日本の企業では、残業をいとわず、
長い時間をかけて丁寧な仕事をすることが求められてきましたが、
そうした働き方は、すでに許されない状況を迎えています。
現在のビジネスパーソンに求められているのは、
従来型の「じっくりと時間をかけた仕事」ではなく、
短い時間で成果を出し続ける「スピード感のある仕事」です。
スピード感のある仕事とは、どのようなものか?
その答えは、意外なキーワードに隠されていました。
これまでは、ビジネスパーソンの仕事の進め方や時間の使い方などは、
漠然としたニュアンスだけで語られてきましたが、
ビジネスのDX化などが進んだことで、
「仕事ができる人は、時間をどのように費やしているのか?」
を追跡することが可能になっています。
そこで明らかになったのは、成果を出し続けている人は、一般社員と比べて、
「すぐに仕事を始める割合が1.8倍から2.3倍も高い」ということです。
仕事ができる人は、「動き出し」の重要性を強く意識しており、
「初速が早い」という顕著な特徴が浮き彫りになったのです。
「初速」が上がると、締め切り前に作業を終えることが可能になり、
次のタスクの初速を早めることができます。次のタスクを早く始めることができれば、
余裕を持って取り組むことができるため、成果を引き寄せることにつながります。
「初速を早める」→「次のタスクの初速が早まる」という好循環を作り出すことが、
時間をかけずに多くの成果を出し続けることを可能にしてくれるのです。
本書では、さまざまなデータや、その後の行動実験によって明らかになった初速が早いことの
「意味」と「意義」をお伝えしながら、「仕事が早い人は、動く前にどんな準備をしているのか?」、
「初速を上げると、なぜ成果が出るのか?」など、
仕事を効率よく進めるための実践的なノウハウを詳しくお伝えします。