出版実績

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マネジメントの本
技術は戦略をくつがえす

技術は戦略をくつがえす

  • 著者:藤田元信
  • 定価:1848円(本体1680円+税10%)
  • 発行日:2017/6/1
  • ISBN:9784295400882
  • ページ数:336ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

過去の戦争の流れを変えた著名な戦いを取り上げ、「技術」というフィルタを通してみることで、今を生きる私たちに有益な教訓を得る。また、技術そのものに関わらず、戦略的背景、技術に関わった人々についても取り上げ、技術と戦略の関係を考察。

著者紹介

藤田元信

昭和54 年愛媛県北宇和郡三間町(現宇和島市)生まれ。愛光学園高校卒。元陸軍将校の祖父から大東亜戦争での経験談を聞き、技術の優劣こそが生死を分けることを学ぶ。
6 歳からはじめた模型づくりで、世界各国の兵器213 種類を手がけ、システムコンセプトの差異や開発史に興味を持つ。世界初のミサイル技術者であるフォン・ブラウン博士に憧れ、システムズエンジニアリングを学ぶため東京大学に入学。東京大学工学部計数工学科(計測コース)及び大学院情報理工学系研究科で、システム情報学を専攻。日本学術振興会特別研究員を経て、平成18 年、防衛省技術研究本部に研究職技官として採用。陸上装備研究所システム研究部火砲システム研究室主任研究官等を経て、現在、防衛装備庁技術戦略部に勤務。PMP(米国PMI 認定)、博士(情報理工学)。

目次

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はじめに

 

序章 戦略と技術について

01 技術を知らなければ戦いに勝てない時代
・クラウヴィッツには見通せなかった未来
・優れた「戦略」とは何か
・優れた「技術」とは何か
・「戦略」と「技術」の共通点
02 戦略を理解する鍵は非対称性
・戦略は、非対称性を利用する
・技術は、非対称性を生み出す

 

第1章 戦略の「常識」はいつも「技術」によってくつがえされてきた

01 近代戦争の歴史は技術イノベーションの歴史
・技術のイノベーションが戦争の歴史を変えてきた
・近代戦争とそれまでの戦争の違い
・科学技術と軍事技術
・世界のパワーバランスに影響を与え続ける軍事技術
02 優れた技術がもたらす戦略的価値
・ランチェスターの業績
・ランチェスターの1次法則(線形則)
・ランチェスターの2次法則(2乗則)
・ランチェスターの混合則
03 戦略家が技術を学ぶべき3つの理由
・大砲の専門家だったナポレオン
・自軍のあらゆる兵器を知り尽くしていたヒトラー
・戦略家が技術を学ぶべき理由
04 戦争とビジネスのアナロジー
・アンゾフのマトリックス
・「アンゾフのマトリックス」を通して見る戦史
コラム:ビジネス界で見かける代表的な軍事用語

 

第2章 新技術の強みを生かし、既存戦略をくつがえす

01 要素技術をシステム化し、大きな成果を生む
・空母が活躍した発の海戦
・ローマ帝国の再興を目指すイタリアの海軍
・地中海の要、マルタ島
・勝利を可能にした技術
・影響と教訓
02 萌芽段階の技術を見つけ、育てたものが勝つ
・れーだが支えた史上初の大空中戦
・ヨーロッパ大陸上空、敵機なし
・ダウディング・システム
・バトル・オブ・ブリテン
・勝利を可能にした技術
・影響と教訓
03 結論を絞らず複数案を採用、技術的な長所を生かす
・ドイツの工業生産を破滅に導いた戦略爆撃
・工業生産を絶てば勝利できる?
・大型機の時代の幕開け
・「ノルデン式」爆撃照準器
・ラウンド・ザ。クロック・ボミング
・勝利を可能にした技術
・影響と教訓
04 競争の戦略
・「灰色の狼」Uポート
・早大な計画と早すぎた開戦
05 一見無関係に見える技術が進歩をもたらすことがある
・エニグマ暗号機への長い道のり
・「ウルフ・パック」戦術と黄金の日々
・勝利を可能にした技術
・影響と教訓
まとめ 新技術の強みをいち早く理解したものが戦いを制する
コラム:スピンオフとスピンオン
コラム:プロジェクトマネジメントツールと軍事技術

