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底地・借地で困ったときに最初に読む本

底地・借地で困ったときに最初に読む本

  • 著者:中川祐治
  • 定価:1848円(本体1680円+税10%)
  • 発行日:2020/10/21
  • ISBN:9784295404606
  • ページ数:264ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

じつは不動産業界にも、お医者さんのようにいくつかの専門分野があります。
メジャーな分野では、アパート・マンションなどお部屋探しの賃貸仲介業者や
夢のマイホーム購入の売買仲介業者などは、一般のお客様にも馴染みが深いかと思います。
この他にも、中古マンションのリノベーションを手掛ける買取り再販業者、
マンションや住宅を建設する開発業者なども広く知られる存在かと思います。
その他にも、専門性の強い、投資用不動産専門業者や競売・任意売却専門業者などもあり、
同じ不動産業界の中でも、各社の専門性は多種多様にわたります。

さて、本書の著者は、そのような多種多様な不動産業界の中でも、
よりニッチでマニアックな分野とも言われる『底地借地』の専門家です。
底地借地とは底地権と借地権の略ですが、土地の賃貸借において、
地主さんから借りた土地に借地人さんは自宅を建築し土地を利用しますが、
その土地を利用する権利を『借地権』と言います。
反対に借地権の設定された、地主さんの土地権利を『底地権』と言います。

戦後の頃にスタートしたとも言われる(旧法)借地権の設定された土地賃貸借も、
地主さん借地人さんの世代交代やコミュニケーション不足などにより、
昨今では、この土地賃貸借に関するトラブルや相続に関する相談が急増しています。
ところが、大手の不動産会社をはじめ、多くの不動産業者に底地借地の相談を持ち掛けても、
スッキリとした回答が得られないばかりか、対応自体に積極的ではないことが多いようです。
理由は本書に詳述してありますが、底地借地は専門性の強い分野であることから、
大手の不動産業者に相談しても断られることもあり、
多くの地主さんや借地人さんは誰に相談し、
どのように問題を解決したら良いのかと困っておられるのが現状です。

本書P192より抜粋しますが、コンビニエンスストアの3倍にもなる、
東京都内の宅建業者2万4704社のうち、底地借地専門業者は約30社程度と言われており、
都内宅建業者全体のわずか0.12%であることから、『どこに相談したら良いのか分からなかった』
とお困りになる地主さん借地人さんが多いのも無理はありません。

本書では、この貴重とも言える底地借地の専門家で、
大手ハウスメーカーや大手の税理士事務所と提携し、
数々の底地借地問題を手掛けてきた経験豊富な著者により、
底地借地の地代や更新料、各種承諾料の相場といった底地借地の基礎知識に加え、
底地借地のトラブル事例や解決方法、底地借地の売却時の注意点や有効活用の方法など、
底地借地のノウハウを惜しみなく解説しており、地主さん借地人さんだけでなく、
不動産業者の皆さんにとっても大変貴重な一冊となっていることかと思います。

また、底地借地に関わることのある、税理士さんを始めとした士業の先生方、
保険会社のライフプランナーさんなど、地主さんや借地人さんの相続や
土地活用に関わることのある、あらゆる専門家の皆さんに向けた一冊となっています。
底地借地の専門家がいることを広く認知して頂き、
地主さん借地人さんのために本書がお役立て頂けることを願っております。

著者紹介

中川祐治

株式会社アバンダンス代表取締役。1979年生まれ。宅地建物取引士、相続診断士。高校卒業後、建設業界にて地主さんを主な顧客とした土地活用の提案営業に従事。2006年、底地専門の不動産会社に転じ、地主さんに寄り添った底地売買や相続対策の経験を積む。2011年、底地と借地に特化した不動産会社、株式会社アバンダンスを設立。柔軟なコーディネートに定評があり、税理士などの士業事務所や大手ハウスメーカーと連携し、様々な不動産案件に対応している。2013年、税理士などの士業とワンストップで相続対策をコーディネートする、あいか相続対策研究所株式会社を設立。現在は、地主さん・借地人さん向けセミナーのほか、金融機関の行員向け、大手ハウスメーカーや保険会社の職員向けセミナーや勉強会も行っている。

