お客様事例
信頼関係を築き「財産」として残り続ける書籍
(そね けいこ)
顧客に寄り添い課題解決を目指す
——まず初めに事業について教えてください。
曽根:私たちの主力事業は、社名が示す通り、相続関連のサービスです。具体的には、相続コーディネートやコンサルティング、そして財産の半分が不動産というケースが多いため、相続対策の一環として、不動産の実務も担当しています。
——ありがとうございます。夢相続様はビジネス上での課題について、書籍やメディアを通じて多くの情報を発信されているかと思います。それらはどのような課題へのアプローチとなっているのでしょうか。
曽根:私たちの業務において相続関係で悩んでいるお客様に知ってもらい来てもらうということはとても大切です。そのために情報発信はずっとし続けなければいけないと思っており、その一つの手段として、出版を活用しています。
現在、私たちが出版した書籍は77冊になり、自分で執筆したものや監修したものも増えています。
会社も今年の7月で23年目に突入し、沖縄から北海道まで、全国の各地のお客様に対応してきました。実際にいらっしゃるお客様は、ご本人が新幹線や飛行機で来られる方もいれば、両親が地方に住んでおり、関東圏に住んでいるお子さんが相談に来てくださるパターンもあったりとさまざまですね。
——全国各地からお客様がいらっしゃるんですね。
曽根:そうですね、出版していると、全国の書店で取り扱っていただけますので、例えば、福岡の丸善で私たちの本を手に取っていただくなんてこともあります。そうやって書店を通して全国のお客様に知っていただけてるのかなとも思います。
——相続コンサルティングという仕事に取り組むことになったきっかけを教えてください
曽根:私は独立した当初は不動産の賃貸管理やコンサルティングを手掛ける会社を設立しました。アパートやマンションの企画から建設、そして管理までを担当する、一般的な不動産会社と変わらない業務をしていたんです。
数年経つと、不動産価格が急上昇したこともあり、お客様の中でも相続税の支払いが大変だという人が増えてきていると感じていました。当時、私たちの会社は売買を主な業務にしていませんでしたが、「相続税の支払いのために土地を売却しなければならない」というお客様が増えてきたんです。その頃から、「相続問題は難しく大変なんだな」ということを実感し始めました。
そんな中、私たちが管理していたアパートのオーナーが亡くなってしまい、残された家族に莫大な相続税がかかってしまうという出来事に直面しました。そこで私はなんとかしてご家族が苦労されないように手伝いたいと思い、初めて相続問題の解決に取り組むことになったんです。そして試行錯誤しながらも、相続税の軽減に取り組みました。
結果として、3000万円と言われていた相続税は1960万円まで減額でき、納税は不動産申告を期限までに売却できたことで捻出することができました。最初、相続人の方々は、納税の手続きや資産の分配に非常に困っていらっしゃいましたが、私たちがお手伝いしたことによってよりスムーズに手続きを進行することができ、大変喜んでいただけました。
また、税理士の先生も、納税や節税の具体的な手段については自分では上手く対応できなかったとのことで、私たちと協力して解決できて助かったと言っていただけました。
これが、不動産の知識を持っている人が相続のサポートをしたりお手伝いをすることができるんだと思った最初の出来事であり、それが今の仕事に繋がっています。
——その出来事がきっかけとなったわけですね。
曽根:そうですね、税理士の先生は、税務の計算は得意分野ですが、顧客に寄り添ってさまざまなアイディアを出したり、それをサポートするということは難しいなと感じたんです。そこで、このような分野のコーディネーターやコンサルタントとしての役割が必要なんだと思いました。
初めての出版、そして相続コンサルティングパイオニアとしての道のり
——平成11年に初めての書籍を出版されたとのことですが、ビジネスをスタートさせた初期段階では、どのような形で認知度を広げる活動を行っていたのでしょうか。
曽根:初めて出版したのは平成11年ですが、実は平成4年から地方紙の折り込み広告を利用して自身の活動を紹介しながら宣伝広告を行い、認知を広げる活動をしていました。その広告を見た方々が相談に訪れるという流れが少しずつ形成されつつありました。
その後、初めて相続のサポートを行った経験から、土地を多く所有している方々に対して、コーディネートが必要だと感じ、紹介や折込み記事を通じて相続のお仕事を増やしていきました。
しかし、当時は相続の専門家である税理士や弁護士、司法書士さんが執筆された本や、具体的な事例を示した本もあまりありませんでした。私はお仕事をする中で相続で困っている方々がたくさんいることを実際に目にしてきていましたので、そんな困っている人たちに情報を届けたいと思い、出版することを決意しました。
しかし、実際の事例を集めるのに何年もかかりましたし、また、初めての出版はなかなか受け入れてくれるところがなく、何度か出版社に持ち込んだものの、なかなか出版できませんでした。幸いなことに、知り合いが独立して出版社を開いていたので、その人に頼んで初めての出版を実現することができました。
——初めての書籍出版は、一筋縄ではいかないものですよね。
