出版実績

出版実績

仕事術・ビジネススキルの本
社会人1年目の社会学

社会人1年目の社会学

  • 著者:鈴木洋仁
  • 定価:1,815円(本体1,650円+税10%)
  • 発行日:2025年10月2日
  • ISBN:9784295411406
  • ページ数:264ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

「なぜ、たった1分の遅刻で怒られるのか?」「挨拶って、そんなに大事?」「誰も自分に声をかけてくれないのはなぜ?」本書は、社会人として働きはじめたばかりのあなたが感じる、素朴で切実な「なぜ?」に、社会学の視点から答える一冊です。著者は、12年間、民間企業と行政機関での実務経験を経て、東大で博士号を取得した、まさに異色のキャリアをもつ社会学者。現場でのリアルな葛藤と、学問としての社会学の知見を架橋しながら、職場でのモヤモヤを解きほぐしていきます。本書の最大の特徴は、どんな悩みにも「すぐに効く答え」を提示するのではなく、なぜその悩みが生じたのか――その背景や構造にまで掘り下げていくことにあります。時間厳守が求められる理由を「共同幻想」から捉え、挨拶の意味を「儀礼的無関心」で読み解き、上司との関係のつまずきを「予期の予期」で説明する。まるで“社会の見え方”が変わるような読書体験が、ここにあります。自責にも他責にも陥らない、新しい「考えるためのツール」が満載です。1テーマ3〜4ページで構成されているので、パラパラと拾い読みも可能。気になる疑問から読みはじめたら、きっと視野が広がり、気持ちが軽くなるはずです。

著者紹介

鈴木洋仁

神戸学院大学現代社会学部准教授
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。
1980年東京都生まれ。2004年、京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送入社。2010年、株式会社ドワンゴに入社、2011年から2016年まで独立行政法人国際交流基金勤務。その後、東京大学大学総合教育研究センター特任助教、事業構想大学院大学准教授、東洋大学グローバル・イノベーション学研究センター研究助手を経て、2023年から現職。著書に、『「三代目」スタディーズ 世代と系図から読む近代日本』(青土社、2021年)、『「元号」と戦後日本』(青土社、2017年)、『「平成」論』(青弓社、2014年)などがある。

目次

目次

MORE

はじめに

 

 

 

第1章 なぜたった1分でも遅刻をすると怒られるのか──「職場」を社会学する

時間の社会学《Keyword》〈共同〉幻想:なぜたった1分でも遅刻をすると怒られるのか
挨拶の社会学《Keyword》儀礼的無関心:なぜ元気よく挨拶をする人は評価が高いのか
メールの社会学《Keyword》擬似同期:なぜ即レスが求められるのか
居場所の社会学《Keyword》役割期待:席に座っても誰も声をかけてくれない!
仕事の仕方の社会学《Keyword》個人化:なぜ仕事のやり方は人によって違うのか
ファッションの社会学《Keyword》顕示的消費:やっぱり「人は見た目が9割」なのか
人間関係の社会学《Keyword》予期:なぜ上司との人間関係がうまくいかないのか
ミスの社会学《Keyword》ハビトゥス:仕事を覚えられずミスを繰り返してしまう
「シゴデキ」の社会学《Keyword》ハイパー・メリトクラシー:仕事が「できる」「できない」は何で決まるのか

 

第2章 なぜなぜやりたい仕事には絶対に出会えないのか──「キャリア」を社会学する

資料づくりの社会学《Keyword》機能/逆機能:なぜパワポ作りは面倒くさいのか
仕事の意味の社会学《Keyword》ブルシット・ジョブ:なぜ無意味な仕事が多いのか
生き方の社会学《Keyword》ライフコース:なぜやりたい仕事には絶対に出会えないのか
勉強の社会学《Keyword》耳学問:勉強は「量」「質」よりも「耳学問」が大事
英語の社会学《Keyword》遠隔地ナショナリズム:こんなに翻訳アプリが進化しているのに、英会話やTOEICを勉強する必要はあるのか
ビジネス書の社会学《Keyword》再帰的プロジェクトとしての自己:ビジネス書を読む人は何を考えているのか
格差の社会学《Keyword》相対的剝奪/準拠集団:私の年収、低すぎ……!?
転職の社会学《Keyword》キャリアラダー:入社1年目は転職サイトを見てはいけない
資格の社会学《Keyword》専門家支配:なぜ働きながら資格試験を受けなければならないのか
「働きたくない」の社会学《Keyword》労働疎外:働かない人は価値がないのか

 

第3章 会社の飲み会、行きたくない。さぁ、どうする?──「人間関係」を社会学する

ハラスメントの社会学《Keyword》ラベリング理論:新入社員、ハラスメントをする
ルールの社会学《Keyword》1次ルールと2次ルール:なぜ就業規則は読んでおいたほうがいいのか
昼ごはんの社会学《Keyword》まなざしの地獄:昼ごはん、会社の人と食べたくない
敬語の社会学《Keyword》社交:なぜ敬語を使えないと怒られるのか
組織の社会学《Keyword》カリスマ的支配:社長を無条件に尊敬したほうがいい理由
失敗の社会学《Keyword》ゲマインシャフト/ゲゼルシャフト:失敗と手柄を分け合うだけでうまくいく
社内恋愛の社会学《Keyword》単純接触効果:社内恋愛ってダメなの?
飲み会の社会学《Keyword》社会関係資本:会社の飲み会、行きたくない。さぁ、どうする?
嫉妬の社会学《Keyword》欲望の三角関係:なぜ同期のインスタを見ると嫉妬してしまうのか
友情の社会学《Keyword》純粋な関係性:なぜ同期を大事にしたほうがいいのか

 

第4章 なぜ成功する人は地元・実家とうまく付き合っているのか──「ワークライフバランス」を社会学する

趣味の社会学《Keyword》文化資本/文化資源:「趣味は何?」と聞かれて困る
結婚の社会学《Keyword》上昇婚:なぜマッチングアプリがこんなにも流行っているのか
家事の社会学《Keyword》アンペイドワーク:掃除・料理の無償労働とどう向き合うか
夫婦の社会学《Keyword》性別役割分業:専業主夫は今後増えていくのか
恋愛の社会学《Keyword》草食系:恋愛経験がないっておかしいですか?
ジモトの社会学《Keyword》弱いつながりの強さ:なぜ成功する人は地元・実家とうまく付き合っているのか
非婚の社会学《Keyword》動機の語彙/類型的な語彙:結婚する気が起きないのは社会がそうさせているから
残業の社会学《Keyword》感情労働:残業したほうがいいのか しないほうがいいのか
過労死の社会学《Keyword》死にがいの喪失:仕事が好きでも働き過ぎてはいけない理由

 

第5章 自分に自信がないのはなぜか──「生き方」を社会学する

読書の社会学《Keyword》読者共同体:なぜ読書は大事と言われるのか
歴史の社会学《Keyword》統計的因果推論:なぜ歴史を学ぶと仕事がうまくいくのか
スポーツの社会学《Keyword》間身体的作用力論:なぜスポーツ観戦が趣味の人は長生きするのか
サブカルチャーの社会学《Keyword》ペルソナ:オタクになると、人生が豊かになる理由
承認(欲求)の社会学《Keyword》信頼:自分に自信がないのはなぜか
「自分らしさ」の社会学《Keyword》多元的自己:自分らしさとは何か、考えてしまう君へ
未来の社会学《Keyword》長期主義:将来が不安なのですが、どうすればいいでしょうか?

 

 

おわりに

 

あとがき