教える立場、教育する立場の人はせっかく一生懸命教えても、「全然わかってくれない」「なかなか覚えてもらえない」と悩んでいる人も多いです。 それもそのはずです。私たちは人に教えるということを学んだことがありません。特に会社では大人を相手に教えなければなりません。転職・リストラなどが増えてきた現在は教える相手が年上なんてことも増えてきています。 この本では、大人を相手に教えるコツとして、手取り足取り一から教えるのではなく、学ぶ側が自ら学び、そして自ら「気づき」を得ることによって、自分自身で考え行動できる人に成長させる方法を述べています。
教え上手は、学ばせ上手
- 著者:関根雅泰
- 定価:1540円(本体 1400円+税10%)
- 発行日:2009/3/11
- ISBN:9784844370604
- ページ数:224ページ
- サイズ:188×130(mm)
- 発行:クロスメディア・パブリッシング
- 発売:インプレスコミュニケーションズ
部下、生徒が自発的に学ぶようになるティーチング・ラーニングの方法 教え上手は、学ばせ上手 カバーを拡大する
目次
はじめに
第1章 なぜ、教えることは難しいのか
1 人に教える難しさって、どんな点ですか?
2 教える側が感じている「人に教える難しさ」
相手の問題:
同じことを何度も言わせる
やる気が感じられない
はすに構えている
相性が合わない
教えたこと実践してくれない
自分の問題:
教えることに自信がもてない
自分でやった方が早い
上手く伝わらない
3 人に教える難しさの根底にあるのは?
第2章 教えることで得られるもの
4 教えるメリットって何だと思いますか?
自分が学ぶ
自分を律する
相手の成長を実感できる
5 人に教えることで、自分が成長できる
第3章 教え下手から学ぶ
6 教えるのが下手な人
教える内容を理解していない人
教わる人の気持ちがわからない人
自己満足タイプの人
伝えることで精一杯な人
「俺の背中を見て盗め!」タイプの人
自分のやり方を押し付ける自分のやり方を押し付ける人
全体像を説明してくれない人
細部にこだわる人
頑張っても認めてくれない人
気分によって接し方が変わる人
えこひいきする人
話を聞く気になれない人
7 教え下手の共通点とは?
第4章 どんな人を育てればよいのか
8 教える目標とは?
教える = 学びを手助けする
9 学び上手な人とは?
学び上手な人
「学びマインド」「学びスキル」「学びエナジー」
型をしっかりすることで、心が磨かれる
学びのPDCA:PLAN(プラン)/DO(ドゥー)/CHECK(チェック)/ACT(アクト)
10 学び上手を育てるポイント
第5章 こどもとは違う、「おとなの学習」
11 おとなを教えるには「おとなの学習」を理解する
教える側に主導権がある…行動主義
学側に主導権がある…成人教育
大人は「自己主導的」に学ぶ
大人は「ものの見方」をもっている
大人は「経験」を通して学ぶ
12 おとなはそれぞれ「学習スタイル」が違う
人それぞれ好む「学び方」がある
13 おとなはそれぞれ「対人スタイル」も違う
人それぞれ好む「接し方」がある
第6章 教え上手のノウハウ(考え方編)
14 教え上手の3つのポイント
ポイントその1「本人の学び重視」
伝えることよりも、伝わることを
考えさせる場の提供
良い質問
ポイントその2「問題解決支援」
相手が「問題解決」を望んでいる
相手が「問題解決」を通して学ぶ
ポイントその3「相手本意」
教え上手と教え下手の違い
相手を理解する
第7章 教え上手のノウハウ(組み立て方編)
15 教え上手の3部構成
第一部…イントロダクション(導入)で相手の情報収集
・イントロダクションの目的
・相手の緊張感を下げる
・相手からの情報収集
第二部…ボディー(本論)で相手の問題解決支援
・教える目標・目的・ゴールを明確に
・ティーチング・コーチング・ラーニング
ラーニングの5ステップ
良い質問を組み立てる
・ティーチングとコーチングの使い分け
・気づきの3場面
第三部…クロージング(結び)で相手の理解促進
・学んだ内容の振り返り
・今後の合意
第8章 教え上手のノウハウ(やり方編)
16 教え上手の3場面
場面1…マンツーマン(1対1):個別指導での教え方
・マンツーマンで教えるメリットとデメリット
・「誰に」教えるのか?
レベルがわかれば教え方が決まる
レベル1:「できない」ことに気づいていない
レベル2:「できない」ことに気づいている
レベル3:「できる」理由をわかっていない/「できる」理由をわかっている
・「何を」教えるのか?
「DO」だけで教えない
「PLAN」の教え方
「DO」の教え方
「CHECK」の教え方
「ACT」の教え方
・「どうやってどうやって教えるのか?
学習スタイル…人によって学び方の好みが違う/対人スタイル…人によって接し方の好みが違う
場面2…グループ(複数):会議・ミーティングでの教え方
・教え上手なリーダーがすべきこと
ゴール・目的の明確化
学びあう雰囲気作り
評価基準を移植する
次に何をやるのかを合意する
・学び上手な組織になるために
場面3…クラス(多数):研修・セミナーでの教え方
・大人数に対して教えるポイント
・知識・経験・価値観がバラバラな相手に教えるには?
期待とゴールのすり合わせ
拡散と収束・オーダーとディスオーダー
教えあう
・大人数の前で簡潔明瞭なわかりやすい説明をするには?
話す内容を整理する
口に出して話す練習をする
場慣れする
・大人数の前での緊張感を和らげるには?
緊張してもよい
・本番はコントロールできない、コントロールできるのは準備だけ
第9章 私が見た、本当の教え上手
17 5人の教え上手のエピソード
エピソード1…世界史のサリバン先生
エピソード2…空手の谷山先生
エピソード3…職場の先輩Sさん
エピソード4…起業家としてのメンター 岡村さん
エピソード5…研修で出会ったKさん