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マネジメントの本
想像の上をいくアウトプットを引き出す 編集者のフィードバック

想像の上をいくアウトプットを引き出す 編集者のフィードバック

  • 著者:佐渡島庸平
  • 定価:2,090円(1,900円+税10%)
  • 発行日:2026年5月1日
  • ISBN:9784295411574
  • ページ数:312ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』を生んだ編集者・佐渡島庸平が明かす、人間の可能性を引き出すフィードバックの極意

想像の上をいくアウトプットは、「感想」から生まれる


「アドバイス」をやめたら、作品が変わった――編集者が辿り着いた”感想”の力

佐渡島庸平氏がキャリアの中で最も悩んだのはどうすれば自分の言葉が相手に届くのかという問いだったといいます。

新人時代、佐渡島氏は「鋭い指摘こそが優秀な編集者の証」だと信じ、的確なアドバイスを武器に仕事をしていました。ところが、経験を重ねるにつれ、あることに気づきます。アドバイスをすればするほど、作家は「答え」を求めるようになり、創作の主体性が編集者側に移ってしまう子育てでも同じ壁にぶつかりました。「危ないよ!」と声をかけるほど、子どもはその真逆の行動をとる。

そこで佐渡島氏が辿り着いたのが、アドバイスではなく、感想を伝えるというフィードバックの転換でした。「ここが面白かった」「ここで心が動いた」――そうした素朴な感想が、作家の内面に届き、自発的な気づきを生み、想像を超えるアウトプットにつながる。本書では、この「感想型フィードバック」の哲学と実践法を、豊富な実例とともに解き明かします。


感想には「型」がある――誰でも実践できる4つのフレームワーク

「感想を言いましょう」と言われても、何をどう伝えればいいかわからない。そんな悩みに応えるのが、本書で紹介される感想の「4つの型」です。

1. 「要約」する:作品の構造を自分の言葉で整理し、作家に伝え返す。作家の意図と読者の受け取り方のズレを発見する入り口になる。

2. 「印象」を伝える:最初の読者としての直感的な反応を言語化する。ヒットは「強烈な印象」から生まれるという視点で、演出のズレを見つける。

3. 「意図」を読み取る:作家がなぜこの作品を描いたのか、その根源的な動機や細部のこだわりを仮説として問いかける。

4. 「マーケット」に位置づける:作品を社会のどこに届けるかを考え、口コミが広がる「居場所」を一緒に探す。

この4つの型は、創作の現場だけでなく、ビジネスの1on1やプロジェクトのフィードバック、教育現場など、あらゆる場面で応用可能です。「要約→印象→意図→マーケット」という順番で対話を進めることで、事実の確認から未来の可能性へと、建設的に議論を深めることができます。


●編集の技術を超えて――「人は人に磨かれる」という信念

本書は、フィードバックという行為の奥に、人と人が深く交わることでしか得られない成長があるという佐渡島氏の信念が貫かれています。

AIが物語の構造を正確に分析し、「世間の中央値」を教えてくれる時代。それでも編集者が必要な理由を、佐渡島氏はこう語ります。AIは作家の意図を正確に『見抜く』ことはできても、その意図に触れて心が『震える』ことはできない

技術はマニュアルやAIから学べる。しかし、表現の根源にある「心の震え」や「深み」は、他者との生々しい関わりの中でしか磨かれない。感想を交わすことは、お互いの価値観を「差し出し」合い、人間としての器を広げていく行為そのものである——。

本書は、フィードバックの技術書であると同時に、「伝わるとは何か」「人を信じるとはどういうことか」という根源的な問いに向き合った、佐渡島庸平氏の集大成ともいえる一冊です。

 ▼こんな方におすすめ 

・部下やメンバーへのフィードバックに悩んでいるマネージャー・リーダー

・子どもや生徒への伝え方に課題を感じている親・教師

・クリエイターとの協働で、相手の力を最大限に引き出したい編集者・プロデューサー

・コーチング・1on1の質を高めたい人事・組織開発担当者

▼編集者からのコメント 

「著者さんにうまくフィードバックができない」と自分の悩みを佐渡島さんに相談したことがきっかけで誕生した一冊です。この本の制作を通じて、少しずつフィードバックがうまくなっていった実感があります。ぜひ、ひとりでも多くの人に私と同じ実感を味わっていただきたいです。」

