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企業出版とは?一番わかりやすい入門編~メリットや事例、費用まで~
「企業出版」という言葉をご存じでしょうか?会社の売上アップ、認知向上やインナーブランディング、採用力強化のための効果的な手法として「企業出版」というものがあります。情報が溢れてしまい品質だけでは差別化が難しい現代、企業の様々な課題解決に”書籍”の活用が注目されています。
この記事では、企業出版について、はじめて読む人でも理解できるように、意味やメリット、事例や費用など詳しく解説します。
🙎♀️本の出版が本当にビジネス成功の役に立つの?
😥本を書くなんて自分にはハードルが高いよ。
🤔本を出版しても売れなかったら意味がないのでは?
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企業出版 とは
企業出版とは、書籍を活用して企業イメージを正しく伝え、ターゲット顧客や求職者をファンとして定着させるブランディング手法です。集客やブランディングといった経営課題を解決し販路拡大も期待できます。カスタム出版やブランディング出版と呼ばれることもあります。
商品やサービスをPRする媒体として新聞、雑誌、テレビ、Web、SNSなどがありますが、書籍もその一つです。
他の媒体と比べて「信頼性・信憑性が高いコンテンツである」「他媒体への展開力がある」「長期的な効果が期待できる」といった強みがあります。これらの強みは「集客がイマイチ伸びない」「リピートしてくれるファンが少ない」「組織の規模が大きくなってきて経営理念が浸透していない」といった課題解決に有効です。
要するに『企業出版=課題解決のための出版方法』といえます。
商業出版、自費出版との違い
そこで企業出版に関する内容の前に、出版の種類についてご紹介します。出版には大きく分けて3つの種類があります。「商業出版」「自費出版」「企業出版」です。ここでは3つの出版形式をご紹介し、そのなかでの企業出版の立ち位置を見ていきましょう。
商業出版
商業出版とは、制作費を出版社が負担する出版形式になります。商業出版の目的はベストセラーを作ることです。出版社側が企画を立て、過去にヒット作を出した方や最先端で活躍されている方を著者とするケースが多いです。著者側からみた商業出版のメリットは、制作費がかからないこと、印税収入が得られること、書籍の発行部数が3000部以上と多いことです。
その一方で、本を売ることが目的であるため、著者が伝えたいメッセージが反映されないこともあります。また、発行部数や書店展開のプランは出版社主導で決めます。そのため書籍を企業の課題解決に活用する場合は、融通が効きづらい側面もあります。
自費出版
自費出版とは、著者が費用を負担して書籍制作を行う出版形式になります。著者が自身の活動を周囲に知ってもらいたいという思いから、本を作ることが目的になるケースが多いです。企画、執筆、編集などの制作工程で出版社が細かく口出しすることがないため、タイトルや内容などを自由に決め、伝えたいメッセージを書籍にしっかりと込めることができます。
一方でデメリットとしては、制作費がかかること、発行部数が少ないこと(100部程度)、さらに書店で流通されることが少ないことが挙げられます。著者が自ら制作した本を配布するか販売するケースが多いです。自費出版は企業というより個人で検討される方が多いです。
企業出版
企業出版は、商業出版と自費出版の長所を取りこんだ出版形式になります。企業出版の目的は、集客やブランディングなどの経営課題の解決です。商業出版と異なり、企業側が伝えたいメッセージをしっかりと形にできます。加えて自費出版と異なり、書店への流通も行います。
さらに、セミナーでの活用や他媒体と連動することで、書店というルートを起点に独自のターゲティングができます。制作費は企業側が負担しますが、その他にもプロのライターによる執筆も可能であることがメリットとして挙げられます。企業の課題解決の手段として書籍を活用する場合は、企業出版が最適な出版形式だと言えます。
企業出版がもたらすメリット
ここでは、新聞、雑誌、テレビCM、Web、SNSや新聞など他の広告媒体と比べた書籍の特徴についてご紹介します。
集客効果を高め、見込み顧客を獲得できる
「集客を伸ばしたい」という課題に真っ先に浮かぶ打ち手は広告だと思います。世間的な認知度は高くありませんが、書籍もそのひとつです。
書籍はテレビやSNSと違って、お客様が書店に立ちよって時間とお金を割いて手に入れるという特徴があります。それだけ情報収集への熱量が高いということです。そのため、書籍を活用することで見込み顧客を獲得しやすいという特長があります。特にセミナー集客に活用すると効果的です。
また、書籍というモノとしての特長を活かして営業ツールとしても活用できます。書籍を出版しているという事実が安心感を与え、受注の決め手になることや商談でのコミュニケーションをスムーズにするといった効果も期待できます。
ブランディングを実現できる
書籍は、新聞やWebと比べて情報に厚みがあります。これらの媒体と比べて信頼性が高いため、書籍を活用した情報発信は「プロフェッショナル」という印象をお客様に与え、社会的な認知度や信頼度の向上につながります。
また、商品やサービスの紹介だけでなく、経営理念や創業ストーリーも交えてメッセージを届けることができます。どんな想いを持って経営に取り組んでいるのかを伝えることができるため、書籍にはブランディングとしての効果があります。
広告媒体としてはマイナーな印象がありますが、それを逆手にとってリッチな印象を与えることもできます。これらの特長はオウンドメディアに注力している企業との差別化にもなります。
採用強化や人材育成に効果的である
