知名度・認知度

3つの知名度を理解して、最適なマーケティング施策を実施しよう

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投稿日:2021年5月7日 | 最終更新日:2023年11月9日

知名度についてあなたは正しく理解していますか?「〇〇(商品名)って知ってる?」「うん、知ってるよ」と答えられる知名度と、「バイトしたい時、どこで探しますか?」「やっぱりタウンワークでしょ」と答えられる知名度、これらはどちらも同じ知名度なのでしょうか?

普段何気なく使っている知名度という言葉ですが、知っている度合いによって3種類あります。この記事では、知名度の種類とその中で特に売上につながる知名度獲得方法について説明していきます。3つの知名度を理解して、最適なマーケティング施策を行えるようになりましょう。

知名度向上と売上の関係についての記事はこちら↓
『知名度向上で得られるのは売上だけじゃない!』

監修プロフィール

  小川事務所代表
   小川共和

東京大学文学部仏文科卒業後、電通に入社。
本社マーケティング・ソリューション局次長、電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)専務取締役経て小川事務所を設立。

著書に『マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方』 『マーケティングオートメーションでおもてなし~ITがマーケティングにしてくれること』 『戦略から始めるエンゲージメントマーケティング』(クロスメディア・マーケティング)

3つの知名度

どの程度思い出せるのかを基準に、知名度は3つに分類されます。1つずつ見ていきましょう

再認知名度(助成想起)

再認知名度とは、広告やブランドの浸透度を調査する際の定義の1つです。調査対象者に選択肢や写真を提示して、知っているのかを回答してもらいます。顧客が企業名・商品名を見聞きしたときにそれを知っていれば再認知名度を獲得していることになります。

再生知名度(純粋想起)

再生知名度とは、調査対象者にヒントを提示せずに知っているブランドを思い出してもらう方法です。製品を考えたときに、自分で考えて出てくる企業名や商品名は再生知名度を獲得できていると言えます。

第一再生知名度(マインドシェア)

上で説明した再生知名度の中で、一番はじめに思い出されたものを第一再生知名度と呼びます。製品を考えたときに一番に出てくる企業名・商品名は第一再生知名度を獲得できていると言えます。第一再生知名度はただ知名度獲得の施策をおこなっているだけでは、獲得が非常に難しいのが特徴です。

商品の知名度を示すときは、例えば再認知名度は81%、再生知名度は19%、第一再生知名度は8%」というように「再認知名度>再生知名度>第一再生知名度」という順番になりますが、売上への貢献度は「第一再生知名度>再生知名度>再認知名度」というように逆の順番になります。

販売成果への貢献度合いは3つの知名度で異なる

自身の経験を振り返ってみてください。「商品A知っている?」と言われて「知っている(ような気がする)」と答えた時と、自分から「商品Aを知っている」と言った時、後者の方が鮮明に記憶に残っていますよね。特に真っ先に口にした商品名は無意識的に記憶に刷り込まれていると言えます。実際調査等で購入意向や購入経験と強い相関を示すのは再生知名度です。その中でも第一再生知名度が最も購入意向や購入経験との関係が深いことが多くのケースで実証されています。

広告ごとの知名度の上がり方

とにかくたくさんの広告を出して、知名度向上を狙っている企業は再生知名度・第一再生知名度獲得まで決まった流れで推移していきます。

再認知名度の動き

再認知名度は、広告が掲載された瞬間から伸びはじめ、広告量に比例して伸びていくのが特徴です。皆さんが広告を出すときに想像する知名度の上昇イメージはこちらではないでしょうか?広告を出稿し始めた瞬間から伸び始め、広告を投下すればするほど再認知名度は伸びていきます。ただし、70%を超えたあたりから伸びは鈍化します。

再生知名度の動き

再生知名度は広告を出してもすぐに上がるものではありません。広告の量がある一定の量に達し、再認知名度が50%程度になってようやく伸び始めます。高くても50~70%程度のことが多いでしょう。

