先日、亀井静香金融相が中小企業の救済を目的とした「返済猶予制度」という金融政策案を打ち出しました。このことからもわかるように、日本では資金繰りに苦しむ中小企業の数がどんどん増えていきます。銀行からお金を借りないとやっていけない中小企業と、リスクを恐れて貸し渋る銀行。 本書では、そんな状況で企業がお金を借りる秘訣は、経営をよくし、事業計画を練り、決算書の内容をよくすること。つまり、借りないことこそが借りるための一番の方法だと説き、そのための方法を解説していきます。

先日、亀井静香金融相が中小企業の救済を目的とした「返済猶予制度」という金融政策案を打ち出しました。このことからもわかるように、日本では資金繰りに苦しむ中小企業の数がどんどん増えていきます。銀行からお金を借りないとやっていけない中小企業と、リスクを恐れて貸し渋る銀行。 本書では、そんな状況で企業がお金を借りる秘訣は、経営をよくし、事業計画を練り、決算書の内容をよくすること。つまり、借りないことこそが借りるための一番の方法だと説き、そのための方法を解説していきます。
目次
はじめに
01 お金を借りるということ
借りたお金は自分のお金ではない/お金を借りることはリスク
02 事業がダメなら、お金を借りてはダメ
いい事業を見極める/コツコツまじめだけでは難しい/絶えず事業内容を革新する
03 お金を生むためにお金を使う
会社の中でお金が循環し、価値が生まれる/健全な「けち」になる /経費は投資
投資効果に優先順位をつける /節税につられた無駄な支出はやめる
04 何が起こるかわからない、この先の準備
財務諸表は苦手だけれど・・・/持たない経営体質を目指す/何が起こるかわからないこの先の準備
01 銀行の論理を知る
銀行もあなたの会社と同じ、営利企業です
02 何の原因もなく、急な貸し剥がしや貸し渋りはあり得ない
親しいだけで何とかなる時代ではない
03 今のままでは、あなたの会社は正確に理解されない
その前に、自社を把握できているか?/銀行とのコミュニケーションギャップ/銀行の内情を把握できているか?
04 会社が理解され、創業2年目で4億円を調達
銀行のツボを知り、指圧する
05 銀行の内情を突くだけの交渉には、代償が待っている
結局は、いかにあなたの会社をまっとうに伝えるか
06 情報開示は慎重に
民間信用調査会社を侮るな
07 銀行とのやりとりも基本的な型がある
バンク・リレーションズ
01 何をしている会社かを知らしめる
アピールしなければ、会社の良さは当然伝わらない
02 自社の魅力を考えたことがありますか
企業インタビューの番組を参考にする
03 インパクトがあり、わかりやすい説明をするには
会社四季報や日経会社情報を手本にする/新聞の構造を手本にする/採用広告を手本にする
04 他業界の人にも、通じる説明か?
「こどもニュース」は子供のものではない/業界の説明に使う/事業モデルの説明に使う
05 中小企業は社長で判断される
事業にかける意気込みを伝える
01 実はよくわかっていない自分の会社
会社全体を把握できる仕組みを作っておく
02 同業他社情報を利用する
説明方法を得る/押さえどころに利用する/会社の事業力アップに利用する
03 財務諸表が読めないから、ムダにお金を借り過ぎピンチに陥る
財務諸表が読めずに経営を語るな!
04 お金に着色して、その動きをみる
商売の流れと貸借対照表の動き
05 事業はどの程度広げていいのか、分析する
負債額はどのくらいが健全か?
06 100%貸借対照表に置き換える
構成比率に着目する
07 財務体質の改善ステップ
財務の専門家ではない人が押さえるところ
08 回収条件と支払い条件
入りを早くする/与信管理は重要/先に現金をもらう手もある/支払日の駆け引きも営業の1つ/手形はできるだけ避ける/クレジットカードを取り扱う場合/払いを遅くする/もう手形は切らない
09 儲けの指標、損益計算書
効率的・効果的に損益計算書を見る
10 財務内容を正確に伝える
説明の順番を考える/財務諸表の説明ポイントは1点だけ/取引他行の説明/経営計画は自社のために重要
11 個人資産の情報は劇薬です
情報開示のメリット・デメリット
12 できないことは、専門家に手伝ってもらおう
本業に集中するため専門家を活用する
01 資金が集まる竜巻を起こす
継続的にお金が吸い寄せられる仕組み/横並びを利用する
02 お金を借りる秘訣は、お金を借りない努力を10倍すること
安易にお金を借りようとするな!
03 借入れ申し込みで信用を得るポイント
事業遂行の可能性について/回収財源の確実性
04 資金使途は2種類×2種類ある
05 運転資金を自身で審査する
運転資金が必要な理由
06 設備資金を自身で審査する
資金を返せるか、返せないか
07 好調だからといって、調子に乗りすぎるのはやめましょう
事業が順調に伸び続けるのは稀/いざというときのために、借り入れをしておく
01 信用力が弱い時は、ここからスタートする
02 経営管理がおろそかと思わせないこと
03 直接接している銀行員をあなたの会社のファンにする
04 競合他行の存在はとても重要
05 相手の口から、「資金をお使いください」と言わせる
06 銀行員は商売下手。経営課題の宿題を出してあげよう
07 銀行の持つ情報を利用しない手はない
おわりに