより耳に残りやすいフレーズになっています。
また、「入ってる」という言葉は、CPUがパソコンの中にあることを示すだけでなく、インテルのCPUが多くのパソコンに採用されていることを示しており、インテル製品を1語で説明する言葉として非常に優秀です。このようなことから、インテルのCPUの存在感と優位性を強調する魅力的なキャッチコピーになっているのです。
参考:インテルHP
「お、ねだん以上。」(ニトリ)
テレビCMでも一度は耳にしたことがあるニトリのキャッチコピーですが、多くの人が「お値段以上、ニトリ」と認識してるのではないでしょうか。実は「お、ねだん以上。」が正しいキャッチコピーなのです。これには商品の一つ一つが値段以上の品質であることと、お客様の「お、ねだん以上!」という感嘆表現のダブルミーニングになっています。さらにCMではリズミカルな音に合わせていることで、さらに魅力的かつ効果的に消費者に印象付けています。
ニトリのホームページでは「お、ねだん以上。」の創造ストーリーなども紹介されています。
参考:ニトリHP
まとめ
キャッチコピーひとつで企業やその商品、サービスのイメージは大きく左右されます。
キャッチコピーは、短く印象に残る言葉で読者の心を掴むことで、購買行動につながる可能性を高めることに繋がり、商品・サービスの売上向上や企業成長も期待できます。そのためにも、自社のターゲットは誰なのか、そのターゲットは何を求めているのか、どのような表現をした方がいいのかしっかりと計画を立ててキャッチコピーを作ることが求められます。そこで、さまざまなテクニックやコツ、有名企業のキャッチコピーを参考にして作成していくことが大切です。
有名企業のキャッチコピーやキャッチフレーズを参考にするためのおすすめ書籍↓
「誰かに教えたくなる世界一流企業のキャッチフレーズ」(Lionel Salem 著/森田正康 監修/月谷真紀 翻訳/クロスメディア・パブリッシング出版)