マーケティングにおいて「ペルソナ」という言葉を耳にすることは多くあると思います。しかし、ペルソナとターゲットの何が違うのか?と聞かれたとききちんと説明することができますか?
「ペルソナ」の意味からきちんと理解し、マーケティングに活用することで、売上のアップも期待できます。
ペルソナとは?

ペルソナとは、商材やサービスのターゲットとなりうる人物を仮想し、より具体的な人物像を描いてその対象に対してどのようにマーケティングをおこなうかを考えるために想定される人物像のことを指します。
商材やサービスに対して、数名分の具体的なペルソナ設定をおこなうことで、人による商材の捉え方の違いなども考えることに繋がるため、ターゲットを主軸としたマーケティングよりも、よりブレが少なくなる傾向にあります。
具体的には「1980年生まれ、40歳男性、群馬出身。小中高と少年野球と部活で野球に打ち込み、大学進学を機に上京。会社では営業部署で、係長をしている。町田市に一軒家を購入し、妻と2人の子供と暮らしている。趣味は旅行と音楽鑑賞。食べ歩きも好み、グルメサイトに自らもレビューを投稿している。年収は530万円。最近の悩みの種は住宅ローンと、子供の教育方針に関する妻との対立。」といったように、本人のバッグボーンなどまでディテールにこだわって作りこまれることもあります。
ペルソナとターゲットの違い
マーケティングにおいて似ているように思われる「ペルソナ」と「ターゲット」ですが、その詳細さが違います。
例えばターゲットの場合「30代未婚男性」「女性の美大生」「男子高校生」といったようなものとなります。年齢や性別、職業など大まかな属性でグループ化し、ターゲットとして絞り込むというのがターゲットとなります。
しかし、時代が進むにつれ個人の趣味嗜好などがより多様化してきたことによって、ターゲットだけでは顧客のニーズの絞り込みなどができなくなったという背景からより具体的な顧客像を設定するマーケティング手法として生まれたのが「ペルソナ」です。
ペルソナを設定する3つのメリット

ペルソナを設定することで、商品開発や改善、ブランディングなどにおいて大きなメリットが生まれます。また、商品やサービスに関わる多くの人がペルソナを共有することによってマーケティングにもプラスの効果をもたらすのです。
サービスのコンセプトが固まる
ターゲットを絞り過ぎてしまっては多くの打ち上げは望みにくいものですが、万人に愛される商品やサービスを作ろうとしても、なかなか難しいものです。
どのような人に向けて作る商品・サービスなのか?という部分をより明確にすることによって、自ずと正しい商品やサービスのコンセプトを固めることができるようになります。
設定したペルソナがどのようなものを欲しているのか?ということを考えていけば、開発や商品・サービスの改善においてもよりユーザーに愛される商品やサービスを生み出すことが可能となります。
ユーザーの目線に立ちやすくなる
漠然と「40代男性、既婚、子持ち」などという設定と、より細かな部分まで作りこまれたペルソナとで比較した場合、どちらがユーザーの気持ちや目線に立ちやすいか?ということは一目瞭然です。本当に細かいところまで考えられているペルソナであれば、さまざまな情報からその人のストーリーをより想像しやすくなるものです。
チームでターゲットの顧客像を共有できる
マーケティングに関わる人が多数いれば、人によってもペルソナを膨らませる方向性は異なるものとはなりますが、ベースとなるものがある程度作りこまれていれば大きなブレや差異を生むことはありません。
ペルソナというフィルターを通して考えることによって、メンバーそれぞれが持つ主観の排除に繋がるので、より客観的な目線からの裏付けをチームで共有しやすくなるというのも、ペルソナマーケティングの大きな利点となるのです。
マーケテイングのためのペルソナの作り方

漠然としたターゲットからユーザー像を膨らませて作ったペルソナでは、マーケティングに活かすことは難しいです。実際のユーザーデータを参考に、より精度の高いペルソナを設定して、効率のいいマーケティングへと生かしていきましょう。
ターゲットの設定
新規開発する商品やサービスの場合、まずはターゲットの設定からはじまります。例えば「20代未婚男性」をターゲットにしている商品が「60代既婚女性」に爆発的に売れるといったことは起こりませんが、実際には想定していた20代の男性よりも30代や40代の男性ユーザーに購入されるという現象は起こり得るのです。
実際の売上のデータなどから、ターゲットより詳細なペルソナを作ることによって、より現実の顧客近い顧客像へと向けたマーケティングを実現できます。
情報収集
ペルソナを作る上でカギを握るのは、既存顧客の情報です。既存の顧客がどのような人物なのか?という点を知るためには、顧客に対するヒアリングやアンケートなどを通して情報収集を行います。
よりマーケティングに有効なペルソナ作りのためには、以下のような情報が役立ちます。
顧客のプライベート、家族構成など
・年齢、出身地、最終学歴、家族構成
・スマホやPC、タブレットなどその人が良く利用しているデバイス
・よく利用しているSNSや、職場以外に属しているコミュニティについて
職業に関する情報
・顧客がどのような役職に就いているのか?
・勤めている会社の社員数、売上などの規模
・仕事をする上で役立つスキルや、資格などについて
・年収はどの程度なのか?
目標・ゴールとするもの
・達成したいと考えている目標
・課題と感じているものや、どのようなことにチャレンジしたいと考えているか?
商品やサービスの、購入/利用の動機
・どうして商品の購入に至ったのか?
・商品の情報を知ったきっかけとなった情報源について
ペルソナに落とし込む
収集した情報を整理し、どのような既存ユーザーがいるのかという点を考えていきます。
既存の顧客情報から、コアターゲットとなるペルソナを描いていきます。1枚のシートとしてまとめ、そのペルソナがどのような人物であるか?ということをわかりやすく共有ができるようにしていきましょう。
業種や商材によっては、ペルソナが1名とは限りません。ユーザーの傾向によっては複数のペルソナへと落とし込み、マーケティングに活用します。
息の長い商材の場合、ペルソナ自体を定期的に見直すことによって顧客の傾向に即したものへとアップデートしていくことも大切です。
ペルソナマーケテイングまとめ
顧客データに基づいて、より具体的なペルソナ設定をおこなうことができればマーケティングに有効活用が可能となります。
「売上がなかなか伸びない」といった悩みを抱えている場合には、一度ペルソナを見直してみることもオススメです。
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