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リブランディングとは?意味や効果、事例をわかりやすく解説!

# リードナーチャリング

リブランディングとは

リブランディングとは、企業自体やその企業の商品・サービスなど既存のブランドをゼロベースで考え直し、再構築することを指します。
ただロゴやパッケージデザインなど見た目を刷新したり、機能のある一部を新しくするのではなく、自社のブランド自体を時代や顧客、社会の変化に合わせて再度その存在価値を問い直すことがリブランディングなのです。
自分たちのブランドは現状どうであるのか、そしてそのブランドがどうあるべきか、理想の姿を見据え、今の課題を洗い出し解決していく活動全般といえます。

リブランディングとブランディングの違い

リブランディングとブランディングの違いとは、「時間軸と目的」です。
ブランディングは企業が初めて市場に登場するときに行われます。ブランディングとは新たなブランドを生み出し、そのブランドが何を表現しているのか、どのような価値を提供するのかを明確にするための活動です。

一方、リブランディングは前述しましたが、時代や顧客、社会の変化によって既存のブランドイメージを一新し新たな価値を打ち出すための活動です。そのため、起業してすぐに行うものではなく、ある程度の企業活動の後に行うものです。

リブランディングを行うメリット

売上増加

リブランディングは、企業の売上を増加させる一つの手段として有効です。それまで取り扱っていた製品やサービスに新たな価値観を付加することで、消費者の購買意欲を刺激することができます。
元々あったブランドイメージの一新により企業の価値観や理念を消費者に伝えることができます。

さらにリブランディングを行うことで市場ニーズへの再適応ができます。マーケット調査や競合分析を通じて、市場の動向や消費者のニーズを把握し、それに対応する新たなブランド像を構築します。企業がこれまで見過ごしていた市場のチャンスに気付くきっかけにもなります。結果的にブランドの再構築は新しい顧客の獲得に繋がり、売り上げ増加の一助になるのです。

しかし、リブランディングには失敗の危険性も含まれています。親しまれていたブランドイメージが真逆のものになってしまったり、顧客のイメージとそぐわなかった場合、強い反発を招き、結果的に売上の減少を招いてしまう恐れもあるのです。こういった可能性もあることから、リブランディングは計画的に、そして慎重に行うべきでしょう。

ユーザー獲得・顧客満足度向上

リブランディングは、新たなユーザーの獲得と既存顧客の満足度向上が期待できます。新しいブランドイメージを創造することで、これまでのターゲット層にとどまらず、新しい顧客層を取り込むことが可能となるからです。

また、既存の顧客に対しても、新鮮な印象を与えることで、ブランドへの意識を再燃させることができます。その結果、ブランドに対する帰属意識があがり、長期的に商品・サービス、そして企業自体に愛着を持ってもらうことができます。

市場開拓に有利

リブランディングは、企業が新たな市場を開拓する際の強力な戦略となります。その理由は、リブランディングが企業のイメージを一新し、新しい顧客層を引き付ける力を持っているからです。
たとえば、ロゴやデザインの変更は企業の新しいビジョンや価値を視覚的に表現することで、新しい顧客層に対する魅力を高めることができます。

リブランディングの手法はさまざまですが、その取り組みにより、企業は新しい市場に対する存在感を高め、新しい顧客層を取り込むことができます。これはリブランディングが市場開拓に有利である大きな理由となります。

リブランディングが必要なタイミングとは

経営者が代わったタイミング

経営者が変わるという状況は、多くの場合、企業の方向性が大きく変わる可能性があるため、リブランディングの必要性を感じるタイミングと言えます。

新たな経営者が就任すると、そのビジョンや方針が前の経営者と異なることが多いです。これは、企業のマネジメント、ビジネス戦略、企業文化など、さまざまな面で影響を及ぼす可能性があります。そのため、新たな経営者のビジョンを反映させるために、ブランドイメージを一新する必要が生じることは少なくありません。

事業が大きく変わるタイミング

商品やサービスの内容が明確に変わる場合や、新たな市場に進出するとき、あるいは業績不振からの脱却を図る場合など、事業が大きく変わるようなビジネスモデルの大きな転換期にはリブランディングが必要となることが多いです。

例えば、オンラインサービスからリアル店舗への進出を考えるとき、以前のブランドイメージだけでは新しいビジネスフィールドでの成功は難しいかもしれません。新たな市場や顧客層に対して、企業の存在意義や提供価値をしっかりと伝えるためには、ロゴの変更やスローガンの制定、ブランドストーリーの一新などを通じて、新しいブランドイメージを創り出すことが求められます。

