出版実績

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社会・経済の本
森林ビジネス

森林ビジネス

  • 著者:古川大輔
  • 定価:1,848円(本体1,680円+税10%)
  • 発行日:2025年8月1日
  • ISBN:9784295411192
  • ページ数:288ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

国土の約7割が森林! 森林大国・日本が誇る森林ビジネスの全貌!


◎1人当たり1000円の「森林環境税」とは?
◎樹齢100年の高級吉野杉も実は「間伐材」?
◎「明治神宮の森」は未来を見据えて設計された人工林?
◎日本各地に点在する「持ち主不明の森」とは?

日本は、世界に誇る「木の文化」を持つ国です。
樹齢千年を超える縄文杉で有名な「屋久島」、世界最大規模の原生的なブナ林が広がる「白神山地」、吉野・高野・熊野を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」などの森林エリアは、世界遺産に登録されています。また、人里に隣接した山地や森林は「里山」と呼ばれ、古くから暮らしの中で大切にされてきました。

建築の世界においても木は日本人と深い関わりを持ってきましたが、最近では、持続可能な地上資源として、改めて注目されています。デザイン性の高い木造住宅は人気が高く、庁舎や体育館などの公共建築物のほか、木造のビルも建設されています。東京2020オリンピックでは国立競技場に、2025年の大阪・関西万博では会場シンボルの「大屋根リング」に国産木材が使われました。

本書では、森林大国・日本が誇る森林ビジネスの世界を、林業や木材流通、建築、まちづくり、SDGsなどの視点から解説します。
私たちの生活に、実は身近な森林の話。森林ビジネスに携わっている方はもちろん、自然や建築が好きな方にとっても読み応えのある一冊です。

著者紹介

古川大輔

株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役
地域再生/林業再生コンサルタント。総務省登録・地域力創造アドバイザー。新潟県生まれ、東京都町田市育ち。東京大学大学院時代に全国の農山村地域を巡り、過疎化、農林業経営の厳しさ、ダム建設など農山村が抱える問題を目の当たりにする。これらの解決のため、より実践的な活動がしたいと考え、大学院を中退しビジネスの世界に飛び込む。(株)船井総合研究所では「地域ブランド創造チーム」を立ち上げ、地域ブランディングを切り口とした地方創生に携わる。その後、(株)アミタ持続可能経済研究所の客員研究員、(株)トビムシを経て独立し、2012年に(株)古川ちいきの総合研究所を設立。市町村の森林ビジョン策定と実行支援、企業の経営コンサルティング、地域材コーディネート、6次産業化支援、移住定住支援など、幅広く全国の森林・林業・木材産業・まちづくりに関わり、各地での講演実績多数。編著書に『森ではたらく! 27人の27の仕事』(学芸出版社)がある。2024年より、社会人博士課程として東京大学大学院 林政学研究室に所属し、研究活動を再開。

目次

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はじめに

 

 

 

第1章 世界から学ぶ森林ビジネスの世界

1 増加する世界人口と森林の関係
2 「サステナブル」ってなに?
3 人はなぜ、木を植えるのか?
4 世界遺産の森林
5 国民1人あたり1000円「森林環境税」
COLUMN 森林ビジネスで求められる多角的視点

 

第2章 日本の人工林から学ぶ多様な森林の世界

1 「明治神宮の森」「万博記念公園」は人工林?
2 国土の3割が人によってつくられた森
3 「森って誰のもの?」所有者で分類する森林
4 「スギ・ヒノキ・マツ」日本を代表する木の種類
5 日本三大美林と老舗林業地域
6 日本を代表する森のブランド「吉野林業」は何が違うのか?
COLUMN 「普通の産地」の木でもブランド化はできるのか?

 

第3章 植林・育林・間伐・伐採から学ぶ生産の世界

1 植林から「売れる木」になるまで
2 「間伐材を使おう」のウソ・ホント
3 樹齢300年「超長伐期」の吉野林業
4 収穫方法の違いで木材の品質は変わるのか?
5 森からはじまるサーキュラーエコノミー
6 「持ち主不明の森」が林業を探偵業にする
COLUMN 1300年以上続く日本の「伐採」vs「規制」論争

 

第4章 木材市場から学ぶ流通の世界

1 木の価格はどのように決まるのか?
2 複雑な木材流通と原木市場の現場
3 日本の技が光る「製材」と「乾燥」
4 「無節vs節あり」の議論
5 手刻みからデジタルファブリケーションまで
6 バイオマスは市場の後押しになるのか?
COLUMN 木にまつわる慣例の不思議

 

第5章 日本の建物から学ぶ木造建築の世界

1 日本の建築と国産木材
2 「近山運動」と「国産材1・0時代」
3 地域ブランド工務店と直送産地の連携「国産材2・0時代」
4 北山杉と茶の湯文化
5 都会のビルも木造へ「都市の木造化」
COLUMN 日本各地で受け継がれる「山の講」

 

第6章 職人から学ぶ木製プロダクトの世界

1 寿司屋のカウンターに見る木へのこだわり
2 日本の家具5大産地
3 林業の聖地で活躍する「ベンチャー木工家」
4 日本のスギ・ヒノキは楽器に向かない?
5 DIYで活気づく国産木材の市場
COLUMN 「作り手」と「使い手」をつなぐ木製プロダクト

 

第7章 森ではたらく人々から学ぶ現場の世界

1 森の仕事の担い手たち
2 森林ビジネスの事業体
3 林業のプロが参入する「特殊伐採」
4 森の力を最大限に引き出す調整役たち
5 林野庁・地方公務員と林業系コンサルタント
6 担い手不足解消のための新たな取り組み
COLUMN 「おまえか、東京からきたコンサルは! とっとと帰れ!」

 

第8章 「まちづくり」から学ぶトータル林業の世界

1 林業のフリースタイル化
2 関係人口から考えるトータル林業
3 六甲山の地域材活用と新たなライフスタイル
4 広がる林業の「6次産業化」
5 外資に買われる森林と水資源の危機
6 新たな価値を創造する里山事業
COLUMN 森と都市をつなぐ拠点

 

第9章 これからの森林ビジネスの世界

1 コロナ渦がもたらした「追い風」
2 スマート林業が描く経営の未来
3 AI・ロボットの活用により森林ビジネスは新領域へ
4 森から生まれる新素材
5 脱炭素と地域経済を両立する「J・クレジット」
6 ネイチャーポジティブは山村振興のキーワードとなるか?
COLUMN 高野山の森の保護と利用

 

 

 

おわりに