知名度・認知度

書店という新たな接点と、切り札としての営業ツール。(株式会社運動会屋)

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投稿日:2019年4月22日 | 最終更新日:2024年1月22日

『会社の悩みは、運動会で解決しよう!』を出版した株式会社運動会屋の米司隆明様。企業の問題解決のためのソリューションとして、社内運動会のプロデュースや企業向け研修を行う、運動会屋の“CUO(Chief UNDOKAI Officer)”に、書籍を出版した経緯とその活用方法についてお話を伺いました。

本は、より多くの人に事業のことを知ってもらう橋渡しでした。

運動会屋さんが行っている事業と、出版を検討された経緯について教えてください。

米司:私たちは「運動会」に関するプロフェッショナルとして、企業や学校、地域の運動会をプロデュースする事業を行っています。昨今、グローバル化やダイバーシティの取り組みの中で、コミュニケーションの手段として「社内運動会」が注目されています。この事業を立ち上げたのが2007年で、それから6年たった2013年に、クロスメディア・マーケティングのプランナーの方から声をかけてもらったのがきっかけでした。やっと事業が軌道に乗ってきた頃でしたね。最初は「え、出版?」という感じだったんですけど、詳しく話を聞くうちに気持ちが変わりました。書店に本が並ぶということはつまり、会社自体に興味がない人にも手に取ってもらえる可能性が高いということなので、事業内容や運動会の良さをより多くの人に伝えられると思いました。

書店という新しいルートで事業内容を知ってもらえるということですね。

米司:そうです。また、社会的信用度という点でもプラスになると思いました。ものすごくニッチな事業ですので殆ど類を見ないし、事業内容を理解されにくいことが多いんですけど、書籍という形になることで、この会社というより事業そのものの見方が変わるのではないかと。

なるほど。まるで丁寧な会社案内みたいですね。

米司:その通りです。これはちょっとしたエピソードなんですが、出版後に、お世話になった恩師に会いに行った際に本を渡したんです。すると後日、「本を読んで、君が何をやっているのかやっと分かったよ!」と言われたのを覚えています(笑)

素敵なエピソードですね!

これまでの整理と、立ち位置の再確認

書籍を制作する過程で、新しい気づきや発見はありましたか?

米司:多くのお客様の声を聞くことが出来たのは、とても貴重な経験でした。本をつくる過程で、事例紹介としてお客様インタビューを載せることになりました。実際にお客様に会いに行って、色々と質問をしてみることで、「あ、こういう思いがあったから運動会をやったのか」とか「そんな悩みがあったなんて」という発見がありました。

お客様の声の中に新しい発見があったんですね。

米司:当時まではあまり過去を振り返ることなく突っ走ってきたので、出版がきっかけで自分の事業を振り返り、再認識することが出来ました。また、事業内容の整理にもなりました。今やっていることが何で、これから何をしたいのかということを、はっきりと意識できました。

ちなみに、本のタイトルはどのように決定したのですか?

米司:編集者の方と一緒に、たくさんアイデアを出しましたね。会社のメンバーにもいくつか案を出してもらいました。そこからかなり絞ったんですが、それでも伝えたいことが多すぎました(笑)結局のところ、このタイトル(『会社の悩みは、運動会で解決しよう!』)が伝えたいことすべてをまとめていたので、それに落ち着きました。「部門間の垣根を取り払いたい」「社員のモチベーションを上げたい」、それって全部会社の悩みじゃないか?って。

書店という新たな接点と、切り札としての営業ツール。

本を読んでほしい読者は、どのような人ですか?

米司:本を読んでほしい、つまりターゲットになるのは、主に企業の経営者や人事部の方です。遠隔地や自社のことを全く知らない人にどうやって事業内容を知ってもらうかを考えたときに、書店というルートは魅力的でした。

確かに、書店への流通は出版社ならではのルートですよね。

米司:はい。それに当時、運動会のプロデュース事業は他社にもありましたが、私たちのように運動会に特化している企業は珍しかったんです。勿論、類書も一冊もない。他の企業よりも先んじて本を出す事で、圧倒的な差別化になりましたね。

書店流通の他には、どのように活用されていますか?

米司:日々の営業活動やEXPO等の展示会の中で、興味を持ってくれた方にお渡しています。「これ(本)を読んでみませんか?」という感じで。世の中の多くの人に広めるというよりは、運動会の可能性や、自分のことをもっと知ってほしいと思ったら、想いを込めて、手渡しで。パンフレットを配布するより、本なら目を通してもらい易いと思います。実際に読んでいただいた方からは「応援してます!」と励まされることもしばしば。

「運動会」で世の中の人々を元気にしたい。

最後に、これからの展望を教えてください。

米司:日本文化である「運動会」を世界に広げ、価値を高める。そして、社会の役に立てたい。運動会屋の活動は日本全国だけではなく、世界中に広がっています。これまでに、タイ、ラオス、インド、アフリカ、南米、さらにはアメリカにも運動会を紹介してきました。例えば、インド。インドは、多宗教多言語であり、国民同士の会話にさえ支障がでたり、いまだにカースト制度のなごりもあって、労働環境が厳しいこともあります。インド社会にUNDOKAIを紹介することで、宗教や身分関係なく交流が生まれたり、 子供たちの教育や働く人のマナーアップにもつながったりするのではないかと考えています。

本日は貴重なお話、ありがとうございました。
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