年輩者の多い日本では、仕事に口をはさむ目上の人や自分の意見を曲げない年長者など、身近な「老害」に悩まされる人々が増加すると予想されます。
一方で「老害」になる人の多くは、経験豊富で自身の知見を社会に役立てたいという意思を持っており、これは「メンター」にふさわしい要素でもあるのです。
本書は「老害」と「メンター」の共通点や相違点を中心に取り上げ、「老害」になりたくない人の他、「老害」に苦しめられている人に有益な内容となっています。
年輩者の多い日本では、仕事に口をはさむ目上の人や自分の意見を曲げない年長者など、身近な「老害」に悩まされる人々が増加すると予想されます。
一方で「老害」になる人の多くは、経験豊富で自身の知見を社会に役立てたいという意思を持っており、これは「メンター」にふさわしい要素でもあるのです。
本書は「老害」と「メンター」の共通点や相違点を中心に取り上げ、「老害」になりたくない人の他、「老害」に苦しめられている人に有益な内容となっています。
目次
はじめに
老害の構成軸
メンターになる人はレビューで5点をつけ、老害になる人は1点をつけがち
メンターになる人は他人の気分を優先し、老害になる人は自分の気分を優先する
メンターは「リーダーを困らせる人」を指導し、老害は「リーダー本人」を指導したがる
メンターになる人は自分で自分を上機嫌にし、老害になる人は他人に機嫌を良くしてもらう
COLUMN 人生100年時代をメンターとして生きる
お世話好き、面倒見が良いから、メンターにも老害にもなりやすい
お節介だから、メンターにも老害にもなりやすい
気が付きやすいから、メンターにも老害にもなりやすい
気が利くから、メンターにも老害にもなりやすい
サービス精神旺盛だから、メンターにも老害にもなりやすい
経験年数や実績、成功体験があるから、メンターにも老害にもなりやすい
人脈があるから、メンターにも老害にもなりやすい
真面目で負けず嫌いだから、メンターにも老害にもなりやすい
「役に立つことを言わなければ」と思うから、メンターにも老害にもなりやすい
キャッチーで力強いフレーズを言えるから、メンターにも老害にもなりやすい
後継者の決まらないカリスマ経営者は、メンターと老害を兼任している状態にある
COLUMN 老害ツールの変遷
自分の思い通りにならなかった時にする言動で、メンターか老害かが決まる
老害になる人は、〝つい〟力ずくで主従関係を逸脱させないよう支配しようとしてしまう
老害になる人は、〝つい〟異なる意見を抹殺、排除しようとしてしまう
老害になる人は、〝つい〟自分の意見が通らなかった時に相手の悪口を言いふらしてしまう
老害になる人は、〝つい〟自分の意見が通らなかった時に相手に攻撃的になってしまう
老害になる人は、〝つい〟自分の意見が通らなかった時に人脈を駆使して相手をいじめてしまう
意見の違いを単なる「違い」と認識する習慣付けでメンターであり続ける
いきなり注意されるのは「見ず知らずの人から石を投げられる」のと同じ
自分は関係性ができていると思っていても、相手も同じかはわからない
関係性ができていないから〝怖い〟と思われる
関係性ができていないから〝古い〟と思われる
関係性ができていないから〝不気味〟と思われる
メンターになれる人は、「相手に合わせて」関係性を構築してくれる
COLUMN 応援のパターンを「声援型」と「お祈り型」で使い分ける
老害と指摘されやすい人の話し方には「くせ」となる型(フォーマット)がある
正しいか、正しくないかで論じたがる
優れているか、優れていないかで論じたがる
すぐ採点をしたがる
会話の冒頭を「否定」から入りたがる
社会的地位があるか、そうでないかで論じたがる
敬意を欠いた表現は日本人には抵抗がある
COLUMN 「若害」との向き合い方
現代に役立つ文献があるように、参考になる昔話もある
オチを「今は贅沢」ではなく、「今は幸せ」にする
聞き手が置いてきぼりの昔話をせず、解説付きの昔話をする
仕事として知っておいて欲しい昔話は、動画など工夫をして伝える
自慢話・成功談の昔話より自虐話・失敗談の昔話のほうが安全な理由
昔話の名手は「どうでもいい細かいこと」を語れる
インターネット上に載っていない昔話をする
昔話をお説教につなげない
品性のない話は昔話でも今の話でも「気持ちが悪い」
「受け身」にならないことで老害に陥ることを未然に防げる
「下」が「上」を敬うのは「当たり前だ」という考えをいったん横に置く
「育ててあげよう」「教えてあげよう」より「支えよう」という考えを取り入れてみる
「いつもありがとう」と言う人は尊敬されている
相手との距離感の掴み方がわからなければ、メンターは「見守り」だと考える
メンターは他者の成功を喜べる、喜び慣れしている
メンターは冗談ばかり言う
メンターは褒めてくれる
メンターは励ましてくれる
メンターは支えようとしてくれる
メンターは共感してくれる
メンターは現在進行形で生きている
メンターは出し惜しみせず知識や知恵を授けてくれる
メンターは自分より「下」の属性の人にもどんどん質問してくる
老害が蔓延した職場環境では新入社員が就活生に老害をしている
歴史が長い組織(老舗企業など、OBなどがたくさんいる組織)
歴史が古い業界(2次、3次下請けがあり、業界の重鎮もいる)
規模が大きな組織(大企業など、組織図の階層が多い組織)
簡単に移動ができない環境(住環境、地域・地方のコミュニティなど)
主従関係がある環境(会社、学校、部活など)
属性や制約で「仕方なく」慕われているのか、「心から」慕われているのかを自分で見極める
COLUMN 言いたいことがはっきり言えない人のほうがメンターに向いている?