第一再生度知名度の動き

獲得が非常に難しいのがこの第一再生知名度になります。再生知名度より更に立上がりが遅く、競合他社に圧倒的な第一再生知名度を誇る企業がありますと最後までゼロのままということもあります。一般的に第一再生知名度が高い企業・商品は実際の販売数や人気No1といったことが多く、必ずしも広告投下すれば獲得出来るというものではないのです。実体が伴わないまま第一再生知名度獲得を目指すには膨大な広告投下量が必要になりますし、それでも必ず獲得出来る訳ではないのです。

どんな知名度を狙うべきか

スーパーやドラッグストア等の店頭売り商品で上位の販売数獲得を狙うのであれば、広告投下量で知名度を強引に獲得していく施策が必要でしょう。

AIDMAという有名な広告理論があります。Action(購入)にいたるためにはAttention(知ってもらい)、Interest(商品に注目させ興味を抱いてもらい)、Desire(欲しいと思ってもらい)、そしてMemory(欲しくなった商品を記憶してもらう)が必須であるという理論です。Action(購入)には名前を記憶してもらうことが必要条件なのです。

テレビ広告等ではよく「新しい洗剤を売るために、テレビスポットを大量に投下して3000万人の主婦に対して再認知名度80%獲得を狙う、億円単位の広告投下で2400万人に知ってもらう施策を行うか」といった議論になりますが、まさに広告大量投下による知名度獲得で売る方法で、これは正しい方法と言えます。

しかし、どんな商品・サービスでもこれと同じことをやる必要があるのでしょうか? 特に中小事業者によるBtoB商品・サービス販売の場合、何億円も使って2400万人に知ってもらう必要はまずあり得ません。

貴社の販売計画を考えてみましょう。

  • 最終的には何人の顧客を獲得するのが目標ですか?
  • そのためには何人の見込顧客との有効商談を獲得出来れば良いのですか?
  • 更にそのためには何人の潜在顧客に興味を持ってウェブサイトに来てもらえれば良いのですか?

ウェブサイトに来てもらえれば少なくとも再認知名度は獲得出来るでしょう。しかしそれは1000~3000万人ではなく、せいぜい数千人~数万人、場合によっては数百人といった単位ではないですか? であるならここで発想の転換をしてみませんか?

人数が少なくても良いから第一再生知名度を狙うという考え方です。少数ではあっても業種・業界、もしくは課題のソリューション提供社として最初に想起してもらえる存在になるのです。〇〇%の第一再生知名度獲得というのではなく、数千人の潜在顧客、いや数百人の潜在顧客でも良いので第一再生されることを目指すのです。第一再生さえされれば、その相手が有効商談に至る可能性が格段に高まるでしょう。「BtoB向けSEO対策と言えばA会社」「町工場向けコンプレッサーで最初に思い浮かぶのはB機器」「相続に関わる親族間もめごと相談ならC弁護士事務所」と思ってくれている顧客なら商売がしやすくありませんか。

何らかの情報や体験により競合他社より深い感銘を相手に与えることが出来れば、その相手にとって業種・業界の中で、または課題に対して最初に想起される存在になることは十分可能です。

競合他社より深い感銘を与える何らかの情報や体験として、企業が出版する書籍、企業出版という手法があります。

企業出版は書籍の形をしたコミュニケーション手法なので、手に取った人にしか知ってもらうことができません。そのためテレビ広告等は勿論、ウェブサイトやSNSなどと比較すると知名度を上げるためのアプローチ範囲(=リーチ)が狭いです。しかし、手に取り読んでくれた人に残る「記憶持続性」、与える感銘は他の手法と比較になりません。その人にとって忘れられない体験として記憶に残れば、第一再生知名を獲得出来るに違いありません。

〇千万人への再認知名度を狙うのでなく、たとえ数百人、数千人、数万人であっても第一再生知名を獲得し、有効商談を生む企業出版という施策があることを是非記憶しておいて下さい。

知名度について他にもいろいろ知りたい人はこちら↓
知名度・認知度をあげる秘策!これを読めばすべてが分かる!

企業出版に関して詳しく知りたい人はこちら↓
『企業出版とは?一番わかりやすい入門編~メリットや事例、費用まで~』


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