 

第3章 既存技術の新たな使いみちを御杖、既存戦略をくつがえす

01 新技術の開発に見切りをつけ、既存技術を活かした戦略で勝つ
・第一次世界大戦後の戦車
・間に合わなかた新技術
・迂回戦略
・歴史を変えた朝食会
・黄作戦
・勝利を可能にした既存技術
・影響と教訓
02 身近な技術で窮地を脱する戦略を立てる
・電撃戦の成功を影で支えた対空砲
・「幽霊師団」とロンメル
・1940年5月21日荒らすの戦い
・影響と教訓
03 技術の戦いでは、同じ手は二度と通用しない
・ドイツ戦艦部隊の引っ越し
・制空権の確保“ドナーカイル(雷鳴)作戦”
・勝利を可能にした既存技術
・影響と教訓
まとめ 既存技術の新たな使いみちを発見し、制する。
コラム:灯油ポリタンクとマンシュタイン計画

 

第4章 既存戦略をくつがえす技術を生み出した技術者と組織

01 適切なリードにより、研究開発を加速する
・2次元平面から3次元平面へ
・「直撃しなくてもいい弾」というコンセプト
・VT信管への道のり
VT信管の開発と生産
・技術革新を生み出した人と組織
・影響と教訓
02 特殊な技術と、それを使いこなす高度な技能人材
・イノベーションとは何か
・まもりから攻めへ、次の一手
・水切り×爆弾=反跳爆弾
・第617爆撃飛行隊「ダム・バスターズ」
・技術革新を生み出した人と組織
・影響と教訓
03 トップ・マネジメントの役割
・ヴェルサイユ条約の抜け道
・萌芽期〜固体燃料か液体燃料か
・A-1/A-2/A-3ロケットによる技術実証
・秘密兵器センターの設立
・A-4弾道ミサイルの開発と生産
・ペンギン作戦
・技術革新を生み出した人と組織
・影響と教訓
04 既存の組織の枠組みにとらわれてはいけない
・コンセプト誕生以前
・スウィンフトン中佐の技術提案と陸上軍艦委員会
・世界初の戦車「マーク―」への道のり
・ソンムの戦い/カンブレーの戦い
・技術革新を生み出した人と組織
・影響と教訓
まとめ 自由な技術者と組織が新戦略を実現可能にする
コラム:「サンコクストの罠」を脱したザ・グレーと・バンジャンドラム
コラム:戦時のドイツ軍需産業で占う「インダストリー4・0」の未来

 

第5章 戦争が生み育てた技術の「その後」

01 電子情報線技術が産んだIT産業の聖地
・欧州上空の電子情報戦
・ラジオ・リサーチ・ラボラトリー(RRL)の設立
・ターマン教授の戦略
・冷戦とシリコンバレーの誕生
・研究開発の出口に目を向ける
02 軍事技術を民生技術に結びつける
・火の発見から電子レンジの登場まで
・マグネトロンの大量生産
・レーダレンジ(Radarrnge)の商品化
・偶然を好機に変える
03 ミサイル技術が産んだ宇宙ロケット
・ベーネミュンで秘密兵器センターの占領
・ミッテルブルク社の解体
・ペーパークリップ作戦
・A-4弾道ミサイルの科学的研究への応用
・NASAマーシャル宇宙飛行センターの設立
・“競争力の源泉”の礎
04 暗号解読と弾道計算が発展させたコンピュータ
・電子計算機の発明以前
・暗号解読機コロッサンス
・弾道計算機EENIAC
・世界初のコンピュータは何か
05 爆撃機の航法のはじまり
・電子航法システムGEE/LORAN
・人工衛星を用いた測位システムNNSSの誕生
・技術仕様の無償公開
まとめ 技術の歩みは止まらない
コラム:瓶詰とトレンチコート〜戦争が進化させた技術以外のもの〜
コラム:はじめて発見された「ハグ」

 

おわりに

参考図書