また、業績不振からの脱却を図る際にもリブランディングは重要な手段になります。顧客ニーズの変化や競合他社との差別化を図るために事業戦略を見直すとき、それに連動してブランドのイメージも一新することで、新たなスタートを切るためのエネルギーを生み出すことができます。

顧客の反応が薄くなってきたと感じたタイミング

企業の成長は、顧客との結びつきの強さと直結しています。しかし、顧客の反応が薄くなってきたと感じたとき、それはリブランディングを検討する重要なサインかもしれません。

自社の商品・サービスに対して顧客の反応が薄くなってきたと感じるとき、それは企業が提供している価値が顧客のニーズや期待に十分に応えていない可能性があるためです。この状況を打開するためにも、マーケット調査や競合分析を行い、顧客が何を求めているのか、競合企業がどのように顧客のニーズに応えているのかを理解することが重要です。

リブランディングは、企業のブランド価値を向上させ、売上を増加させ、新たなユーザーを獲得する機会を生み出します。また、既存の顧客との関係を強化し、彼らの満足度を向上させることも可能です。

トレンドや時代に合わなくなったタイミング

時代は常に流れ、消費者の価値観やニーズは日々変化します。そのため、一度確立したブランドイメージでも、新たなトレンドや社会の変化に対応できなければ、時代遅れになり、消費者からの支持を失う可能性があります。この時、リブランディングを行い、ブランドの新しいイメージ作りをすることで、市場ニーズへの再適応が可能になります。

そのためには、マーケット調査や競合分析を行い、現在の市場の状況を正確に把握することが重要です。どんなトレンドがあり、どんな消費者ニーズが存在するのか、そして、自社のブランドがその中でどのように位置づけられるべきなのかを明確にすることで、適切なリブランディング戦略を立てることができます。

リブランディングの手順

現状分析

リブランディングの成功に向けては、まず現状の把握が肝心です。ブランドの現状を明確にし、その上でどのような改革が必要かを見極めることが不可欠です。

まずは、自社のブランドイメージを客観的に理解します。これは、自社が何を提供し、その価値は何かということを把握することです。自社の強みや弱み、そしてお客様が自社に何を求めているかを明らかにすることは、これから進むリブランディングの方向性を定めるうえで重要な要素です。

次に、重要なのは市場のニーズです。市場調査を通じて、お客様のニーズや求められる価値がどのように変化しているか把握します。また、業界のトレンドや動向も同時に分析し、自社のブランドが適切な位置にあるか再評価します。これは、市場ニーズへの再適応を図るための重要なステップです。

さらに、競合分析も必要です。競合他社がどのようなブランド戦略を採用しているか、何がうまく機能していて何が機能していないかを見極めます。これにより、自社の立ち位置と競争力を強化するポイントを見つけることができます。

このような現状分析により、自社のブランドがどのようなポジションなのか、どの方向に進むべきなのかを明らかにします。

戦略の立案

次に、上記の現状分析を元に今後の新しいブランドの方向性や指針、戦略を決定していきます。

まずは現状分析の結果から、既存のブランドイメージで何を残すのか、何を変えるのかを検討します。その上で自社のポジションやターゲット、ブランドストーリー、商品・サービスの内容など新しいブランドアイデンティティを明確にします。

ブランドアイデンティティについて詳しい記事はこちら↓
ブランドアイデンティティとは?意味や効果、事例をわかりやすく解説!

そして、その新しいブランドアイデンティティを表現するために、新しいロゴやキャチコピー、デザインなどを策定していきます。

ブランドを浸透させる

リブランディングの最終段階は、新たに作り上げたブランドを顧客に浸透させることです。ただし、これは決して簡単な作業ではありません。改めてブランドイメージを構築するということは、顧客に新しい視点でブランドを理解してもらうことを意味します。

そのためにはまず、自社の従業員に対する訴求が非常に重要です。経営層など企業のトップだけが理解していても、実際に顧客に接する従業員が理解していないと、顧客からの理解も得ることはできません。

そして内部に浸透した後、広報や広告、プロモーションを行い外部へ浸透を図っていきます。新しいロゴを使用した広告キャンペーン、スローガンを使った商品パッケージ、ブランドストーリーを取り入れたSNS投稿などさまざまな施策で、新しくなったブランドを表現していくのです。

