「千三つ」と呼ばれるほど、新規事業を当てるのは難しいと言われています。
これまで、新規事業は成功を収めた企業や経営者による「戦略論」によって語られてきました。
しかし、戦略が良くてもコケるのが現実。では一体、何が真の問題なのか…?
本書では、その答えを探るべく、暗中模索の新規事業を統計データと質的データを用いて解剖し、新規事業をめぐる現場と組織を科学的に分析しました。
その結果見えてきたのは、新規事業部に配属された人々の孤独な茨の道。
「新規事業を成功させるのは斬新なアイデアではなく巻き込み力」
「新規事業の敵は『社内』にあり」
「出島モデル、ゼロイチ信奉の罠」
など、定説を覆すような、”人”をとりまく現実が明らかとなりました。
本書は、新規事業の担当者、現場マネジャー、経営幹部を成功に導く最先端の「見取り図」です。
著者紹介
田中聡/中原淳
田中聡(たなか・さとし)
1983年、山口県周南市生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程(中原淳研究室)在籍。株式会社パーソル総合研究所主任研究員。立教大学経営学部兼任講師。一般社団法人経営学習研究所理事。東京大学大学院学際情報学府修士(学際情報学)。慶應義塾大学商学部を卒業後、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)に入社。事業部門を経て、2010年に同グループ初のシンクタンク組織である株式会社インテリジェンスHITO総合研究所(現・株式会社パーソル総合研究所)設立に参画。専門は、人的資源開発論・経営学習論。主な研究テーマは、新規事業担当者の人材マネジメント、次世代経営人材の育成とキャリア、ミドル・シニアの人材マネジメントなど。主な論文に「新規事業創出経験を通じた中堅管理職の学習に関する実証的研究」(『経営行動科学』 Vol.30 No.1)など。
中原淳(なかはら・じゅん)
1975年、北海道旭川市生まれ。東京大学大学総合教育研究センター准教授。大阪大学博士(人間科学)。東京大学教育学部卒業後、大阪大学大学院人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発・リーダーシップ開発について研究している。専門は人的資源開発論・経営学習論。著書に『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『フィードバック入門』(PHP研究所)など、共著に『アルバイト・パート採用・育成入門』『企業内人材育成入門』(以上、ダイヤモンド社)など多数。