著者紹介

佐渡島庸平

株式会社コルク代表取締役社長、編集者。 1979年生まれ。2002年に講談社に入社。モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『空白を満たしなさい』(平野啓一郎)などの編集を担当する。2012年にクリエイターのエージェント会社コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、著作権管理、作品編集、新人作家の発掘・育成、ファンコミュニティの形成・運営、グッズ展開、SNSや電子書籍運用など、クリエイター支援のモデル構築を目指している。著書に『WE ARE LONELY, BUT NOTALONE. -現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ-』(幻冬舎)、『観察力を高める 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』( SBクリエイティブ)などがある。

目次

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序章 アドバイスから感想へ

「アドバイス」は伝わらない
「評価するされる」の関係性
「コーチング」と「編集者の感想」の違い
目指すのは「落ち葉掃除」の時の関係性
「伝える」と「伝わる」の差

 

第1章 「感想」で伝えるフィードバック

フィードバックが可能性を引き出す
「外側」の視点が価値になる
「正しさ」は相手に届かない
心に刺さるのは「アドバイス」ではなく「感想」
感想が持つ力

「言われたことを守ろう」とさせない
鋭い分析よりも「最初の読者」として
無自覚な「強み」を映す鏡
感想に即効性はいらない
感想で「受け手の主体性」を育む

 

第2章 感想にも「型」がある

「なんとなく」から抜け出すための型
「型」によって思考や想いが言葉になる
感想の「4つの型」で打ち合わせが変わる

①「要約」する
②「印象」を伝える
③「意図」を読み取る
④「マーケット」に位置づける
「4つの型」は対話を深めるフレームになる

 

第3章 感想の軸となる「理想と基準」

「作品」と「理想と基準」のズレから、感想は生まれる
自分の「理想と基準」を持つ難しさ
「理想と基準」を見つけるステップ

経験を掘り起こして理想を探る
「身体の反応」で5段階の基準を作る
身体感覚1:外部に漏れる反応、時間感覚の消失、贈与の衝動
身体感覚2:細部の咀嚼、リピート、他者への推奨
身体感覚3:最後まで読了できる、あらすじを言える、記憶に残った一コマがある
身体感覚4:ページが何度か戻る、残りページを確認する、登場人物の名前を複数覚えている、誤字脱字に気づく
身体感覚5:主人公の名前を覚えている、速読してもジャンルがわかる
編集者の「目」は、1から5までの往復で鍛えられる
言語化を習慣にする
明確なゴールを設定する
組織のビジョンとミッションに接続する

 

第4章 感想を歪ませるもの

感想を歪ませる3つの力学
感想を歪ませる力学1:他者のまなざし

「賢く見られたい」という欲望を捨てる
「関係を壊したくない」という恐れを「情報」で超える
「炎上」を怖がる自分を客観視する
感想を歪ませる力学2:自分の状態
感想を歪ませる力学3:締め切り
感想の「歪み」を自覚し、受け入れる
感想の「レベル」を共有する

 

第5章 感想の磨き方

感想を磨く3つの視点
感想を磨く視点1:読みを深める

「雑読み」で直観を拾う
制作の裏側を想像する
感想を磨く視点2:視点をひらく
テーマの周辺に「補助線」を引く
マーケットと作家性の「季節」を知る
感想を磨く視点3:伝え方を工夫する
①最初の感想を早く伝える
②伝えるときこそ「聞く」
③AIの感想を組み合わせる
人は人に磨かれる

 

第6章 感想が伝わる「前提」を整える

現在地を知る
感想よりも先に「モノサシ」を揃える
立場の違いを超えて、感想を交わす
「合意」を超え、成長を加速させる「期待」を届ける
技術の力を借りて、「解釈」を客観視する

 

第7章 「雑談」から始める

雑の魅力
雑談から本題が立ち上がる
良い雑談と悪い雑談
心は自分から開く
言葉は身体感覚から探し、時間で耕す

 

第8章 「伝わる」とは何か

言葉で伝わらなくてもいい
言葉は常にズレている
遅れて届く言葉
感想は未来への「祈り」である

 

 

 

おわりに