企業出版には、採用や人材育成の効果もあります。前述のとおり、他媒体と比べて書籍には凝縮できる情報量が圧倒的に多く、商品のことも企業のことも詳しく紹介できます。商品の魅力や開発秘話、企業文化や事業拡大で立ちはだかった壁などのストーリーを込めることができます。
こうした情報が体型的に一冊の書籍にまとまっていることで「理念に共感したから一緒に働きたい!」と採用活動につながったり、「うちの会社にはこんな歴史があったのか」と社員の離職防止や定着率の向上につながります。
企業の成長に欠かすことのできない「人」という面からも、会社への愛を持った熱量の高い人材が集まる効果が期待できます。
企業出版の成功事例
ここでは、これまでに弊社がお手伝いしてきた企業出版の事例をご紹介します。
ニッチ市場での差別化を実現した事例
はじめにご紹介するのは、「運動会」のプロフェッショナルとして、企業や学校などの運動会プロデュース事業を展開している株式会社運動会屋様の事例です。
企業出版を検討された背景として、事業自体がかなりニッチなため社会的認知度が低かったことがあります。事業が軌道に乗ってきたところで、より多くの人に自分たちの事業を知ってもらいたいという思いからご相談をいただきました。
そして実際に、書籍という形で自分たちの事業が社会に発信されたことで、展示会などのイベント時に興味を持ってくれたお客様にプレゼントすると、事業内容に関心を持ってもらえるようになったそうです。
さらに、ニッチな業界がら類書がないなかで同業他社との差別化ポイントになりました。
担当者の方からは
「自社のことを全く知らない人にどうやって事業内容を知ってもらうかを考えた時に、書店というルートは魅力的でした。」
というご感想をいただきました。
このように「書籍」というモノとしてのPRツールを備えることで、お客様に興味や信頼感を持ってもらいやすいというメリットがあります。
採用業界での認知獲得を実現した事例
次にご紹介するのは、若手人材に特化した人材紹介事業や教育事業を手がける株式会社UZUZ様の事例です。
設立4年目のころ、お客様や他社から若い会社として見られることが多く、信頼感を高めたいという課題を抱えていました。自社でWebに力を入れて取り組んでいたこともあり、Webとの相乗効果を狙った施策を検討するなかで書籍の活用を選択されたそうです。
自社の強みを活かした「既卒、フリーター、第 2 新卒」というニッチなテーマで書籍を制作し、Amazonでジャンル1位を獲得しました。
この実績をWebにも活用して「皆が買っている本を出版している会社」という企業ブランドを構築していきました。その結果、セミナーや講演でもプロとして認知されるようになり、新規会員登録が月に10件以上発生し、遠方に住んでいる就職希望者の方からもお問合せが来るようになったそうです。
このように、自社でWebの集客に力を入れている企業は多いと思いますが、書籍を活用することで一段階上のインパクトと信頼をお客様に与えることができます。
集客効果を向上させた不動産投資企業の事例
最後にご紹介するのは、「医師」に特化した不動産投資事業を展開されている株式会社トライブホールディングス様の事例です。
企業出版の背景として、セミナーの集客数をKPIに定めて事業拡大を目指すなか、プッシュ型の営業スタイルに行き詰まりを感じていました。そこで、医師には勉強熱心で情報収集の熱量が高い方が多いことを踏まえて、書籍の活用に力を入れることになりました。多忙な医師にとってセミナーに参加する時間を捻出することはハードルになります。そこで、セミナー案内の広告に書籍のプレゼントを加えて、情報収集のハードルを下げました。
こうした書籍の活用によってお客様の信頼度向上につながり集客数も増加したといいます。このように、想定するターゲットが勤勉な方が多いサービスのPRとして、書籍は大きなリターンをもたらします。
企業出版の費用・相場
ここでは企業出版にかかる費用についてご紹介します。企業出版の費用は「本の仕様・印刷費用」「制作費用」「プロモーション費用」の3つによって決まります。
「本の仕様・印刷費用」は、本のサイズ(四六判やB6判など)、表紙のデザイン、紙の素材など、どの書籍のデザインにするかで変わる費用です。
「制作費用」は、企画、取材、ライティング、編集、デザインなど制作工程にかかる費用になります。執筆をプロのライターに依頼するか、著者自身で執筆するかでも費用が変わってきます。
「プロモーション費用」は、書店やAmazonへ流通していく際にかかる費用です。書店ポスター、新聞広告、Webの記事広告、電子書籍の配信など、企業が解決したい課題に合わせて費用が大きく変わります。
ちなみに、企業出版にかかる費用は、500~1000万円程度が相場です。出版社のブランド力でも料金が大きく異なるため、企業の課題解決に最適な手法を提案してくれる出版社を探すのが良いでしょう。
企業出版の流れ
ここでは企業出版の流れについてご紹介します。企業出版には大きく分けて「企画」「制作」「プロモーション」の3つの工程があります。
最初のステップ「企画」では、どのような書籍を作り、販売していくか戦略を立てます。1ヶ月ほどかけて著者へヒアリングを行っていきます。解決したい課題、書籍のテーマ、ターゲット、書店展開の戦略、他媒体へのPR活動、セミナーやイベントなどを計画していきます。このステップで、著者とプランナーの間で目的をどれだけ具体的に共有できるかが重要になります。
そして次は「制作」です。取材〜ライティング〜編集〜校正という流れで制作を行います。3ヶ月くらいの期間をかけて行うため、企画で定めた方向性からブレないように細かく軌道修正をしながら制作を進めていきます。
最後のステップは「プロモーション」です。書店やAmazonへの流通、新聞やWebなど他媒体を絡めた広告展開、セミナーなどのオフライン活動を行っていきます。これらのプロモーションを2ヶ月くらいの期間をかけて行っていきます。プランナーだけでなく著者も熱量高くコミットできるかが大切です。全体として最短6ヶ月~最長1年ほどの期間をかけて制作を行います。