大ヒット漫画『鬼滅の刃』の経済規模は、2020年で約1兆円と言われている。 日本の漫画は、なぜ、このような成功を収めることができたのか?そのヒントは、「裾野広ければ頂き高し」という言葉だ。日本の漫画業界は、世界で最も多くのクリエイターが、その頂を目指している状態をつくることができている。ではなぜ、そのような創作の好循環をつくることができたのか。また、漫画ビジネスへ新たに参入することはできるのか?本書では、コンサル出身で漫画業界に参入した著者が、ビジネス視点で世界で通用する面白い漫画のつくり方について考察を深めていく。
漫画ビジネス
- 著者:菊池健
- 定価:1,848円(1,680円+税10%)
- 発行日:2024年9月20日
- ISBN:9784295410157
- ページ数:264ページ
- サイズ:188×130(mm)
- 発行:クロスメディア・パブリッシング
- 発売:インプレス
目次
序章 うちの会社で『鬼滅の刃』をつくれますか?
第1章 日本のマンガがメガヒットする理由
1 とにかく多くの人が、たくさんの作品を描いている状況をつくること
2 週刊漫画誌という発明
3 「エゴ」を作品に反映できる理想の制作スタイル
4 なぜ、日本に面白いマンガが生まれ続けるのか?
第2章 漫画編集部に学ぶ新人育成
1 編集部とはどんなことをするところなのか?
2 編集者の仕事、基本的な流れ
3 編集者の仕事のユニークさ、再現性のなさ
4 編集部が新人を獲得する仕組み
5 競争を生む新人育成の仕組み
第3章 漫画雑誌を支えた組織と流通
1 レーベルのブランド醸成には時間がかかる
2 週刊少年ジャンプのものすごさ
3 編集部が現場で向き合う「我慢」と「目利き」
4 マンガづくりに非上場企業が強い理由
5 上場企業の戦い方
6 漫画雑誌を支えた流通の仕組み
第4章 漫画雑誌から電子コミックへ
1 出版不況という名の衰退と、電子コミックの台頭
2 スマホブームと漫画業界のDX
3 電子コミックを発展させたウェブ広告
4 稼ぐアプリと新作認知のウェブ
5 マンガアプリ・ウェブは多過ぎる?
第5章 デジタル化によって変化した制作のあり方
1 新興と言われながら10年経った、IT企業の編集部
2 ウェブやアプリは無限のフィールド……ではなかった
3 20年後もメガヒット作品は生まれるか?
インタビュー 変化する漫画編集者の役割 ―漫画原作者・漫画編集者 石橋和章氏
第6章 いまの漫画家が置かれている状況
1 商業漫画家の置かれた環境の変化
2 ネット漫画家の誕生
3 AIの行く末
インタビュー 個人で稼ぐ新たな漫画家のあり方 ―漫画家・ぬこー様ちゃん
第7章 ウェブトゥーンという新たな可能性
1 ウェブトゥーンビジネスの始まり
2 ウェブトゥーンの海外進出
3 国産ウェブトゥーンにヒット作が誕生
4 ウェブトゥーンにこれから起こること
第8章 IPビジネスとしてのマンガ
1 IPビジネスの市場規模はどれくらいなのか?
2 近年のアニメ、マンガ産業のデジタル化による変化
3 『セクシー田中さん』をきっかけとした、IP展開の課題
第9章 漫画業界に流れ込む巨大マネー
1 いま、マンガ業界に起きていることは「巨大マネーと創作の邂逅」
2 日本はいかに世界と戦うか?
3 創作の生態系を守りながら攻めていく
終章 結局『鬼滅の刃』はどうすればつくれますか?
1 激務をこなす漫画家たちのリアル
2 結局『鬼滅の刃』はどうすればつくれますか?