目次

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MORE

はじめに
社会の移り変わりにより“土地”にまつわる相談が急増中
底地・借地に関わる専門家は“つながる”のがあるべき姿

 

序章 底地・借地の困った! トラブルあるある

地代が安い! 値上げ交渉失敗/不当な地代値上げ要求
地主さん、借地人さん、両者の立場に立ってみると
頻発する更新料のトラブル。相場を知りましょう
借地人さんは更新料を払うべきか?
借地人さんが建物を勝手に売ってしまった!
「買取請求」という対処法
借地権を高く売りたい時の手法
建替え承諾料の交渉が難航してしまう
“増改築禁止特約”の有無がカギになる⁉/建替え承諾料は、土地価格の3%〜5%が相場/雨漏りの修理でも、契約違反になることもある!
簡単には売れない底地の売却方法
底地の共同相続はお勧めできない
底地と借地権を交換したい
「固定資産の交換特例」がポイント
底地・借地の悩みは解決できる!

 

1章 底地・借地の基礎知識

土地の賃貸借と使用賃借について
底地(貸宅地)/借地権 /地代の支払い/合意更新と法定更新/更新料/建物
の増改築と承諾料/借地権譲渡と承諾料(名義書換料)/供託/借地非訟手続

 

2章  “地主さん側から見た”トラブルの解決方法と底地の有効活用

適正な地代と値上げの方法
地代の滞納にどう対処すればいい?
借地人さんに更新料の支払いを拒否された
借地人さんから求められる各種承諾に、どう対応すれば良いのか?
建替え承諾(増改築承諾)/借地権譲渡承諾/金融機関の承諾書(地主の承諾書)
土地賃貸借契約の終了には、どのような対応が必要か
底地の有効活用について
底地と借地の等価交換/底地と借地の同時売却/借地権の買取り/底地の売却
底地を売却する方法
業者売却(底地買取り業者への売却)/業務委託(借地人さんに底地を売却する)
業者売却の流れや注意点
買取り業者の選択/買取り業者との面談・相談/買取り価格と契約条件の提示/売買契約の締結と手付金の受領、測量の着手/売買残代金の受け取り、所有権移転/確定申告
業務委託の流れや注意点
底地を次世代に相続させるために必要な準備

 

3章 “借地人さん側から見た”トラブルの解決方法と借地の有効活用

後悔先に立たず! 更新料支払い拒否の効果
地主さんから契約更新を拒絶されたら
借地にある建物を増改築するには?
借地上の建物の増改築は、地主さんの承諾が必要!!
借地の実家はどうやって処分するのか?
借地権の譲渡に必要な承諾料
売却を依頼する不動産会社の選択/販売価格や各種諸費用の見通しを立てる/地主さんから、借地を第三者に売却するための承諾を得る(借地権譲渡承諾)/地主さんとの譲渡承諾料等の諸条件を調整し、借地権譲渡承諾書を作成する/借地権の販売開始/売買契約/引渡しから新たな土地賃貸借契約書の取り交わし
借地人さんは底地を購入するべき?
更地の半額以下で? 借地人さんが底地を購入するメリット/地代を支払い続ける必要がなくなる/契約更新時の更新料の支払いがなくなる/許可や承諾料の支払いなしで増改築ができる/自由な使用、売却が可能になる/売却の際の買い手が見つかりやすくなる(高く売れる!)/良い形で相続財産を遺せる/建替え時に住宅ローンを利用しやすくなる
底地の購入時に注意すること
隣地との境界はハッキリしているか/接道義務を果たしているか/価格は適正か
地主さんが土地を不動産会社に売却した! 借地契約は無効になるの?
新しい地主さんから土地を明け渡すよう勧告があった場合
借地上の建物を貸家として貸し出せる?
借地権は建物登記が重要! 未登記や名義の不一致は危険!
地主さんから借地契約を解除される/借地権の存在を認められない/建替えを機に、親子の共有名義にしてしまった/亡くなった先代の名義のままにしている

