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リファラル採用とは?なぜ今注目されてる?メリット・デメリット解説!
時代の変化により、従来の採用手法では一定のコストがかかることに加え、自社にマッチしている人材がなかなか集まらないという課題を抱えていました。
このような背景の元、採用難、人材不足といわれる昨今において「リファラル採用」という採用方法が注目されています。
本記事ではリファラル採用について、メリットや注意点について詳しく解説いたします。
リファラル採用とは
リファラル採用とは、自社社員または信頼できる社外の人脈から知人や友人を紹介してもらう採用方法を指します。
リファラル(refarral)という英単語は「紹介」や「推薦」という意味をもち、時代の流れと共に注目されている採用の手法です。
欧米では既に重要な採用の手法として広く取り入れられており、日本でも大手企業から中小・ベンチャー企業まで幅広い企業で導入がすすんでいます。
リファラル採用と縁故採用の違い
リファラル採用とよく混同される採用手法として、「縁故採用(コネ採用)」があります。この二つの採用方法は社員からの紹介で採用するという点はよく似ていますが、本質の部分では大きく違います。
縁故採用は、社員や社内上層部の親族や関係者などから紹介を受け、応募者を採用します。そのため、自社が求める人材に応募者の資質や特徴に関係なく候補者を採用しなければならないケースが多くなります。
企業と応募者とのマッチングよりも、コネクションを持つ人物や企業との関係向上が優先されます。
一方、リファラル採用は社員に人材を紹介してもらうという点では縁故採用と同じですが、応募者の持つスキルや適正が自社の採用基準を満たしてるか否かで採用、不採用を決めます。
縁故採用と違って、企業と応募者のマッチングが重視されるのです。
なぜリファラル採用が注目されているのか
近年リファラル採用が注目されている理由はいくつかあります。
時代の変化による労働人口の減少による採用難、コロナの蔓延など外部的な要因によって人々の働き方やビジネスモデルが変化し、多様化し続けています。
企業はただ求人を出して応募を待つだけでは、採用要項に合う人材はなかなか見つかりません。このような背景から、企業側から積極的に採用候補者を探しに行く事が求められるようになりました。
さらに、慢性的な人材不足に加え、社員の帰属意識の低下による早期退職も増えていることから、離職率の上昇も問題になっています。
このような問題の解決に注目されるのがリファラル採用です。
この採用方法は既存社員の定着率を高め、離職率の低下を促すと共に、自社にマッチした人材の確保、採用コストの削減などのさまざまなメリットがあることから、着目されるようになったのです。
リファラル採用のメリット
企業側のメリット
人材のマッチングとエンゲージメント向上
採用活動を行うなかで何人か応募者がいたものの、自社が求める人材が求人に来ないという事も多々あるでしょう。
しかし、リファラル採用であれば、社員に対して自社が求める人物像を理解してもらうことで、自社にマッチする人材を紹介してもらいやすくなります。
応募者も既に企業理念や価値観への共感、さらに社風や実際の働き方などを紹介者から聞いているため、自社への理解が高い状態で応募してくれるなど、結果的に採用におけるミスマッチがなくなり、離職率の低下を促すことができます。
採用コストの削減
採用活動では、求人媒体(広告)への掲載費や紹介会社からの仲介費、転職イベントに出展すれば出展費、さらには候補者を選考する担当者の人件費、など採用のためにかかるコストはさまざまです。
しかし、リファラル採用の場合かかるコストは、紹介者に対するインセンティブや採用担当者の人件費のみになり、通常時の採用活動に比べて大幅に削減できます。
さらに、リファラル採用は離職率が低く、自社にマッチした人材を獲得できるため、将来的に離職してしまった人員を補充しなければならないという事態を防ぐことができることも採用コスト削減といえます。
転職市場外の人材も採用できる
リファラル採用は、転職活動を行っていない人にもリーチすることができます。
転職活動を行っていなくても、なんとなく「もっと合う会社があったら転職したいな」や「今の仕事には満足してるけど新しい事をしてみたい」と思っている人は多くいます。
そういった人材に会話ベースでソフトにアプローチできます。結果的に転職サイトや人材紹介会社ではアプローチしきれない、転職潜在層にリーチすることができるのです。
求職者側のメリット
ネットの情報よりもリアルな情報を入手できる
今の時代、ネットを活用すればさまざまな会社の情報を手に入れることができます。しかし、その情報は表面上しか語られていなかったり、確証がない情報も多くあります。
しかし、リファラル採用は友人の紹介であるため、その紹介者からどこよりも詳しく、リアルな会社の情報を得ることができます。
自分が一番知りたい会社の情報を知ることができるでしょう。
一般の中途採用に比べて内定率が比較的高い
もちろんタイミングや職種によって違いはありますが、一般の中途採用に比べてリファラル採用の方が、おおよそ1.5〜3倍程内定率が高いと言われています。
もちろん比較的内定率が高いと言っても採用試験や面接をパスする必要があり、100%受かるわけではありません。
紹介だから大丈夫と油断していては、せっかくのチャンスを無駄にしてしまいます。企業研究や面接対策などはしっかりと行い、応募するに越したことはないでしょう。
リファラル採用のデメリット
企業側のデメリット
社員の認知と理解が必要
