ー企業ブランディング

ブランド・エクイティーとは?企業ブランディングの成果!ブランドは社長より偉いってホント?

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企業ブランディングの成果。ブランドエクイティーとは?ブランドは社長より偉い⁉

「ブランド・エクイティー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。マーケティングやブランディングについて勉強している人は聞き馴染みがある言葉かもしれません。
ビジネスにおいて、このブランド・エクイティーという概念は重要とされています。

本記事では、「ブランド・エクイティー」とは何か、そしてその重要性について詳しく解説いたします。


【監修プロフィール】

東京大学文学部仏文科卒業後、電通に入社。
本社マーケティング・ソリューション局次長、電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)専務取締役経て小川事務所を設立。
著書に『マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方』『マーケティングオートメーションでおもてなし~ITがマーケティングにしてくれること』『戦略から始めるエンゲージメントマーケティング』(クロスメディア・マーケティング)


ブランド・エクイティー(ブランド資産)とは

ブランド・エクイティーはブランドのもつ資産という概念を表しています。

では、ブランドの資産(エクイティー)はそもそも何でしょう。

以下の表は一体何のランキングでしょうか?株価総額ではありません。

順位ブランド名〇〇〇〇〇〇
(単位百万米ドル)
前年比
1トヨタ54.1075%
2ホンダ21.315-2%
3ソニー14.44520%
4日産11.1315%
5任天堂9.19726%
6ユニクロ9.09613%
7NTTドコモ6.939-9%
8キャノン6.897-14%
9パナソニック5.8320%
10ソフトバンク5.43510%

実はこれはインターブランド社が毎年発表している世界ブランド価値ランキング(2022)日本版です。
要するに、ブランドの価値を金銭換算したものなのです。

⇒換算方法等はこちら

ブランドを一つの資産と捉えたもので、過去数十年または、100年以上にわたって行ってきたブランディング、更には全ての企業活動の成果と言えます。
ブランディングに携わる人にとっては成績表とも言えるでしょう。

グローバルな世界では、単に成績表というだけでなく、実際にブランド自体が売り買いされます。そのため、このようにブランドが金銭換算される必要があるのです。
買収(M&A)は日常茶飯事であり、ブランド名とそのオーナーである企業が違うというのは珍しいことではありません。

ブランドは企業の所有する資産の一つ?

企業はさまざまな資産を持っています。
株式・預金などの金融資産や本社ビル、工場、研究所の不動産だけでなく、技術(特許)・商標権・ノウハウなどの知的資産、販売ネットワーク、そして社員自身も企業の資産といえます。

資産を多く持つということは、企業活動を行う時に大きなアドバンテージとなります。
多少の困難が発生しても、積み重ねてきた資産があれば乗り切ることができます。

そしてそれは今まで何十年にもわたる企業行為、社員の努力の成果物ともいえるでしょう。

そしてブランドもまた、企業資産の一つなのです。だからこそブランド・エクイティーとも呼ばれるのです。

ブランドは販売において「価格が多少高くても買いたい」「信頼や愛着があるため、さまざまな競合品が出てきてもこれをずーっと使い続けたい」という力を生み、人材獲得や資金獲得、社会的名声獲得、社員の士気高揚・意識改革などにおいても力を生む貴重な無形の資産です。

しかし、ブランド資産は他の資産と決定的に違うことが一つあります。

ブランドは企業の所有しない唯一の資産

ブランドという資産は企業が所有しているのでしょうか?

この問いに答える前にまずは、改めてブランドとは何か、考えてみましょう。

ブランドとはある企業や商品に関わる記憶の集合体のことです。

そして記憶と言っている以上、それは人々の頭の中に存在するものです。

すなわちブランドの所有者は企業ではなく、個人個人の頭の中といえます。

つまり、ブランドは企業が所有するものではなく、お客様、もしくは企業のステークホルダーの頭の中(記憶)にあるのです。

企業が所有していない資産、それがブランドなのです。

そしてそのことは何を意味するのでしょうか?

企業が所有しない資産=資産の変化は客に委ねられる

ブランドが自社が所有してない資産である以上、自社の意思と都合で変化を加えることはできません。

資産の内容を変化させる、資産を売却する、資産の価値を上げるなどの取り組みは自社の資産である以上、自社の意思で何とか実現することができるのが資産です。
しかし、ブランド資産は自社が所有していないため、それが難しいのです。

相手の人の頭の中に入り、記憶をイジることなんかできませんからね。

資産の変化は、お客様やステークホルダーの気持ちに全て委ねられるのです。

自社の願望や思惑にかかわらず、お客様やステークホルダーは自身の判断・心境によって勝手に資産を変化させてしまいます。
自社の資産なのに、相手がそれをどう変えようが自由なのです。

厄介な資産ですよね。

ブランドは社長より偉い?

