米国Amazon.comで1500以上もの評価・レビュー(5点満点中で平均4.5点)を集めている一冊の抄訳版が登場。
著者が全米50州を3年かけて横断し、その耳でじかに聞いた225人の「リアルなライフストーリー」を分析。
そこから見えた、転機をくぐり抜けてきた人の「共通点」や「そのとき、どうすべきか」を述べている実践的な自己啓発書です。
▼ TEDトーク400万再生の著者が語る「人生最大の転機」の乗り越え方
これまで著書のうち実に7冊が「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストに選ばれた著者、ブルース・ファイラーが本書で描くのは、次のような人たちです。
・妻が自殺し、3人の息子を育てるために辞任した製薬会社CEO
・信仰や住む場所も変え、看護師になったトラック運転手
・国内ナンバーワンの学生アイスホッケー選手だったが、試合中のアクシデントでその後の人生を車椅子で過ごしている男性
・特殊部隊の作戦中に乗っていた輸送機がヘリと衝突したが間一髪で助かり、いまもその日に履いていたブーツをオフィスに飾る作家
この本は、さまざまなバックグラウンドを持った225人の「人生の転機」「混乱」、そして「再出発」までの道筋について丹念に聴き取り、深く考察した末に書かれました。
▼ 「期待すべき意味ある人生」の定義はひとつだけじゃない
著者自身、病気や金銭的な不遇、父親の自殺騒動など、多くの困難に直面しながら、数多くの人々にインタビューを実行。
集めた「リアルなライフストーリー」から、パターンや手がかりを見つけ出しました。
・人生を「物語」に変換し、意味を作り出す
たとえば、例外的で予想もつかない、常軌を逸するような人生の出来事があっても、それらを意味のあるいくつかの章にまとめ、物語として語ることで、人生の流れのなかにうまく組み込んでいけるようになる。
人生の物語を語る場合、意味の空白を、意味のある瞬間に変換するための具体的方法として「3つの要因」を特定した。
ひとつめは、「現在と過去という2つの時間を用い、そのあいだに意識的に距離を設ける」こと、2つめは「ポジティブな言葉を使う」こと、3つめは「エンディングを確定させる」ことだ。
・人生を有意義な方向へ転換させた「破壊的要因」
著者は、日々の生活の流れを阻む出来事、具体的にはストレス要因や危機・問題を「破壊的要因」と名付けているが、その出来事自体は善でも悪でもない。
「子どもの病気」「両親の離婚」「家を失う」「収監される」といった一般的にはネガティヴにとらえられる出来事さえ、「再出発」のきっかけになる場合がある。
「破壊的要因」の数は225人のエピソードの中で52にのぼる。
本書ではこれを、「愛」「アイデンティティ」「信念」「仕事」「身体」の大きく5つに分類している。
・バランスのとれた生活に必要な「3つの要素」
仕事を中心にアイデンティティを確立する人、子育てや身内にいる病気の人の世話をするために自らの大望を犠牲にする人、あるいは学校で教育に携わったり、環境を救ったりするために大きな経済的利益が得られる仕事を慎もうとする人。
私たちは、「期待すべき意味ある人生」の定義はひとつだけだと教えられてきたが、今では複数の定義が存在する。
これらの様々な意味の構成要素と、人々がそれらに対し、どのように優先順位をつけるのかを詳細に見ていく。