リブランディングを成功させるポイント

長期的に取り組む

リブランディングは一朝一夕でできるものではありません。

具体的には、新しいロゴのデザイン、スローガンの制定、ブランドストーリーの一新といった新しいイメージ作りは時間をかけて進行させる必要があります。

また、既に浸透しているブランドイメージを新しいブランドイメージへ再度浸透させるには時間が必要です。

急いでリブランディングしてしまうと、顧客が変化に追いつけず、反感を買う恐れがあるため、リブランディングは長期的な取り組みと捉え、計画的に進めることが大切なのです。

客観的な視点を持つ

リブランディングを成功させるためには、自社のブランドを客観的な視点で評価することが欠かせません。主観的な見方をしていると、時には実状を見誤ることもあります。経営者やマーケティング担当者が深く関与するあまり、企業側の伝えたい理想のイメージが先行してしまい、顧客が顧客が見るブランドイメージと一致しない場合があります。

そのため、リブランディングの過程では、客観的なデータに基づく分析を行うことが重要となります。具体的には、顧客の要求や期待、現在の市場状況、競合他社の戦略などを把握し、自社のブランドがこれらにどう対応しているのか詳細に調査することが大切です。

既存ブランドの資産を活かす

リブランディングとは、新しいイメージ作りだけでなく、既存のブランド資産(ブランド・エクイティ)を最大限に活かすことも重要な取り組みの一つです。

企業はさまざまな資産を持っています。例えば、株式・預金といった金融資産、本社ビルや工場の不動産資産、技術・商標権・ノウハウなどの知的資産、社員、販売ネットワークなども企業資産です。

このような企業資産のうち、「ブランド」も一つの企業資産と捉えたものがブランド資産(ブランド・エクイティ)という概念です。

このブランド資産とは、ブランドのロゴ、色彩、シンボル、スローガン、ブランドストーリーなど、ブランドのアイデンティティを形成する要素全てを指し、その裏には消費者が感じる信頼や経験が詰まっています。企業にとってこのブランド資産は非常に重要であり、リブランディングの過程でこれらを無視すると、そのブランドへの信頼や愛着をなくす恐れがあります。

リブランディングでは新しいイメージを作り出すことが重要ですが、同時に既存のブランド資産も大切に活用することが求められます。新旧の要素がうまく融合されたブランドは、消費者に安心感を与えつつ、新鮮な驚きも提供します。それがリブランディングが成功するための一つのカギとなります。

ブランド資産について詳しい記事はこちら↓
ブランド・エクイティとは?その意味や構成要素、メリットを解説

ステークホルダーとのコミュニケーションを大切にする

リブランディング成功のための重要なポイントの1つに、ステークホルダーとのコミュニケーションがあります。ステークホルダーとは、企業の利害関係者を意味し、株主、従業員、取引先、そして実際に購買する消費者などが含まれます。これらの人々は企業のブランドに対して深い関心を寄せており、リブランディングの成功にはその理解と協力が不可欠です。

まず、企業はステークホルダーへなぜリブランディングをするのか、その意図と目的を明確に伝えることが求められます。新たなビジョンやミッション、価値観を共有することで、ステークホルダーに対して企業の新しい方向性を理解してもらうことができます。その結果、変化に対する不安を軽減し、リブランディングへの支持を得ることが可能になります。

次に、ステークホルダーからのフィードバックを積極的に収集し、それをリブランディングの過程に反映させることが重要です。特にお客様からの意見は、ブランドが市場でどのように認識されているかを理解するための貴重な情報源となります。お客様の声を活用することで、市場ニーズに対応したブランドイメージを構築することができます。

このように、ステークホルダーとのコミュニケーションはリブランディングの成功に欠かせない要素です。企業はステークホルダーとともに新しいブランドを創造するパートナーとして、その意見と感情を尊重し、共感することが求められます。そうすることで、既存の信頼を保ちつつ、新しいブランドイメージを確立し、成功へと導くことが可能となります。

まとめ

リブランディングとは、企業自体やその企業の商品・サービスなど既存のブランドを再構築することを指します。

リブランディングは、企業が新しいイメージを作り出したり、市場ニーズに再適応するための一環となります。

既に浸透しているブランドを一新する作業は時間がかかり、様々な面でコストがかかるためとても大変な取り組みです。

しかし、時は常に流れ、市場のトレンドや消費者の価値観、ニーズは日々変化していくものです。時代に合わせてブランドを見直し、未来を見据えて取り組むリブランディングは自社の末永い繁栄と成長につながるのです。