上司と部下が「メンター&メンター」となるように戦略的に人員配置を行う
「部下からの提案をどれだけ採用したか」を評価項目に入れ「全社員メンター化」を目指す
アナログ前提のワークフローをデジタル前提のワークフローに一新する
最新のコミュニケーションツールは、「禁止事項」を設定して導入する
メンタル面でのメンター的存在となり得るコミュニケーションロボットの導入メリット
社内外の研修を通して言葉遣いを起点とした老害を発生させない体制を作る
上から目線にならず、手数を提供するワークショップでお互いのメンターになる
COLUMN 「うちの上司は上ばかり見て下を見てくれない」理由
今の居場所で「老害」と言われるくらいなら、新しい世界でメンターを目指しましょう
スタートアップ企業が、老害もメンターも少ない物理的理由
偉い学歴や肩書、実績がある人ほど、最初の自己紹介であえてそれを言わない
相手との関係性ができるまでは細かいミスに気付いても指摘しない
周囲の言う「いろいろと教えてください」は敬意による社交辞令と理解し、本気にしない
周囲から具体的な質問をされるようになったら、関係性ができたと認識して知見を発揮する
COLUMN 職場の不平不満をSNSに書き込む先輩を後輩はどう思うか
人は誰でも「会社員としての更年期」があり、そこで老害化してしまうことがある
いつも頼りにされていたはずが、ある日突然老害扱いされる立場になる戸惑い
若手社員扱いだったのが、ある日突然ベテラン社員扱いになる戸惑い
転職、異動、リスキリングなどで畑違い、未経験の仕事になった時の戸惑い
職場以外にストレスの解放先をつくる
人は「肩書がなくなったら人生終わり」ではない
「先生」がいる習い事をして「教え方」を再学習する
自分の能力が無力になる環境に身を投じてみる
COLUMN メンターは知識を「攻撃」のために使わない
老害とは、「大人気ない」行為をまだしていること
老害を受け流せる人と受け流せない人の違い
「年配に言ってもわからない」と言う人は、数十年後に「若者に言ってもわからない」と言う
身近な老害の具体的言動を書き出し、反面教師としてまずは自分がメンターになる
「プロ老害」がメンターを駆逐するキーワードは「皆が」
COLUMN 知識のアウトプット・インプット
「デキの悪い子ほどかわいい」の落とし穴
メンターも、相手を選ばないと貰い事故を起こして晩節を汚す
御礼を言わない相手からは逃げる
自分の都合の良い時しか連絡・報告をしてこない相手からは逃げる
質問されて答えた回答に異を唱えてくる相手、批評してくる相手からは逃げる
「後から自分の気分がモヤモヤする」相手を避けることで、老害と言われずに済む
COLUMN 知識を利己的に悪用せず、他者のために使う人がメンターとなる
老害化してしまった人を周囲の協力でメンターに引き戻す
その人の知見が発表できる場所を確保し、その範囲内で活躍していただく
「何も言わずにただ居てくれているだけで励みになります」と伝える
「私達が『助けてください』と言った時には助けてください」と伝える
何はなくとも「いつもありがとうございます」と伝える
「何か面白い話はないですか」と問いかける
その人の愛読書や尊敬する偉人などを調べてそこから引用してコミュニケーションをする
COLUMN 人的資本経営の時代こそ読書会を
メンタルは、鍛えて強くするのではなく、発想を変えるだけで十分強くできる
「誰に」「どのように」言われたかは気に留めず、言われた内容〝だけ〟に集中する
相手に負の出来事があったのだなと身を案じる
相手の負の臭いを空気清浄機のように吸い取り、プラスの感情で打ち返す
その人に頭を下げたくなければ、自分の仕事に頭を下げる
自分の感情の主導権は自分で握る
COLUMN 自分だけの「メンターリスト」を作る
おわりに