曽根:その通りですね。1冊目の書籍を出版した際には、私たちは特に大々的な書籍の広告活動などは行いませんでしたが、地方紙に定期的に記事を出したりしていたので、それがうまく認知が拡がっていったのだと思います。その結果として、私たちの1冊目の書籍「不動産コンサルティングが明かす相続対策―土地の評価でこんなに税金が減らせる」は、そのわかりやすいタイトルと共に、土地の評価によって相続税が軽減できるという新たなテーマが受け入れられ、何度も重版を重ねた本となりました。
相続について具体的な事例やアドバイスが載っている本はまだ世の中に少なく、実際に相続に困っている人に届いたのかなと感じています。
このような経験を重ねる中、困っている相続人を支援するはずの専門家たちは、「なぜ最初から相続に困らないような状況を作ってあげなかったのだろう?」と疑問に思いました。
そして、相続人が困らないように相続コンサルティングが必要なのではと考えました。しかし、そのような専門家は見当たらず、調べるほど逆に多くの人々が困っている現状を目の当たりにしました。そして、相続税を減らすための情報というのも見つからなかったのです。
法律の教科書にはそのような情報は掲載されていませんが、私はいくつもの事例を手がけるうちに相続税を削減できることを確信することができるようになりました。こういったことを多くの人に知ってもらいたいという思いから、もっと出版して、多くの人に届けようと考えるようになったのです。
——先生が、相続コンサルティングのパイオニアということですね。
曽根:そうかもしれません。実際、30年以上前からこの業界で活動しており、当時は参考となる仕事がなかったため、自分で道を切り開いてきました。現在では、同じような仕事をしている人も増えてきましたが、それでもまだ少ないのが現状です。
実感する「書籍」の力
——お仕事をされているどんな時に書籍の力を感じますか?
曽根:私たちはお客様と直接お会いして話をするのですが、それ以前に私たちの書籍を読んで共感していただいたり、何かを期待していただいたりして、相談に来ていただくことが多いです。だから、初めてお会いしても、大体60分程度で全体像が把握できますし、お客様にも理解していただけます。そのため、早い段階で「依頼する場合、いくらになりますか?」と尋ねられることもありますし、その場で依頼をしていただくこともあります。初めてお会いするのにも関わらず依頼をしていただけるのは、私たちのコンセプトや事例を事前に理解していただいているからこそであり、それはやはり書籍の力が大きいのだなと感じています。
——最初の一冊が出版された際に、その反響から「これからも本を出版し続けよう」という意欲が湧いたのでしょうか?
曽根:その通りです。初めての本が増刷となり、多くの反響をいただいた結果、次の本の出版のオファーは出版社からいただく形となりました。そのようにして、一冊から次の一冊へとつながっていきました。最初のうちは、出版社からの「出版してください」という要望が主でした。
しかし、出版業界の厳しさを実感するとともに、この出版方法では私たちが伝えたいメッセージが全て反映されない場合があることに気づきました。そこで、私たちが作りたい本を作るために、企業出版という出版方法を選択するようになりました。
——多くの書籍を出版されていますが、出版してからの効果を教えてください。
曽根:出版後は全国から反響がありましたね。多くの人に本を手に取り読んでいただいたことで、仕事の幅も広がったと感じています。私たちの連絡先を掲載していることもあり、読者の方々から直接の問い合わせやご意見をいただけるようになりました。
多数の本を出版してきた経験から言えば、特定の一冊が問い合わせの増加を引き起こしたわけではないですが、1冊目の出版後、相談が増えたことは確かです。私たちは元々不動産会社で、相続に関する相談は少なかったのですが、その本を出版してから全国から相談の電話が増えました。その結果、不動産会社の窓口だけでは対応しきれなくなり、コンサルティング部門を立ち上げ、NPO法人として相続相談センターを設立しお客様の相談に対応する体制を整えました。
そして、やはり相続関連の売り上げも大幅に伸びて効果を実感しました。
——本を出版することで、新たなパートナーとの繋がりが増えたと感じていますか?
曽根:そうですね、共著者として参加することもあり、パートナーさんとの連携がよりスムーズになりました。私自身本を出版する効果を実感していたのでいろんな方に本を出すことをお勧めしています。
名刺や言葉だけでは伝えきれない情報も、本を通じて伝えることができますからね。事例をお持ちの企業様ならぜひ本にしたほうがいいと私は思っています。
仕事の事例をレポートや書籍にすると、それが何年も、あるいは何十年も活用できる財産になりますから。
本を出版してから自社やお客様だけでなく同業者である税理士さんや司法書士さんなど士業の先生方にもにも読んでいただいたり、参考にしていただけているそうです。
実際に、私自身お客様に対して、セミナーに参加していただいた方には本を贈呈することもありますし、相談や依頼に来ていただいた方にも本を渡すこともあります。本をお渡しすることで、より伝えたいことが伝わりやすくなりますしそれが名刺代わりにもなって、顧客との信頼関係を築く助けになってくれてるなと思います。
——YouTubeやテレビ、新聞雑誌、セミナーなど、多岐にわたるメディアを通じて情報発信を行っていると思いますが、その中で書籍が最も効果的だと感じていますか?
