「人が必要なときに求人広告誌に掲載して中途で採用するが、なかなか良い人財が集まらない」
「社員が退職した際の補充に求人を出したことはある」
「そもそも縁故採用しかしたことがない」など、中途採用を中心になんとか人手を確保。
どこも良い人財を採りたいという思いで活動していますが、
なかなかうまくいっていないのが現状でしょう。
本書は地域ビルダー及び工務店の「採用」×「ブランディング」をテーマにしています。
会社によっては、新卒採用の経験がなく、中途採用でしか採用活動を行っていない中小の
地域ビルダーや工務店も存在するでしょう。そういった理由を経営者に伺うと、
以下の二つを挙げられます。
ひとつは、「ウチみたいな会社に新卒採用なんて無理だよ」という半ば諦めの気持ち。
新卒で採用できるのは、「大手であること」「知名度があること」「人事部があり、
専任の採用担当者がいること」など、新卒採用が可能な会社はそんな立派な組織だけ
だと思っていませんか?
もうひとつは、「業務経験のある中途採用のほうが戦力になる」と思い込んでいること。
未経験者を雇っても研修システムがなく、イチから教育する環境も整っていない。
業務が忙しくて教育のための時間や人員もいない。だから、教えなくても最低限のことは
できる経験者を採用したほうが効率的だろうという考えです。
まずお伝えしたいのは、新卒採用はけっして敷居が高いものではないのです。
だから、新卒は無理だと諦める必要はありません。
本書では、「人財不足に課題を感じつつも、これまで採用において期待するような成果を
得ることができなかった」そんな地域ビルダーや工務店の経営層の方々に向けて
新卒採用戦略をあますことなくお伝えします。新卒採用という多数のスタッフで取り組む
一大イベントを通じて、経営者は会社のあり 方を見つめ直し、
将来に向けて「どうあるべきか」を考える大きなきっかけとなります。
既存社員もまた、自らの知識やスキルを改めて学習できる機会となります。
こうした良い刺激が企業活動を活性化し、同業者との差別化にもつながります。
つまり新卒採用は、単に人財を確保するだけでなく、企業の「ブランド力」や「知名度」の
向上にも役立つなど、経営戦略の一環となり得るということです。
本書が、新卒採用を真剣に考えるきっかけとなり、新卒採用の考え方や進め方などの
事例を参照いただければ、良い人財の獲得と企業の成長につながることを期待しております。
(プロローグより)