モノがあふれ、人の嗜好が目まぐるしく変わる現代、経営に「ブランディング」の視点は欠かせません。
2020年に刊行して以来、版を重ねているロングセラー『ブランディング・ファースト』の続編として、
「実践における具体的な手法・考え方」を解説するのが本書です。
▼成否は「走り出す前の準備」にかかっている
以前と比べても広告がどんどん効きにくくなっている中で、
ブランディングは以下の点をはじめ、多くの効果を会社にもたらします。
・自社の売上や利益が増える
・優秀な人材が入社し、また社内の優秀な従業員が離職しなくなる
・広告宣伝をそれほど行わずとも、自分から自社の情報を取りに来てくれて、
発信してくれる「ファン」と呼べるお客様が増える
ただ、コロナ禍を経て、私たち中小企業を取り巻く状況はますます深刻化しています。
本書の著者・宮村岳志さんは、コロナによる激変に加えて、特に現場において
「若い世代の労働・消費意識の変化」や「消費者のブランドやプロダクトの捉え方の変化」を
ひしひしと感じているといいます。これらを踏まえて、宮村さんは「いま苦しんでいる多くの企業に、
一刻も早くブランディングに取り組んでほしい」と切実に訴えます。
前作でも実践のプロセスについては触れており、根本的な理論については本書も変わりません。
ただ、本書では、「中小企業での実践に本当に使える内容」にすべく、
さらにメソッドに磨きをかけています。具体的には、実際にブランディングで取り組むときに
「失敗の原因になりやすい要素」を徹底的に潰すことを念頭に置きながら、再構築に取り組みました。
それが本書で「Branding DRIP Method(ブランディング・ドリップ・メソッド)」と呼ぶ手法です。
ブランディングの成否は「走り出す前の準備」にかかっています。
中小企業からベンチャー・上場企業まで、多様な業種・業界を手掛けてきた
著者のブランディング手法の実際を体系的に解説し、「ブランディングの本質」をわかりやすく伝えます。