日本だけでなく米中のデジタル消費に精通するスペシャリストで、
ラジオ番組のナビゲーターなども務めつつ、さまざまなメディアで積極的に情報発信する著者。
初著書であり、3万部突破のヒットとなった前作『2025年、人は「買い物」をしなくなる』に続く
注目の一冊が本書である。
▼コロナで「5年早くきた世界」で起こる消費・行動・時間・移動
前作では、われわれの身近な「買い物」についてのさまざまな変化を取り上げつつ、
5年あまり未来を鋭く予測していた。そして、コロナ禍の中でいただいた読者の方々の反応は、
「コロナでまさに本の内容の通りになっている」という驚きの声だった。
・多くの人は買い物のためにわざわざ店舗を訪れなくなる
・ますます外出しなくなり、宅配便やウーバーイーツがさらに利用されるようになる
など同書の大きな予測のいくつかは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、
図らずも2020年のうちに現実化してしまった。つまり、「2025年にこうなる」と予測していたことが、
コロナ禍によって5年も前倒しで起こり始めているのだ。
本書では、こうした大きな変化を踏まえながら、「人と人のつながり」をテーマに設定。
既存のマスメディアを凌駕し、デジタル時代に最強の訴求力を持つようになった「口コミ」や、
「つながりで買い物をする」という今後のトレンドを解説するほか、
・企業ではなく人から買う「PtoC」
・Eコマース(インターネット通販)が急成長する中国で起こっている「リアル店舗」出店ブームの謎
・全米で広がる、顧客が足を運ばない「ダークストア」とは?
・密かに増加する「モノを売らない店舗」
・今やレビューをまったく気にしない人はたった3%だけ
・創業わずか2年半でユーザー3億人を超えた中国「ピンドゥドゥ」成長の理由
・Amazonの無人店舗「Amazon Go」が狙う「次の展開」とは?
など、世界の最新の動きを紹介していく。
なお本書は、学生・主婦・新社会人といった方にもお読みいただけるよう、
できる限り難しい話やテクニカルな話を避け、わかりやすく解きほぐしている。
「口コミ」の歴史や、買い物に関するテクノロジー「ショッピングテック」の最前線なども解説しつつ、
われわれの身近な「買い物」を科学し、あらためて2020年代を予測する一冊である。