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出版実績

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マネジメントの本
最強トヨタの最高の教え方

最強トヨタの最高の教え方

  • 著者:山本大平
  • 定価:1,760円(本体1,600円+税10%)
  • 発行日:2025年10月2日
  • ISBN:9784295411321
  • ページ数:224ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

トヨタの現場で受け継がれる最高の教え方とは?  部下を持ったら最初に読むべき「最も人を成長させる方法」

多くのビジネスリーダーが、自社の生産性や組織力を向上させるための特効薬を求めるかのように、「トヨタ生産方式」(TPS)や「カイゼン」といった手法に飛びついています。彼らはトヨタの圧倒的な強さの源泉が、合理的に体系化された「型」にあると信じています。その完成された「型」を自社にインストールして、社員に実践させさえすれば、いずれはトヨタのような強靭な組織に変貌できると大きな期待を寄せるのです。

しかしその試みのほとんどは、悲しいほど同じ結末をたどります。最初は役員クラスを巻き込んで威勢よく始まった活動も、数カ月もすれば誰もその活動について口にしなくなり、多額のコンサルティング費用と膨大な時間だけを浪費して、組織は何一つ変わらないまま元の姿に戻っていくのです。

なぜこれほどまでに多くの聡明なリーダーたちが、同じ失敗を繰り返してしまうのでしょうか。それは彼らがトヨタの強さの本質を根本から取り違えているからに他ならないからです。
彼らが学ぼうとしているのはトヨタという巨大な氷山の一角、つまり水面上に現れて誰の目にも見えている「具体的な型」や「手法」に過ぎません。その水面下にあって、氷山全体を支えている巨大で目には見えない「思想」や「哲学」の存在に、ほとんどの人が気づいていないのです。

本書は、その水面下に深く隠されたトヨタの強さの本体ともいえる思想の正体を解き明かすことを目的としています。本書はよくある「トヨタ礼賛本」ではありません。トヨタという一つの文化的土壌を出発点としながらもそこにとどまることなく、著者自身がトヨタの外で積み重ねてきた現場の知見と問いを通じて、「教えるとは何か?」や「人が育つとはどういうことか?」を立体的に描き出すことを目指した一冊です。

著者紹介

山本大平

戦略コンサルタント/データサイエンティスト
京都大学大学院エネルギー科学研究科を修了後、新卒でトヨタ自動車に入社し、長く新型車の開発業務に携わる。トヨタ全グループで開催される多変量解析の大会での優勝経験を持つほか、常務役員表彰・副社長表彰を受賞する。その後、TBSテレビへ転職。「日曜劇場」「レコード大賞」「SASUKE」など、主にTBSの看板番組にてプロモーション及びマーケティング戦略を数多く手掛ける。また、TBS在籍時には古巣であるトヨタの創業期を描いたスペシャルドラマ「LEADERSリーダーズ」のアシスタントプロデューサーとしてドラマ制作にも携わる。さらにアクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を積み、2018年に戦略コンサルティング会社F6 Design株式会社を設立。AIを駆使したマーケティングや組織改革を得意としている。これまでにアコーディア・ゴルフ執行役員CMO、DMM.make AKIBAの戦略顧問、SCENTMATIC(株)のCMOなど、大手からベンチャーまで数多くの企業の要職を歴任・兼任中。趣味はアウトドア、野球。著書にベストセラー『トヨタの会議は30分』(すばる舎)のほか、『「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)、『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)などがある。
F6 Design 株式会社 https://f6design.co.jp/

目次

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はじめに

 

 

第1部 「正解」だけではなく自分だけの「答え」を探せ

トヨタの現場で受け継がれる最高で最強の教え

 

第1章 トヨタが仕事の「型」よりも大切にしていること

ビジネスの常識が覆るトヨタの現場教育
・トヨタの「型」を真似てもトヨタのように強くなれない理由
・なぜもっと冷静に、ロジカルに議論を進められないのか?
・教えるのが面倒くさい?「答えを教えてくれない」という文化
・ビジネスの常識がトヨタでは通用しない
・「売値は市場が決める」ことの本当の合理性
・「自分の頭で考え抜け!」トヨタで学んだ最高の教え

