違うモノを売っていれば、儲かっている会社と儲かっていない会社があるのは当然です。しかし、同じモノを売っているのに、儲かっている会社と儲かっていない会社があるのはなぜでしょうか。考えられることは、売っているモノは同じだけれども、やっているコトが違うからです。つまり、マネジメント、経営の仕方が違うということです。平たく言えば、仕事のやり方、考え方が違うということです。本書は、その仕事のやり方、考え方に焦点を当てて解説していきます。
同じモノを売っているのに、儲かっている会社、儲かっていない会社
- 著者:金子智朗
- 定価:1628円(本体1480円+税10%)
- 発行日:2011/04/13
- ISBN:9784844371229
- ページ数:240ページ
- サイズ:188×130(mm)
- 発行:クロスメディア・パブリッシング
- 発売:インプレスコミュニケーションズ
「利益」から、仕事のやり方・考え方の違いが見えてくる!
目次
はじめに
第1章 儲かるとはどういうことか
1 利益が生まれるメカニズム
2 「収益性」の意味を知る
3 会社はコストを生み、顧客が売上を生む
4 製品と売上は自動的には結び付かない
5 メカニズムをブレークダウンする
第2章 利益の源泉は何か
1 製品が利益を生むのではない
社内にプロフィット・センターはない/独りよがりのサービスを続けていたJAL
ガラガラなのに隣の席を取るJR東海
2 「いいものを作れば売れる」の誤解
技術的に優れていても売れない/最先端の技術ではなくても売れる
3 高度な技術は市場を狭めることがある
売り手の勝手な思い込み/やっと気付いたマイクロソフト/携帯端末は子供のおもちゃか?
4 もっと自分の頭で考えろ
iPadの成功は「捨てた」こと/大勢に従った成功者は一人もいない
5 物作りは利益を生まない
製造業ナイキの役割/チャイナ・プライスの現実
6 価格戦略
簡単だが利益が出にくい値下げ戦略/値上げには” 理由”が必要
後で肉体的に汗をかくか、先に頭で汗をかくか
7 会計も顧客の視点で
製品別の利益管理が主流/利益は顧客別に管理しろ
8 組織は戦略に従っているか
黒字化が課題のコンサルティング会社/売上拡大が次なる課題
最後まで組織を変えなかった商社系SIベンダー
9 従来型管理システムの限界
釈然としない部門別採算管理/すべてが黒字である必要はない
グーグルの生態系モデル
第3章 顧客にとっての価値とは
1 顧客価値は本当に「顧客の価値」か
2 顧客開拓型から顧客維持型へ
顧客維持型マーケティングの背景/市場シェアから顧客シェアへ
3 顧客維持型マーケティングの経済効果
離反率低下による経済効果/コストはかからず収益が逓増する
4 目指すは顧客価値の最大化
時間軸の中での顧客シェア/顧客価値
5 顧客維持型マーケティングはなぜうまくいかないか
顧客価値は実は企業価値/押し売り化する顧客維持型マーケティング
ITのツールになり下がったCRM
6 アドボカシー・マーケティングという考え方
新たなマーケティング・パラダイム/高島屋のエピソード
7 ソリューション販売か、御用聞きか
IBM復活劇のカギもアドボカシー/「ソリューション」という言葉の軽さ
第4章 コストは削減すればいいってものじゃない
1 コストは売上の源泉でもある
2 善玉コストは削減するな
善玉コストと悪玉コスト/トヨタの意外な一面
3 「コスト意識」を高めればコストは下がるのか
会社と自分の財布が遠すぎる/コスト意識を変えてもコストは減らない
4 コストの種類と基本的考え方
2種類の固定費/何でも削減できる訳ではない
5 重要なのは固定費のマネジメント
従来の関心事は材料費と労務費/固定費がすべての会社の重要課題
6 大量生産による固定費低減の誤解
単位コストは確かに減少する/総コストは必ず増える
7 固定費の発生源はキャパシティ
キャパシティとは/押してダメなら引いてみろ
第5章 稼働率を上げれば利益が増える
1 稼働率を見ているか
費用を見ても何にもならない/なぜ稼働率か
2 トヨタの後悔から学ぶこと
リーマン・ショックが引き金ではなかった/リーマン・ショックは予測できない
3 稼働率を上げればコストは下がる
なぜ稼働率上昇でコストが下がるのか/回転寿司はお客が回転している
4 間接部門は稼働率ではなく生産性
「仕事は自分で作れ」のウソ/上げるべきは生産性
5 回転率を見てみよう
スタバのコーヒーはなぜ安い/わざと駐車スペースを減らすパーク24
サウスウェスト航空はなぜ低コストか
6 キャパシティは売上の源泉でもある
弱点を克服したオリエンタルランド/キャパシティを増やしても利益は増える
7 人が集団化している意味はあるか
会社に帰属する経済的意義/企業規模と一人当たり売上高は比例しない
年収上昇余力/働く者の幸せ指標
8 加速度的に増加する一人当たりコスト
企業規模は弱点になる/豪華客船と手漕ぎボート
第6章 人の生産性を上げる
1 ポスト資本主義の時代
最も重要な経営資源は何か/リーマン・ショックの意味
2 生産性が命運を分ける
重要なのは一人あたりのアウトプット/万年最下位の日本
3 なぜそんなに忙しいのか
忙しいが口癖の営業マン/非付加価値活動は簡単に分かる
チャージャブル・タイム
4 練習不足のサラリーマン
生産性が低い原因はスキル不足/練習しないことはできない
出来合いの優秀な人材はいない
5 従業員満足度は顧客満足度に勝る
失礼な客から従業員を守る会社/従業員満足度は生産性も高める
6 悪平等が国を滅ぼす
部長表彰は500円のテレホンカード/信賞必罰が大原則
億単位の年収で引き抜かれる日本人/最後の社会主義国家、日本
7 人こそ最も重要な経営資源
財務会計は港で待つ貴族のためのもの/人件費前利益という考え方
第7章 最後のカギは行動力
1 最も欠けているのは行動力
行動しなければ何も起こらない/当然のことを行動に移しただけの日産
あえて未経験者を採用するグーグル
2 掛け声だけで利益が出れば苦労はない
会計上の問題は会計では解決できない/企業文化を変えろと言われても
3 変化しなくていい理由がない
人は変化を嫌う生き物/戦況でフォーメーションは変わる
4 スピードが利益を生む
「スピード!!」を3回重ねる楽天/ソニーとアップル
5 業績評価指標が行動をドライブする
人は採点基準通りに行動する/残業代は最悪の採点基準
指標設定はリーダーの役目
6 形式よりも実のある行動を
ネクタイがなくてもいい仕事はできる/妥結後も交渉継続を求めた日産
7 会社を変えるか、自分が変わるか
「会社」という実体はない/会社に居続けるなら文句は言うな
参考文献