出版実績

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仕事術・ビジネススキルの本
心をつかむ文章は日本史に学べ

心をつかむ文章は日本史に学べ

  • 著者:加来耕三
  • 定価:1518円(本体1380円+税10%)
  • 発行日:2019/12/1
  • ISBN:9784295403685
  • ページ数:240ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

手紙しか伝達手段のなかった時代、 一流の文章術を使う者だけが生き残った──

あの織田信長も、豊臣秀吉も、西郷隆盛も、渋沢栄一も、皆いずれ劣らぬ文章の達人でした。
彼らはその文章術を駆使して、相手の心をとらえ、時に味方に引き入れ、時に敵を欺きました。
いったい、どんな書き方で口説き、説得し、成果をあげたのか。
本書ではその核心に迫るとともに、私たちがビジネスの現場やプライベートで相手を説得し、
お願いをし、大事なことを伝える際に、どんな文章表現をすると効果的であるのか、
そのヒントを探ります。

本書で取り上げている文章の例
■ 織田信長が上杉謙信の心を鷲づかみにした手紙の文面
■ 西郷隆盛に江戸への総攻撃をやめさせた勝海舟の文章
■ 決戦を前に、豊臣秀吉と明智光秀が書いた文章を徹底比較
■ 三日天下で終わった明智光秀の、残念な手紙の中身

著者紹介

加来耕三

歴史家・作家。1958年大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科卒業後、同大学文学部研究員を経て、現在は大学・企業の講師をつとめながら、独自の史観にもとづく著作活動を行っている。『歴史研究』編集委員。内外情勢調査会講師。中小企業大学校講師。政経懇話会講師。主な著書に『日本史に学ぶ一流の気くばり』『歴史の失敗学』『紙幣の日本史』『前島密の構想力』『坂本龍馬の正体』『刀の日本史』『1868 明治が始まった年への旅』などのほか、テレビ・ラジオの番組の監修・出演も多数。

目次

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はじめに

 

第一章 歴史の勝敗は「文章」で決まった

~天下をとった豊臣秀吉の文章と、家康に敗れた石田三成の文章の差とは?~

万葉集こそが、日本史における文章のスタート作品
紙が発明され、それに文章を書き、文と呼んだ
日本の命運は「文」で決まった。聖徳太子の文章とは?
蒙古を撃退したのは、北条時宗が出した御教書だった
自分に対し、敬語を使う秀吉の文章の魅力とは?
徳川家康と石田三成の文章の決定的な違い
西郷隆盛の心をつかんだ勝海舟の渾身の手紙とは?
喧嘩を売っているような手紙を、あえて西郷に送りつける
相手の痛いところを突けば心が動くはずと読んだ
優勢だったはずの西郷の心がぐらぐらと揺れ、不利な立場に
もし他の人が読んでいたら手紙は破り捨てられていた
人たらしの豊臣秀吉は文章の達人でもあった!
「あなたのおかげで私がいる」何度も書くことで心をつかむ
わざわざ手紙を書く必要はない…自滅した荒木村重
信長の性格をわかっているからこんな文章が書ける
あの人からメールをもらうと元気になる。いわれたことは?
相手の心が離れてしまう…石田三成の文章の欠点
有名な「直江状」はつくり話? こんな文章を書くわけがない
石田三成の文章は、正しい。しかし、納得はできない
文章で説得したはずなのに、なぜか続々と裏切る者が…
自分の意見を押しつけるな! その気持ちに気づけなかった
家康が手紙に書き添えたことは? 相手の心をつかんだひと言

 

第二章 人の心が動く文章の書き方

~「伝わる文章」に共通する三つの要素とは?

織田信長から伊達政宗まですべて見せます~
相手の心をつかむ文章には三つの共通原則がある
相手が感動する文章を送った武田信玄の調査力
簡潔で、わかりやすい本多重次の日本一短い手紙
買いたい人は来店ください。当時の人は新商法に驚いた
これが織田信長の文章? 優しさと気遣いに満ちた内容
手紙を秀吉にも読ませるといい。彼も反省するはずだ
筆頭家老、柴田勝家にはわかりやすく具体的に指示した
佐久間信盛に激怒! 冷静に書いてあるから余計に怖い
なぜ、報告、相談してこないのか? それが最大の過ちだった
佐久間を落として、秀吉や明智を上げる。二つの目的があった
強敵には媚びへつらった手紙を送る。手段を選ばない
猜疑心の強い武田信玄が信長の心くばりに参ってしまった
懸命に打ち込んできたのに…なぜこんな仕打ちをするのか?
秀吉の手紙を額面通りに受け取ってしまった 天下人になった光秀が、細川藤孝に送った情けない手紙
誰も味方についてくれない光秀の文章の最大の欠点とは?
信長が討たれて大ピンチの秀吉。しかしひと言で形勢逆転へ!
秀吉の破壊力抜群の文章。誰もが動揺し、ひれ伏した
書き方次第で、人の心はこれほど変わる。お手本と反面教師に学ぶ
薩長同盟は龍馬の功績ではなかった!? この文章を見ればそれがわかる
冷静に主君の気持ちを読んで、文章をそれに合う形に整えた
型破りの坂本龍馬の手紙。読む人を楽しい気持ちにさせる
おりょうのことを頼みます。手紙に込めた龍馬の想い
トイレで手紙を書きつづけた戦国一の筆まめの武将とは?
己れを磨くために伊達政宗は手紙を書きつづけた
先日は大変申し訳なかった。小姓に手紙で謝る真意とは?
命を狙われた母に対し、お慕いしています、と書きつづけた

 

第三章 目的ごとに文章を書き分ける

~説得力のある西郷隆盛の文章、思わず共感してしまう渋沢栄一の書き方…目的別・一流の文章術とは?~

相手を説得する文章 ─西郷隆盛
藤田東湖に会って感動した。気持ちをストレートに書いた
最後の一文が輝いて見える。説得力のある文章
二度の島流しから西郷が得たものとは?
勝海舟はすごい! 西郷の興奮が伝わってくる
人の共感を得る文章 ─渋沢栄一
何を書いても共感を得られない人との違い
道徳と経済の合一が大事。そういいつづけた理由とは?
パリ万国博覧会へ。そこで衝撃を受けた
名作『論語と算盤』で栄一が伝えたかったこと
まったく共感を得られなかった吉田松陰の手紙
なんて身勝手な人だ。門下生に見放された
味方に誘う時の文章 ─柴田勝家
俺が怒っているのだから、お前も同じだろうという勘違い
足利義昭からの上から目線の手紙。受け取った相手は…
正確に状況を伝える文章 ─伊達政宗
トラブル発生! こんな時、どんな文章を書くべきか?
政宗が余計なことを一切書かなかったわけ
再び秀吉に呼び出され、絶体絶命のピンチに
一瞬で評価が上がることもあれば、下がることもある