ブランディング

改めて考えるブランディングという最強の武器

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新型コロナウィルス感染症の流行でこれまでのビジネスの枠組みが劇的に変わってしまいました。リアルな場で対面し、相手の表情を見ながらコミュニケーションをとるような機会が激減しています。Web上で行われるミーティングや展示会などでは場の空気が掴みにくく、情熱や思いを伝えるのに苦労している企業も多いでしょう。

このような厳しい環境で企業が生き残っていくための最も有効で強力な武器がブランド力です。

ブランディングの究極の目的は相手に「好き」になってもらうことです。

とはいえ、好きな異性を簡単に射止めることができる公式がないように、企業ブランディングにも公式はありません。

では、どのように考えていけば良いでしょうか。

本記事では関野吉記著『「好き」の設計図ブランディングの原理原則』より、ブランディングの基本的な考え方から、ブランディングの手順までご説明いたします。

日本企業はなぜブランディングが苦手なのか

日本企業は欧米の企業に比べてブランディングが得意ではない傾向があります。日本企業は実力がありながらも、それをきちんと伝えきれていないといえます。

日本人は「おりこうさん」すぎるのです。「社会的に信用のある企業が提供する、技術の粋を集めた完成度の高い製品」が市場で求められていると盲目的に信じているのです。

「良い製品さえ作っていれば、黙っていてもお客様はその製品を好きになって買ってくれるだろう。だからまずは良い製品を作っていこう」という精神の企業が多いことは否めないのではないでしょうか。

しかし、一生懸命作ったからといって皆が無条件で好きになってくれるかというとそれは違います。

ブランディングの基本的な考え方

ブランディングは恋愛に置き換えることができます。

「大事なのは中身であり、見かけなんて関係ない」

恋愛においてはそう唱える人は多いのではないでしょうか。もちろん中身は重要であり、外見を気にしないことが美徳とされる風潮もあります。しかし、内に隠れた才能を秘めていても、身だしなみを一切気にしない、デリカシーのない異性を誰が好きになるでしょうか。人の内面は伝わりにくいものです。まず付き合う前に相手に「自分に関心を持ち、興味を抱き、好きになってもらう」ことが必要です。

何もせずに相手が自分のことを理解してくれることはありません。誰かに「知ってほしい」と思うなら、どうやったらそれが伝わるのかを考えることが必要なのです。

ブランディングにおいてもいまや中身(商品・サービス)が良いというのは前提条件になり、それをどうやって伝えるかがこの時代においては大事になってきています。

日本企業においては「自分たちの魅力を伝える努力」はしていますが「相手に魅力的だと思ってもらう努力」をしていない場合が多いのです。自分たちが魅力だと思っていることを、相手も必ず魅力的に感じてくれるとは限らないのです。

「自分たちが伝えたいこと」ではなく、「相手がどう感じ、どのようなイメージを抱くか」をより考えるべきなのです。

日本人は自分をより魅力的に見せることが、欧米人に比べて苦手な傾向にあります。むしろ謙遜し、等身大よりも控えめに見せることが多くあります。このような文化が、欧米の企業に比べ、日本の企業はブランディングが得意ではないことに影響していると考えられます。

ブランディングに重要なのはストーリー

ブランディングやPRの場合は「人から人に伝わること」が重要になります、その際にはその企業それぞれの物語(ストーリー)が有効です。

これまではコストや類似商品との比較で「価値から値段を決める」ことが普通でした。しかし、これからはどうやって付加価値づくりをするかが企業の命運を握っています。そのため「値段を設定し、そこから逆算して価値をつくる」といった考えが必要になります。値段にふさわしいストーリーという付加価値がなければ誰も価値を感じず買ってくれないのです。

ストーリーブランディングについて詳しくはこちら↓
ブランディングにおけるストーリー(物語性)の重要性

ブランディングは「未来への投資」

ブランディングで重要なのは長期的な施策です。

現在のお客様だけに注力するのではなく、常に未来のお客様を育てていかなければ、会社は立ち行かなくなっていきます。そのためブランディングには「未来のお客様にどうやって自社や自社の製品に対する望ましいイメージを持ってもらうか」という視点が欠かせないのです。投資金額を短期で回収しようとすると、効果的なブランディングはできません。

