一般的な傾向として、女性には占いを肯定的に受け止める人が多く、
男性は逆に否定的に見ている人が多いといわれています。
しかし最近は、男女を問わず、最前線で働くビジネスパーソンの相談者が増えているようです。
著者によると、東大などの一流大学を卒業した大手商社マンやメガバンクの銀行マン、
大学教授、医師など、エリートと呼ばれる人たちも積極的に占いを活用しているとか。
彼ら彼女らに共通しているのは、占いを「判断材料」の一つと考えていることです。
占いを「当たるも八卦、当たらぬも八卦」(当たることもあれば、当たらないこともある)
と捉えるのではなく、「自分の考え方は合っているのか?」と答え合わせの参考にしたり、
「自分の考えが及ばない意見を知りたい」というアングルで占いと向き合い、
それをビジネスや自分の生き方に活かしているというのです。
占いによる鑑定を「予言」と受け取るのではなく、客観的な「助言」と考える冷静な視点は、
ビジネスパーソンに限らず、多くの人に知ってほしい発想です。
著者が占いで鑑定をする際には、次のような5つの効果を生み出すことをイメージしながら、
相談者と向き合っています。
① ありのままの自分を受け入れて「前向き」な気持ちになれる
② 自分の長所や才能を自覚して「自己肯定感」が高まる
③ 悩みやモヤモヤを吐き出すことで「心の置き場所」ができる
④ 自分の生き方や考え方を改めて「振り返る」ことができる
⑤ 新たな発想や見方と出会うことで「転ばぬ先の杖」が得られる
古代ギリシャの哲学者ソクラテスの座右の銘「汝自身を知れ」ではありませんが、
占いによって自分自身を知ることが、人が生きやすくなるための一助になります。
自分でも気がつかなかった潜在的な才能や、忘れかけていた長所に気づいて、
それを伸ばしていくことが、人が幸せに生きるための「コツ」であるのです。
これが「教養としての占い」の本質です。
占いの効果やメリットだけでなく、問題点や注意点にも目を向けることで、
占いの「意味」と「意義」を確認していただくことも本書の目的の一つです。
占いを単なる「当てもの」(見えないものを言い当てる)と考えるのではなく、
自分の才能や生き方に気づくための「発見ツール」として活用していただけたら、
これほど嬉しいことはありません。