出版実績

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社会・経済の本
農業ビジネス

農業ビジネス

  • 著者:山口亮子
  • 定価:1,848円(本体1,680円+税10%)
  • 発行日:2025年7月18日
  • ISBN:9784295411154
  • ページ数:256ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

農業は今、大きな変革期を迎えています。人口減少による担い手不足、気候変動の影響、食料安全保障の問題など、かつてない課題が山積する一方で、テクノロジーの進化により新たな可能性も広がっています。本書は、現代農業が直面する課題と、それを乗り越えるためのイノベーションの最前線、いま知っておきたい農業ビジネス事情を網羅的に解説します。

著者紹介

山口亮子

愛媛県出身。京都大学文学部卒、中国・北京大学修士課程(歴史学)修了。時事通信社を経てフリーに。雑誌や広告などの企画編集やコンサルティングを手掛ける株式会社ウロ代表取締役。著書に『ウンコノミクス』(インターナショナル新書)、『日本一の農業県はどこか 農業の通信簿』(新潮新書)、共著に『人口減少時代の農業と食』(ちくま新書)、『誰が農業を殺すのか』(新潮新書)などがある。日本の食と農に潜む課題をえぐり出したとして、食生活ジャーナリスト大賞ジャーナリズム部門(2023年度)受賞。

目次

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はじめに

 

 

 

第1章 業界再編から学ぶ新しい農業ビジネスの世界

1 農家のM&Aが止まらない
2 なぜ証券会社や商社、卸が農業に注目しているのか
3 珍しくないメガファーム、常識になるギガファーム
4 将来の供給不足の懸念で農家を囲い込む人たち
5 生産から販売まで一気通貫がトレンド 増える垂直統合型農業とは
6 巨大化する畜産で酪農界はどう変わるか
COLUMN 農業ではまだ珍しい「攻めのM&A」の実例

 

第2章 輸入から学ぶ農産物取引の世界

1 商社なしでは成り立たない日本の食卓
2 加工も惣菜も冷凍食品も 新たな需要を満たしてきた輸入品
3 中国産の価格上昇で見直される国産
4 飼料の輸入を前提に作られた畜産の歴史
5 食料自給率が低いのは問題なの?
6 「買い負け」論争に意味はあるのか
COLUMN 卵に鶏肉…… 表示されない輸入農産物

 

第3章 月面移住から学ぶ土壌の世界

1 1グラムの土に3000種の微生物
2 肥料を大幅に減らせる菌の世界
3 ブラジルの荒野を緑の絨毯に ダイズを育てる根粒菌
4 農業とSDGsの二刀流で農家が稼ぐ未来
5 人工の土「高機能ソイル」で「月産月消」は可能なのか?
6 土壌にもある「健康診断」と「人間ドック」とは
COLUMN 日本の栄養収支はアンバランス?

 

第4章 おコメから学ぶ農業生産の世界

1 高騰と品薄……日本のコメ生産は
2 コメの需要を減らしていたのはシニアだった
3 潰された先物市場 価格形成がカギの現物市場
4 昔は専売だった米屋の今
5 日本米の海外輸出の実情
6 中国から稲わらを輸入し続ける意味
COLUMN 数多のブランド米が生まれる訳

 

第5章 肥料から学ぶ農業資材と資源の世界

1 国産肥料はほとんどない? 輸入が前提の肥料たち
2 実は日本は種子が強い 農業生産は下り坂
3 安全性が議論される遺伝子組み換え農薬 節約というメリット
4 中国の輸出規制で高まる期待 トイレ由来の肥料
5 ゴミの山だが宝の山? 家畜糞尿の活用
6 飼料高騰の切り札 食品残渣とは?
COLUMN 迷惑な竹林が農業の味方に

 

第6章 アイガモロボットから学ぶ農機の世界

1 自動車の自動運転より先に普及 農業機械の自動操舵
2 中国勢が席巻するドローンの活躍 DJIだけじゃない農業用の雄とは
3 ついにアイガモもロボットに 有機農業の拡大への寄与
4 人手不足は自動収穫機で解決できるのか
5 北海道では常識 人工衛星が農業に使われている?
6 東洋一の選果場に登場したAI選果機のすごさ
COLUMN 農業用モノレールが中国で大絶賛

 

第7章 カット野菜から学ぶ食品流通の世界

1 農家を悩ませてきた規格外品の取り扱い
2 シェアの下落で卸売市場が閉鎖の危機に瀕している?
3 経営の安定に欠かせない契約栽培の取り組み
4 一人暮らしにも共働きにも 高齢者にも人気が広がるカット野菜
5 生産だけでない! 食品企業と化す農業法人
6 食品流通の新常識 GAPとは
COLUMN 農業流通における2024年問題をどうする

 

第8章 ダボス会議から学ぶサステナブル農業の世界

1 なぜダボス会議で稲作が批判されたのか おコメも水田から畑へ?
2 収穫が2倍以上になる「再生二期作」のすごさ
3 「ムーンショット計画」で肥料も農薬も不要に!?
4 クリスマスケーキの高騰と地球温暖化の関係
5 北上するリンゴとミカン 熱帯果樹が普及するか
6 肥料でも農薬でもない第三の資材「バイオスティミュラント」
COLUMN 2027年には環境配慮が義務化へ

 

第9章 スマート農業から学ぶこれからの農業ビジネスの世界

1 品質も収入もアップ 経験と勘からデータ管理へ
2 広がる病虫害にはアプリで対策
3 進化続くも熟練者の代わりは今のところ困難
4 ロボットで変わる牧場の新常識とは
5 さらば電話とFAX 出荷伝票の電子化が急がれる
6 品種改良で変わる作物 昔の姿と今の姿
COLUMN 日本人はこだわり過ぎ?

 

 

 

おわりに