 

第2部 トヨタの先でたどり着いた「最高の教え方」

部下の思考に火をつける6つのメソッド

 

第2章 メソッド① シナリオ質問法

「答え」を奪い、「問い」で思考の舵を取る
・なぜ上司の質問は「詰問」で終わってしまうのか?
・「WHYHOWIF」過去・現在・未来を貫く思考の立体化技術
・「Why」の限界と「How」「If」の必要性
・部下を「思考の当事者」に変える具体的な質問のスクリプト
・「シナリオ質問法」は成功の場面でも機能する

 

第3章 メソッド② 安全な失敗の設計図

「無菌室」から「成長」の舞台へ
・「心理的安全性」の本質とは何か?
・「失敗恐怖症」が組織から挑戦の文化を奪う
・なぜ日本のリーダーは「マイクロマネージャー」になるのか?
・リーダーの最重要スキル「舞台設計力」とは何か?
・トヨタ入社2年目に体験した天王山会議での公開処刑
・「谷底」から見上げたリーダーの本当の役割

 

第4章 メソッド③ ミッション・ドリブンな権限移譲

「丸投げ」をやめて「信頼」の契約を結ぶ
・なぜ「仕事を任せる」ほど部下のモチベーションは下がるのか?
・「丸投げ」という名の最も無責任な行為
・トヨタで経験した「放任主義」をさらにカイゼンする
・部下の「やらされ仕事」を「自分事」に変える権限移譲の技術
・リーダーの覚悟が「心理的安全性」を創り出す
・「説明責任」と「最終責任」を切り分ける
・「権限移譲」から「自律分散型組織」へ

 

第5章 メソッド④ 戦略的ネットワーキング

「知っている人」から「繋げる人」へ
・なぜトヨタの「主査」は資料を持たずに仕事ができたのか?
・現代においては「知のブローカー」が最強の働き方
・「T型人材」から「π型人材」へ
・「GIVE」から始める知のネットワークの構築術

 

第6章 メソッド⑤ サードドア発見力

「カイゼン」の先にある「非連続」な成長
・なぜ改善を続けるほど変化に対応できなくなるのか?
・「ロジカル・シンキング」の限界と「ラテラル・シンキング」の必要性
・サードドア的な「ズルい」思考法
・常識の外にある「第三の扉」を見つける思考法
・サードドアを発見する最初の一歩は「疑う力」
・成果が出ない人ほど「疑う」ことをしない
・「疑う」とは「否定する」ことではない
・「見えない前提」を破壊する2つの思考ツール
・トヨタで気づいた「常識」を疑う視点

 

第7章 メソッド⑥ 「現地現物」から「一次情報原理主義」へ

情報は「聞く」ではなく「見る」
・トヨタで叩きこまれた「現地現物」という独特の文化
・私の思考の原点「一次情報原理主義」
・ベトナムで気づいた「現地現物」の真髄
・「一次情報原理主義」を実践するための3つの行動

 

第3部 なぜ、「教えない」教え方が最強なのか?

非効率で冷たく聞こえるアプローチにこだわる理由

 

第8章 変化の時代に価値を持つのは「答え」ではなく「問い」を生み出す力

人間だけが持つ最強の価値創造の源泉
・「教えない」が最強の人材育成法である理由
・視点① 部下の成長 「学習する機械」から「価値創造のエンジン」へ
・コンプライアンス時代の閉塞感を打ち破る力
・視点② チームの進化 「ピラミッド型組織」から「自律分散型生命体」へ
・自律分散型組織(DAO)という新しい生命体
・視点③ リーダー自身の解放 「孤独な王様」から「旅する探究者」へ
・「管理」を手放したリーダーは未来を創造する
・変化の時代に価値を持つのは「問い」を生み出す力

 

 

おわりに