自社の資産でありながら、自社の判断で変更することが難しいのがブランド資産です。

社長といえども、自身の意思で変更できないとは、ブランドとは何と偉いものなのでしょうか。
ブランド資産がお客様、ステークホルダーの頭の中にあるということの他、社長といえど自身の判断で変更が容易ではない理由がもう一つあります。

それは、ブランド資産とは過去数十年または100年以上といった時間をかけて営々と築かれてきたものであり、過去何人もの社長、何千人、何万人という社員が一貫したポリシーに従い、英知と努力を重ねた結果、蓄積・醸成されたものだからです。

そのため、一人の社長の勝手な判断で変更を加えるには重すぎる対象なのです。

実際、世界的にも名の通った名門企業は自社ブランドに対して終始一貫したポリシーを持っており、(明文化されていることも多い)いち社長が簡単に変更を加えられる代物ではありません。

要するに、ブランドは社長より偉いのです。

変更が難しいのなら何をしても無駄なのか?

過去からの営々とした積み重ねの結果がブランドであり、さらに社長と言えども変更が容易ではないのがブランドだとしたら、ブランドに対して何をしても無意味なのでしょうか?

では、よくいわれるブランディングとは一体何なのでしょう?

ブランドを変化させるために行う施策がブランディングのはずでしたがそれは無意味なのでしょうか。

答えはNOです。無意味ではありません。むしろ逆といえます。

ブランド資産が厄介なのは、何もしないとお客様、ステークホルダーの頭の中で陳腐化、希薄化してしまうことです。

いわば鮮度が求められるナマモノなのです。

一貫したポリシーに従い、常に鮮度を保ち、陳腐化・希薄化を防ぎ、逆によりイキイキと輝かせることが大事なのです。

このブランド資産は、過去からの努力の蓄積の結果であると同時に、「今の努力」により資産価値を減らさず、逆に増やすことが重要です。

ブランドエクイティーとブランドアクティビティー

会計の世界ではよく「BSとPL」という考え方が使われます。

BSとは過去からの蓄積の結果今手元に残っている資産(お金)であり、PLとは年度毎、または半期毎に出入りしたお金を指します。

PLは年度、半期毎にリセットされますが、BSはPLの結果を蓄積し続けていきます。

私はブランドの世界でもこれに似ていると考えています。

ブランド資産、すなわちブランド・エクイティーが過去からの蓄積資産ということでBS、今現在行っているブランド活動の成果がPLにあたります。これはブランド・エクイティーに対してブランド・アクティビティーと言うこともあります。

「今現在」もブランド価値を高める、もしくは価値を落とさない努力をすることによって、結果として築き上げてきた資産価値を更に高めていくことが大事なのです。

要するにブランディングとは

ブランドの知名度やイメージを高める広告や、自社らしい新サービスの開発・販売、ブランドの紹介に特化したブランドサイトの立ち上げ、自社ブランドの魅力を広く拡散させるSNS施策、自社ブランドの実力・実績を体感してもらうイベント・展示会など、いわゆるブランディング施策と呼ばれるものは「今」行っている活動ですので、「ブランド・アクティビティー」です。

そうした「今」の活動の結果、「あの企業って凄い先進技術を持つな!」「あの企業って社会のためになる企業だな!」という印象を持つ人が増えれば、日経企業イメージ調査でも「技術力がある」「社会の変化に対応できる」あるいは「活気がある」「成長力がある」のスコアが少し上がるでしょう。

そして、インターブランドのブランド価値ランキングが上がるという成果を生みます。

すなわち「今」のブランド・アクティビティーの施策を積極的に行うことは、ブランド・エクイティーを高めることに貢献するということです。

大事なのは一貫性・継続性

ブランディング、特に企業ブランディングを考え実行する時、最も重視しなければならないのは、一貫性と継続性です。

なぜなら、人は一度「この企業はこういう企業だ」と思い込むと、容易にはそれを変えることができないからです。

企業の広告を見て、いままでの企業イメージや評価が変わったことがどれくらいありますか?

皆さん自身の経験を思い出して下さい。広告を見る前と見た後でも、ほとんどイメージは変わらないのではないでしょうか。

ですので、企業のイメージや評価を変えるには、さまざまな場での企業行動の一貫性が重要です。商品開発から記者会見、広告、ウェブサイト、店頭、コールセンター、更には営業マンの言動に「一貫したポリシー」に基づいた「一貫した行動」が必要です。

そしてそれを1年2年ではなく3年5年10年と続けることが必要です。

そこまでの長期的戦略と覚悟、そして社員一人一人の相応しい行動を求められるのが企業ブランディングなのです。

企業イメージについて詳しくはこちら↓
企業イメージと企業ブランディングは同じ?企業イメージを変える方法や企業アイデンティティーとの関係性について解説!

まとめ

ブランド・エクイティー(ブランド資産)はブランドの価値を金銭換算したものです。

この資産は企業が所有するものではなく、お客様やステークホルダー、それぞれ個人の記憶の中に所有されているものであり、それゆえに、扱いが難しく資産の変更などは簡単に行うことができません。

そんなブランド資産の価値を高めていくには、「今」のブランド施策の積み重ねが有効なのです。


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