出版実績

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社会・経済の本
小売ビジネス

小売ビジネス

  • 著者:中井彰人/中川朗
  • 定価:1,848円(本体1,680円+税10%)
  • 発行日:2025年5月1日
  • ISBN:9784295410874
  • ページ数:216ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

グローバル化から離れ、ガラパゴス化した業態。 海外からも注目される独自進化した「小売」の今。

生活に密着している業界だからこそ、その進化から目を離せない。

「小売」というと、製造業がいて、問屋があって、というイメージだが、実態はもっと複雑で、従来型の「仕入れて売る」という業態もあれば、もっと総合的なかたちですべてのサプライチェーンを内製化している企業もある。「小売」という業態は日本独自のもので、海外では見かけないビジネスモデルといっていい。消費者サイドから見ると、「便利で安くてサービスがいい」ということになるが、経営視点で見ると、「非効率・過剰サービス・利益が薄い」ということになる。本書は「知っているようで、あまり理解されていない」小売ビジネスについて、その歴史を紐解き、小売のおもしろさや魅力を伝える一冊として最適な入門書になっている。

著者紹介

中井彰人/中川朗

中井彰人
㈱nakaja lab 代表取締役/中小企業診断士
早稲田大学法学部卒業。みずほ銀行産業調査部退職後、2016年独立。流通アナリストとして活動中。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務めつつ、新聞社、テレビ局、出版社などマスコミ各社に寄稿、知見提供、出演多数。東洋経済オンライン、プレジデントオンライン、ダイヤモンドDCS、新潮フォーサイト、ITmedia等にて月刊連載中。東洋経済オンラインアワード2023(ニューウェーブ賞)受賞。著書として『図解即戦力 小売業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社 2021)がある。

中川朗
デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
DTFA Institute主任研究員
大阪大学大学院文学研究科文化表現論修了。シンクタンク、金融機関などで産業調査・国内消費の分析業務に従事。みずほ銀行産業調査部では小売・消費財産業のアナリストとしてサブセクターヘッドを担う。北海道から沖縄、海外は韓国・香港まで幅広く、大手流通や専門店、卸、EC、テック企業を調査。消費の構造変化と企業戦略について産業調査レポート・記事を執筆。2025年5月設立されるデロイトトーマツ戦略研究所に参画予定。

目次

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はじめに 2000年の小売トップ企業は2024年にどうなっているのか?

 

 

 

第1章 近現代史から学ぶ日本市場のガラパゴスな世界

1 日本型食品スーパーを生んだ魚食文化
2 そうは問屋が卸さない
3 レールサイド、ロードサイド二重構造の国
4 小林一三がつくった鉄道系商業ビジネス
5 日本型コンビニを生んだ密集居住
6 世界初!人口減少高齢化時代のチェーンストア
COLUMN 日本の大手小売は多彩な地方出身集団
図 主な専門店チェーンの出身地

 

第2章 チェーンストアから学ぶ小売の栄枯盛衰の世界

1 商店街の時代と高度成長時代のセルフ・サービス
2 総合スーパーが拓いたチェーンストアの時代
3 総合スーパーの全国制覇 ワンストップショッピングの成功
4 バブル崩壊、金融危機、大再編の時代へ
5 専門店への分散と製造小売業の台頭
6 郊外型ショッピングモール(専門店連合軍)の時代
COLUMN 大黒柱に車をつけよ~イオンを勝利に導いた家訓

 

第3章 食品ディスカウンターに学ぶ覇権争いの世界

1 日本型食品スーパーの転換期
2 コンビニエンスストアの飽和
3 新たなスーパーvs生鮮コンビニの食品市場再分割
4 もはやドラッグストアではない……フード&ドラッグ
5 ディスカウントストア大手 覇権への挑戦
6 食品ディスカウンターの成長は続くのか
COLUMN 生鮮強化とチェーンストア理論の融合……バローの先行事例
図 フード&ドラッグの存在感は増している

 

第4章 変化対応力から学ぶ小売専門店の世界

1 市場飽和で踊り場の家電量販店 ヨドバシの挑戦で最終決戦へ
2 新築戸建て市場縮小で差別化を目指すホームセンター
3 イオンによる再編で揺れるドラッグストア
4 ファストリに敗れた、アパレル業界のリスク分散慣行
5 アウトドアブームの終焉
6 家具インテリア雑貨の覇者 ニトリの真の勝因
COLUMN カジュアル雑貨市場の争奪戦 異業種入り乱れた行方は
図 企業価値の高い小売業は今や大半が専門店チェーン

 

第5章 ネットスーパーから学ぶECの世界

1 日本のEC化率はたった10%程度!?
2 コロナ下でも伸びが緩やかだったEC化
3 黒字化モデルは見えてきた? まだ進化するネットスーパー
4 挑戦が続くクイックコマース
5 デジタルによるリアルの追究が拓くビジネスチャンス
6 越境ECはチャンスかリスクか
COLUMN ネットスーパーの物流の仕組み

 

第6章 インバウンド需要から学ぶアウトバウンドビジネスの世界

1 インバウンドは日本を代表する〝輸出産業〟
2 免税販売の光と影
3 勝ち組チャネルの栄枯盛衰
4 選ばれるチャネルでは何が起きているのか
5 インバウンドからアウトバウンドへ
6 新たなビジネスモデルの追求
COLUMN バランスの取れた成長への備えはあるか

 

第7章 メーカーと問屋から学ぶ物流システムの世界

1 チェーンストアを支える物流システムの進化
2 モノの流れをざっくり解説
3 まるで「ミルフィーユ」のような荷姿
4 コンビニ物流は何がすごいのか
5 SPA(製造小売業)が挑戦する物流の進化
6 理想の物流システム=フィジカルインターネット(PI)とその現在地
COLUMN 倉庫で働く、物流スマートロボット
図 W/R比率の推移(商業全体・業種別)

 

第8章 データから学ぶ小売DXの世界

1 小売DXでの取り組み
2 現場を知り、ITを知る企業の強み
3 オンオフ融合、店舗型小売の戦い方
4 〝スーパーアプリ〟 はどうなった?
5 リテールメディアは新たな収益源か
6 生成AIの現在地、そして今後
COLUMN ドローン宅配はいかに実現するか

 

第9章 最新テクノロジーから学ぶ未来の小売世界

1 テクノロジーがもたらす変革とは?
2 「チャネル」の変化、空間の隔たりを解消する
3 「モノ」の変化、作り手と使い手との隔たりを解消する
4 「モノの流れ」の変化、時間と空間の隔たりを解消する
5 「決済」に起こる変化、支払い・価値交換が変わる
6 すべてがつながる!デジタル化する消費者環境
COLUMN 2050年の小売が目指すものとは?

 

 

 

おわりに 小売の細部に神が宿る!?