AかBか? 迷ったときの頭の使い方がわかる1冊!
判断が速くて正確な人が「決める前」に考えていること
私たちは毎日たくさんの判断をしています。昼食は何を食べようとか、誘われた飲み会に顔を出すか出さないかといった日常生活のことから、取引先の提案を受け入れるかどうかといった仕事におけることまで、大小さまざまな判断を行っています。
その中で、「ああしておけばよかった」とか「失敗したな」という「判断ミス」の経験は誰でもあるでしょう。ちょっとした判断のミスはつきものですが、そのミスが大事な仕事の案件だったり、人間関係でも会社の上司との間での判断ミスの場合は、その後に大きな損失やリスクを抱えることにつながります。ときには取り返しのつかない事態に巻き込まれてしまうこともあります。
できる限り、判断ミスを減らしたい──。誰もがそう考えると思います。では、どうやって判断ミスを減らせばいいのか? 具体的な方法となると、これがなかなか難しいのではないでしょうか。
▼日本人は昔から判断をするのが苦手
そもそも、日本人は「自ら判断をする」というのが苦手な国民です。子どもの頃から自分の意見を主張するというより、どちらかといえば周囲の考えや空気を読みながら、そこから外れないようにすることを重視する教育をされることが多いように感じます。
日頃から判断することに慣れていない私たち日本人は、経験不足という点からも判断ミスが生まれやすい人種だと言えるでしょう。
ですが、普段の日常生活においても、あるいは仕事を進める上で、そして人生の重要なポイントで、自身の判断を迫られるときが必ずあります。
とくに、最近はマスメディアの情報だけでなく、ネットやSNSなど、さまざまな情報ツールが身近にあり、膨大な情報が刻々と届けられてきます。正しく判断するために、どんな情報をどのように取捨選択するか? 見極める力が一層求められています。
一見、情報が増えて判断材料が増えれば、それだけ判断ミスも少なくなりそうですが、現実は違います。むしろ情報や選択肢が増えることで、一昔前に比べると判断ミスが誘発されやすい環境になっているといえるでしょう。
▼判断することも判断ミスも、脳が行っている
判断することも判断ミスも、すべては人間の脳が行っている活動です。脳の構造と働き方を紐解いていけば、判断ミスがどのようにして起こるか、そのメカニズムを解き明かすことができるのではないか。それによって判断ミスをどう防ぐか、あるいはミスをしたときのリカバリー法がわかるのではないか。著者の脳研究者という独自の立場と、医師として数多くの臨床に当たる中で、致命的な判断ミスを避けるために最大限注力してきた体験を踏まえて、その詳しい内容と具体的な方法を提案します。
