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出版と音声を組み合わせることで、ターゲットにより強力な記憶の定着を可能にするマーケティング戦略とは?
書籍出版後、紙のコンテンツを戦略的に音声化する
本を読んでいる時、声を出さないで、頭の中で文字を音声化していませんか?
人間は文字情報を、自分の言葉で音声化し、脳に信号を送り、理解したり記憶しているのです。自分の体験記憶から脳で映像化している場合もあります。
制作上、コンテンツは文字化しても、それを読む行為をなくし、音声コンテンツとして聴かせ、脳に送り込んだ方が速く、疲れもありません。
また、隙間時間を活用ができ、繰り返し聞くことで記憶の定着にもなるのです。
このように書籍の出版とともに、音を人間の本能的な部分で感じ、声でその人のココロを感じるエモーショナルな仕掛けが重要になってきています。
書籍出版後、紙のコンテンツを戦略的に音声化する
では、音声の使い分けにより、どのような印象を聴き手に与えるのか、年代や性別によってどのような声質が適しているのかをご紹介します。
特定の音や音楽と感情の状態 ~デビュット・ヒューロン~
テンポが遅い:悲しみ、退屈、不快感
テンポが速い:活動、驚き、幸福感、心地良さ、精力、恐怖、怒り
音高低い:退屈、心地よさ、悲しみ
音高高い:驚き、精力、怒り、恐怖、活動
振幅変調小さい:不快感、怒り、恐怖、退屈
振幅変調大きい:幸福感、心地よさ、活動、驚き
引用:デビッド・ヒューロン『「音と音楽と感情」実験的研究への手引き』(Journal of Cousumer Reserch 内/1985年)
好きな音、嫌いな音 ~黒川伊保子~
12歳~25歳の女性が好む音:サ行音とカ行音
45歳~60歳の男性が嫌いな音:サ行音
15歳~25歳の男性が気持ちいい音:ガ行音
あらゆる世代の女性が愛する音:ラ行音音
子どもたちが好きな音:パ行音
引用:黒川伊保子
『人は五感でいい・悪いを決める』(KAWADE夢文庫/2012年)
声の活用
現在、コロナの影響もあり、声を使ってのコミュニケーションが減り、PCやスマホから目で見る文字でのコミュニケーションが増えています。
そんななか、Spotifyは急成長をつづけ、音楽ももちろんですがpodcastでのオリジナル音声コンテンツの事業化に投資をつづけています。
日本ではまだ、わずか8%にとどまっていますが、米国や中国ではpodcastを人口の約30%が聴いており、世界のビジネスシーンでは音声コンテンツは注目されているのです。
このことから、人の声を耳で聞きたいという欲求を強く刺激し始めているという仮説が考えられます。
Z世代攻略
新聞読まない、本を読まない状況の中、今後もZ世代攻略としての紙コンテンツの活用は難しいと予想できます。
ただし、Z世代はスマホを常にもっていることから、電子書籍の普及がさらに進むことは予想されます。実際に、大学生が読む教材はどんどん電子にシフトしています。
今後は電子書籍と音声コンテンツ連動は進んでいくはずです。
さらに、Z世代は商品購入リサーチはGoogle検索などしないで、Amazonに直行して欲しいものや、おすすめにあがってきたものをみています。
このような行動フローから、Z世代攻略のためには、Amazon戦略も必要になるでしょう。
Amazonなどのネット書店のマーケティング戦略について詳しくはこちら↓
『ネット書店で書籍の売り上げ・ランキングを伸ばすための5つのテクニックとは?』
ビジネスで優位に立つために、その業界向けの書籍もしくは電子書籍というディープコンテンツを出版することで、その専門性から分野のエキスパートであることを示すことができます。
そして、その電子書籍を戦略的にターゲットの好きな声や音声で発信すれば、強力なポジショニングができます。
まとめ
企業の一方的な発信では、マーケティングはうまくいくことは難しいでしょう。
生活者へ商品、サービスの興味の獲得が先で、まず興味をもたせることがマーケティング施策のあらゆる活動の源泉になります。
企業課題にニュートラルに向き合い、インサイトを抑えつつ課題解決策に落とし込んでいくときに、付加価値商品などを声で伝えるエモーショナルブランディングや消費者との出会いの時に深みのあるコミュニケーションが必要になります。そこで音声と出版の両サイドからのアプローチが有効に働くようになってくるでしょう。