人事部や採用担当者だけでなく、自社の社員全員が紹介者となる可能性を秘めているのがリファラル採用です。社員が主となる活動のため、社員は企業が欲している人材やスキル、採用方針をしっかりと理解している必要があります。
この理解が乏しいと、応募者と企業のミスマッチが起きてしまいます。これを防ぐためにも、日頃から社員へ情報のアップデートと周知を行う事が重要です。
不採用時の人間関係のケア
リファラル採用は100%受かるものではないとお伝えしましたが、この採用活動において、紹介者と応募者は友人関係がほとんどであり、もし応募者が「不採用」になってしまった場合、その人間関係にも亀裂が入ってしまうこともあります。
もし、残念ながら不採用という結果になった場合、応募者には通常の採用活動以上に真摯かつ丁寧な対応を心がける必要があります。
紹介者に対しても、ただ「不採用」という事実を伝えるのではなく、なぜ不採用に至ったのか、どのような点がマッチしなかったのかということをしっかりと伝えるなど、誠実な対応を行うことが大切です。
人材配置の配慮
上記では不採用時の人間関係についてお伝えしましたが、応募者が、採用となった場合も、入社後の人材配置などでその人間関係をケアする必要があります。
入社後、友人とはいえ、一緒に仕事をしていくうちに意見のすれ違いや衝突などから人間関係が悪くなってしまうことや、逆に仲がいい故に、紹介者か応募者のどちらかの退職によってモチベーションの低下を招き、最悪の場合、もう一人も退職してしまうということもあり得ます。
採用後は、配属チームを別々にしたり、他社員とも良い関係が築けるような配慮が必要です。リファラル採用において人間関係や人材配置は無視できない課題でしょう。
人材の同質化
「類は友を呼ぶ」ということわざがあるように、この採用方法では仲のいい友人や価値観の合う知り合いを紹介することが多く、結果的に似たような性格や特性、価値観をもつ社員が自然に集まる傾向にあります。
社内の人材の同質化が進むと、思考のマンネリ化や偏りを生み、イノベーションがなかなか創出されない可能性があります。
同じ人ばかりではなく、多様性を意識した採用基準を設けるなど、同質化を防ぐ取り組みが必要でしょう。
求職者側のデメリット
人間関係のトラブルが起きる可能性がある
企業側のデメリットでもお伝えしましたが、もし不採用になってしまった場合、紹介してくれた友人に対して気まずい思いをすることもあります。
また、実際に雇用してもらったものの、働いてみたら職場環境にマッチしないということもあります。その場合、紹介してくれた友人に対して申し訳ない気持ちになったり、トラブルに発展してしまったりという可能性もあります。
逆に、この方法で採用をしたものの、紹介してもらった相手が想像より能力が低く、紹介したメンバーに迷惑をかけてしまうということもあります。その場合、紹介した自身の評価の低下にも繋がりかねません。
以上のようなことから、人間関係性に溝ができてしまう可能性があるので、リファラル採用で新しい職場を紹介してもらう場合は、そのリスクもしっかりと把握し応募する必要があるでしょう。
リファラル採用を行う際の注意点
報酬(インセンティブ)の設定
リファラル採用を行う際には紹介者に対してインセンティブ(報酬)を設定することが多く、これはリファラル採用特有のコストといえるでしょう。
インセンティブを設定しリファラル採用を促進する場合、その値段が妥当であるかをしっかりと考え設定する必要があります。
高すぎてしまうとその報酬目当ての紹介が発生してしまい、自社にマッチしない人材が応募してきてしまい、本来の目的を果たすことができません。
リファラル採用制度やルールの設計について
リファラル採用を浸透させるうえで、採用制度の設定は重要です。
採用基準や紹介までの工程が明記されていなければ、社員もどのような人材を紹介すればいいのか分からなくなってしまいます。
- インセンティブの設定
- 募集ポジションや採用基準の設定
- 採用フローの明確化 など
上記のようなポイントをしっかりとおさえた仕組みづくりをしなければなりません。
わかりやすい制度設計をすることで、社員が紹介しやすい環境を整えるのが重要です。紹介方法や採用に至る過程が複雑だと、紹介する社員に負担がかかってしまいます。
紹介を受け応募した人にとっても採用フローなどが複雑だと、不信感に繋がり応募者の意欲を下げてしまう場合もあります。
社内告知や社員への周知
リファラル採用の制度設定を行ったら、次にそれを社内全体に周知をさせる必要があります。
制度を設定するだけでは、社員にその制度の存在を認知してもらえず、社員からの人材紹介に至らず、本末転倒な結果になってしまいます。
日頃から、上記で決めたようなルールや採用基準を発信し、社員への協力を仰ぐのが良いでしょう。
まとめ
時代の変化により従来の採用方法だけでは十分な人材を確保できなくなってきています。
そんななか、新しい採用方法として台頭してきたのがリファラル採用です。
リファラル採用を成功に導くには、社内の従業員満足度が高いほうが効果的とされています。
社員が自社に対して良いイメージを持っており、従業員満足度が高い状態でなければ、どれだけインセンティブを払っても、社員は能動的に自分の友人を紹介してくれることはありません。
リファラル採用を取り入れる場合は、インナーブランディングによる従業員の育成も重要になってくるのです。
インナーブランディングについて詳しくはこちら↓
インナーブランディングとは?意味や手法について解説!
また、この時代の流れに合わせて、採用のために自社をブランディングする「採用ブランディング」も注目されています。
採用ブランディングについて詳しい記事はこちら↓
採用ブランディングとは?人材獲得に有効な企業出版