早く効果的なブランドイメージ確立のためにはそれにふさわしい広告をつくって、大量に露出すればいいのでは?という考え方を持っている人が時々います。

しかし、そのやり方はインターネットが普及した現在では効力を失ってしまっています。広告宣伝だけで作った、実を伴わないブランドは真のブランドとはいえないのです。

インナーとアウターの両軸からのブランディング

ブランディングには社内と社外に向けて行うインナーブランディングとアウターブランディングがあります。この2つは車でいう両輪です。どちらが欠けても望ましい結果を得ることができません。

外向けに理想的なブランドイメージを構築できたとしても、内側にそのイメージと合わない要素があった場合、そのような部分と接点を持ったお客様や取引先は、「実際はブランドイメージと違う」という感想を持ってしまいます。そのため、社員の働き方や福利厚生も重要なブランディングの一部なのです。

詳しいインナーブランディングについての効果はこちら↓
インナーブランディングとは?意味や手法・導入手順について解説!

ここで、ナイキのインナーブランディングをご紹介します。

世界的なスポーツ用品メーカーであるナイキでは、アメリカ・オレゴン州に位置する本社の敷地内に社員の子どもを預かって教育する施設があります。この施設はただ子どもたちを預かるだけでなく、スポーツ選手を連れてきて、彼らに子どもたちの指導をさせているのです。各競技でオリンピック代表に選ばれてもおかしくないクラスの選手がその施設には常時何人もいるといいます。

これは社員にとって大きな価値となります。普通、子どもに一流アスリートによる指導を受けさせようと思ったら、膨大な費用がかかるところを、それがナイキ社員であれば非常にリーズナブルな費用で実現できるのです。

働いている会社が自身の家族にこれだけの投資をしてくれているということが実感できるため、社員の会社に対するロイヤリティはおのずと上がるのです。

ブランドは社員から生まれます。お客様や取引先にとっては、売り場の店員さん、営業担当の○○さんというように、自分がかかわる人が企業そのものとして認知されるのです。

個々の社員にブランドへの想いを浸透させ、日々のビジネスに反映されて初めてブランドイメージは実態を伴ったものとして外部に伝わるのです。

ブランディングのための手順

上記ではブランディングの基本的な考え方や重要性を説明してきました。以下ではブランドの想いを伝えるためのブランディング戦略の手順をご紹介します。

①ブランドコンセプトの明確化

ブランドイメージの核となるのはトップの想いです。お客様にどんな価値を提供したいのか、社員をどのように育成するのか、社会の中で担う役割は何か、競合他社とどのように差別化していきたいのか、会社が向かう未来はどこか、このようなことをひとつひとつ明らかにしていきます。

②ブランドの具現化

ブランドイメージに込められた想いを、社員全員が正しく理解し、共有するための手段を用意します。その一つが「カルチャーブック」です。これから取り組んでいくブランディングに関する様々な情報を文字やイラストなどを用いて、冊子などの形でまとめたものです。

ビジョンやフィロソフィーといった抽象的な概念だけだと、理解しにくかったり、誤解も生じやすくなってしまいます。それを本という形でより詳細な情報を加え可視化することで、理解を深めやすく、ブランドに込められた想いを常に社員の目に触れるところに見える化しておくことが重要です。

③ブランドを浸透させるための社内環境づくり

通常はブランドイメージを社外へ発信するブランディングの前に、社員の理解を深め社内の隅々にまで浸透させるインナーブランディングを行う必要があります。

しかし浸透は一朝一夕に進むものではありません。ここで重要になるのはミドル(中堅)社員の役割です。ブランドイメージをトップの説明だけで全社員が理解するのは難しいことです。そこで、ミドル社員がトップになり代わって、現場レベルに伝えていく必要があるのです。

④ブランドイメージの浸透度を可視化

ブランドは目に見えにくいものです。ブランドイメージやコンセプトが社内にどの程度浸透し、また実践されているかを把握するのは簡単ではありません。社内のMVP表彰や行動評価に反映させるなどして、社員の理解・共感・行動をそれぞれ数値化・見える化していくことが重要です。

⑤共感を生み出すコンセプトやストーリーを社外へ発信

いままで各部署がそれぞれの判断で行っていた広告宣伝・PR・プロモーションなどの社外への発信を、ブランドイメージを踏まえたモノに統一し、あらゆるタッチポイントで世の中に伝えていく必要があります。

このような手順を踏み、戦略的にブランディングを行うことで、効果的な結果に繋がるのです。
出典:関野吉記著 『「好き」の設計図 ブランディングの原理原則

また、実際にブランディングの手法についてご相談したい方は、書籍著者である「株式会社イマジナ」へお気軽にご相談ください。

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