▼「金利」を知れば、投資に役立つ
難しい経済指標がわからなくても、簡単に景気の動きを把握する方法があります。
それは「金利」です。
金利の変化は、何かを知らせるサインです。
株価が上昇し続ける中、当初、上昇していた長期金利が、2024年7月頃から上昇を止め、低下し始めていました。気づいていた方は、株価最高値更新や利上げの発表に警戒感を抱いたはずです。
日本は、ここ数十年続いた超低金利(ほぼゼロ%)時代から、プラス%の時代に戻ろうとしているのです。今までとは違います。
歪みもギャップも、イレギュラーな動きも出てくるでしょう。だからこそ、「金利」という軸を作り、予測や判断に役立てていただきたいのです。
炭鉱労働者にとって、カナリアは一種の警報(アラーム)で、坑道に3羽のカナリアを連れていき、1羽でも鳴き止んだら、ガスの発生等「なんらかの変調・危険」があると察知しました。
金融市場の変調を知らせてくれるのが「金利」だと、私は確信しています。
金利の見方、使い方さえ習得すれば、「金利」は、景気と言う漠然としたものを具体化してくれるツールとなり、景気を考える上で、誰よりも頼りになる存在です。
今、日本で起こっていることは、決して特異な事態ではありません。
「金利」を見れば、今起きていることの背景が、今の景気が、日銀(日本銀行)の気持ちが、これからの課題が分かるはずです。
本著は、「日本編」のタイトルのとおり、できる限り、日本の金利と経済に絞りました。
そんなに言うなら、日本なら身近だし、これから役に立つかもしれないし、「金利」を学んでみようかなと思っていただけたら幸いです。
なお、姉妹書『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』では、米国を中心に金利と経済を詳しく説明しています。
本著と合わせてお読みいただければ、金利の見方、米国の役割、米国と日本の違いなどさらに理解を深めていただけるはずです。