 

4章 ちょっと珍しい底地・借地の専門家

都内に0.12%! 希少価値の高い「底地・借地」の不動産業者
底地・借地の専門業者が少ない理由/「面倒な案件ほど大歓迎!」が、弊社の強み/相続対策を目標とした専門家チームの一員に/専門家の先生方の力があって、初めて「底地・借地のプロ」になれる
思い出に残るお客様とのエピソード
火事になった借地での出来事/山奥でおじいさんを背負い遭難寸前の現地調査/いつもそばに、親切すぎてちょうどいい
底地・借地の専門家としての仕事とは?
底地の自社買取り(東京都世田谷区)/底地の現金化(神奈川県川崎市)/底地と借地に関する各種コンサルティング
実は幅広い不動産取引に対応が可能です!
実家など相続で取得した不動産を売却したい/最近使っていない別荘を売りたい/老朽化したアパートを建て替えたい/再建築不可の土地を何とかしたい/駅近くの土地を売りたい、広い土地を売却したい/相続対策、資産の有効活用をしたい/住宅ローンの返済が苦しくなったので自宅を売りたい/その他、諸事情のある不動産を売りたい、何とかしたい

 

5章 底地・借地に関わる、あらゆる専門家の皆さまへ

アバンダンスは、数少ない“柔軟な対応が可能な”底地・借地の専門家
専門家の皆さまから持ち込まれるご相談事例
【底地・借地に関する不動産のご相談の例】
●税理士さんからのご相談事例①
所有不動産の多くが底地(貸宅地)という地主さんの相続対策で、不動産を一部売却し、納税資金を確保したい。
●税理士さんからのご相談事例②
地主さんと前回の更新時にトラブルになり、現在も法定更新中という借地人さん宅を、賃貸併用住宅に建て替えたい。
●ハウスメーカーさんからのご相談事例
駐車場に幼稚園を誘致し有効活用をしたいが、園庭確保の関係で、底地(貸宅地)部分も計画地に含めたい。
●司法書士さんからのご相談事例
地主さんより土地賃貸借契約の更新が近くなっているので、適正な更新料と地代の値上げを相談したい。
●宗教法人さんからのご相談事例
宗教法人が地主さんで、個人の借地人さんから底地と借地の交換をしたいという要望があった。
【底地・借地以外の不動産のご相談の例】
●ハウスメーカーさんからのご相談事例
相続した実家を売却したい。
●弁護士さんからのご相談事例
住宅ローンの支払いが出来なくなったお客様の自宅を、競売になる前に、出来る限り高い価格で売却して欲しい
●税理士さんからのご相談事例
市街化調整区域内の未利用の山林を処分したい。
●ライフプランナー(保険会社)さんからのご相談事例
親族間で不動産売買をしたいが、贈与税の対策など、具体的にどうしたら良いか。
●JAさんからのご相談事例
親から相続した実家を売却したいが、敷地の一部に住む親族が売却に反対していて困っている。
アバンダンスと専門家の皆さまとの連携について
【税理士さん】底地・借地に限らず、不動産取引全般でお付き合い
【司法書士さん】遺産分割や相続後の売買などで協業
【土地家屋調査士さん】測量作業で近隣土地所有者様をご紹介頂くケースも
【弁護士さん】様々な事情による不動産売却のご相談
【ハウスメーカーさん】底地・借地に限らず、不動産全般でのご相談をご一緒する
【ライフプランナー(保険会社)さん】相続に限らず、売買のご相談も多数
ご相談・ご依頼の連鎖をご一緒しましょう

 

おわりに
地主さん、借地人さんへ。お困りごとがあれば、“なんでも”ご連絡ください。
底地・借地に関わる皆さまへ。難しい案件、すぐに仕事にならない案件、大歓迎です!