曽根:やはり書籍が一番確実ですね。本はその信頼度が他メディアとは違うなと感じます。
もちろんSNSでも情報は提供していますが、そこで私たちの伝えたいことを全て理解していただくのは難しいですよね。ですから、仕事の実績ですとか事例や情報を深く伝えるのは、やはり書籍が最適だと思います。実際、ホームページや、記事を読んだりする方からの反響もありますが、書籍の読者の方が反響が多いのが現状です。
私の書籍は、特に50代60代の方々から多く読まれています。ただ、これから10年後には、書籍からの読者が減少する可能性も予測しています。最近はインターネット上の記事を読む方が増えていますから、書籍だけでは今後厳しいかもしれません。そのため、SNSやYouTubeなどの活動も引き続き行っていきたいと思っています。
企業出版によって伝えたいことを伝える
——曽根先生は常に新しい書籍を作り続けていますよね。読者の感情に訴えかけるような内容が特徴的ですが、曽根先生の書きたいことが反映されているのでしょうか?
曽根:相続に関する書籍は、法律的な内容が多いですよね。しかし、それだけでは誰が書いても同じで、伝わりにくいと思います。私の書籍の大部分は、実際の事例を中心に書いています。実例を読んでいただくことで読者に身近に感じていただいてるのかなと感じています。
——私自身、法律については明るくないのですが、曽根先生の本は専門的な言葉を避け、読者が理解しやすい表現を選んでいるのが印象的で、わかりやすさを重視していることが伝わってきました。
曽根:実際に執筆の際はわかりやすさや読者の視点を大切にして書いています。ですので難しい専門的な言葉は使わずに読んで簡単に理解してもらえるように心がけています。特に、クロスメディアさんにはイラストの制作もお願いしていて、それがわかりやすい内容を作る大きな助けになっています。文字だけでは伝わりにくい部分も、イラストにすることで視覚的に理解しやすくなるんです。そして、それがフルカラーで低コストで実現できているのは、本当にありがたいです。
——出版社の選定基準を教えてください。
曽根:最初の頃は、出版社からのオファーが主でした。本の監修なども出版社から依頼されることが多かったですね。しかし、今では、私たちが作りたい内容を具現化してくれる出版社を選ぶようになりました。
やはり、私たちの意図を理解し、それを魅力的に伝えられる本を作ってくれる出版社が理想です。また、売れ行きも重要なので、書籍を売るための情報を提供してくれることなどの要素を総合的に考慮し、見積もりをもとに選定しています。
クロスメディアさんとは、すでに何度も共同作業を行っていますが、クロスメディアさんは私たちの本を作るだけでなく、Amazonの広告戦略のアドバイスも提供してくれました。
Amazonの特定のカテゴリで1位になることも重要で、計画的な戦略と適切な管理により実現されています。ニッチなカテゴリをしっかりと把握し、順位を上げることができるのは、大きな魅力の一つです。
また、新聞広告も適切に管理してくれます。こういった様々な施策の要素が組み合わさることで、効果的な出版を可能にしてくれているなと感じています。特に、「図解(フルカラー) 90分でわかる! はじめての相続【40年ぶりの相続制度・大改正対応】」売り上げが予想以上に好調で、増刷ができたことは、大きな成果でした。
早い段階で考えて欲しい「相続」
——これからは高齢化で相続人が増えるのではないかと思われますが、今後の展望を教えてください。
曽根:今、相続相談の間口は広がりを見せています。銀行、信託銀行、税理士、司法書士、弁護士といった専門家たちが相続相談を行っています。これらの専門家たちは、みなさん競争相手といえます。特に、相続が発生した際のコーディネートでは、税理士法人が最も競合する存在となります。そういった時に、価格競争に巻き込まれないためには、書籍などから事例を通じて、当社の相続プランニングなどに理解を深めていただき、お客様から共感を得て依頼を受けるという流れを維持することが大切だと思っています。
最近では、価格を抑えてサービスを提供する税理士さんが増えてきていて、税理士業界では価格競争が激化しています。
当社のコンサルティング費用は申告費用に上乗せされるため、それが増えると総費用が高くなり、価格競争で不利になることもあります。しかし、税理士さんだけでは、適切なプランニングやアイディア、節税の意識が欠けることもあります。もちろんそういった点では、当社のサービスには明確な差別化できていると思います。ただ、価格で判断されることもあるため、競争力が落ちるという課題もありますね。
——価格競争に巻き込まれないようなブランド力が大切になってくるんですね
曽根:その通りだと思います。それこそ書籍はブランド力向上に最適かと思います。
そして私たちは、何より相続人が問題を抱える前の早い段階から相続の対策をして欲しいと考えています。基本的に、士業の専門家は当人が亡くなってからじゃないと動いてくれません。しかし、生前のうちから対策をしていくことで家族間で揉めることなく良い関係を保ちつつ相続に向き合うことができます。ですので「生前のうちからまずは気軽に相談して欲しい」といった思いを多くの人に伝えたいと思っています。そのために、これからも書籍やコンテンツマーケティングなどを通して情報発信することでその啓蒙ができたらと思います。
——誰もが直面する可能性がある相続という問題だからこそ早期の対策が大切なんですね。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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