私たちは日々の忙しさや喧騒の中で、自分の「持ち時間」や「残り時間」を振り返る余裕がなくなっています。その中で、人々はまるで回し車の中のモルモットのように走り続けさせられています。
「残り時間」のことなど考える間もなく、働いたり生活したりを余儀なくさせられます。目先のことで精いっぱいという状態です。しかし、人生の残り時間は刻一刻と減っていきます。
若くて元気なうちは、この当たり前のことを意識することが難しい。時間があたかも無限に続くような幻想を持ちがちです。
ですが、年を取って体が思うように動かなくなったり、病気をしたりすると初めて、自分の時間が有限であること、すなわち現実に直面します。その時になって、残り時間の少なさに愕然としたり、時間の使い方を改めて考えるようになります。
長い人生の時間を俯瞰して見た時、「45歳くらいから時間の質が変わる」と著者は考えます。簡単にいうと、45歳までは「足し算の時間」がベースで、45歳以降は「引き算の時間」がベースになります。
45歳までは基本的にどんどんプラスしていく人生であり、「足し算の時間」ということになります。その後45歳からは、積み上げてきたものを使って結果を出していく時間になります。持っているものを増やすというより、有効に使っていくというイメージが強いので「引き算の時間」という表現になります。
引き算の時間は、「完成の時間」でもあります。残りの人生を展開する中で、最終的に自分の人生をどう締めくくるのか。どんな完成形を描き、それに向かってどのように残りの時間を使っていくか。その意味では、引き算の時間は足し算の時間以上に、クリエイティブかつ有意義な時間であるということができると思います。
時間というものはどんなに努力しても、どんなに取り乱して抵抗しても、その進みを止めることはできません。「時間」とは何か? そして、自分の持っている時間をどう意識し、どのように主体的に使うことができるか?
著者自身も大病を経験し、残された時間を強く意識した経験を踏まえ、人生後半の時間の使い方、キャリア終盤の役割と使命について紹介します。
▼ 読者アンケートより
・資本主義社会をベースとした我々の時間の使い方において「死」を意識する、という内容が目からウロコでした。45歳になる前にこの本に出会えてよかったです。佐藤優さんの他の著書もたくさん読んでみたいと思いました。(40代 教員女性)
・佐藤さんの本は出版のたびに拝読しており、今回も目から鱗が落ちました。
最初の方はアウグスティヌスなど、哲学者のことを説明いただきこれはこれで知識が増えて、実際の本を読んでみたいと思いましたが、最後の方で実践的なアドバイスをいただき暗記できるくらい読み込んで、自分の行動に落とし込みたいと思います。
この手の話では、お金を増やすため株に走るなどの方法に走りがちですがそこに至っていないのが佐藤さんの良さだと思います。(40代 管理職男性)












