「本を出している会社」という信頼。スタートアップの営業を変えた書籍出版の力

クライアントインタビュー
北海道札幌市出身。50事業、年商256億円のヤマチユナイテッド代表。
グループ目標「THE100VISION」を中心に1社数千万~数億円の新事業を次々に設立する「連邦・多角化経営」を実践。家業の問屋事業を引き継ぎ、経営危機になるも、その経営手法で札幌発のユニークビジネスを次々と起業し成功。注文住宅、住宅リフォーム、インテリアショップ、通所介護、英語教室、レストラン、セミナー教育事業、住宅フランチャイズ本部、介護フランチャイズ本部、イベント企画施工、建材商社、家具メーカー、不動産賃貸事業など50以上の事業を成功させている。グループ企業の(株)ジョンソンホームズは注文・建売住宅着工戸数札幌1位(2020年)。就職人気企業ランキング10位(日経新聞2021年)、2015年船井総研グレートカンパニー大賞受賞。社員も社長も「仕事と人生をとことん楽しむ」というやる気が出る経営手法、数多くの事業を簡単に統括する仕組み、若手幹部を次々と採用、育成される仕組みなど、全国の経営者から注目されている。「連邦・多角化経営実践塾」塾長。著書『会社を強くする多角化経営の実戦』『新規事業と多角化経営』(クロスメディア・パブリッシング)など他多数。

※本記事は、メディア「STORY AGE」に掲載された対談インタビューより、書籍出版に関するエピソードを抜粋して構成したものです。弊社代表の小早川幸一郎が聞き手となり、ヤマチユナイテッド代表・山地章夫氏にお話を伺いました。
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『連邦多角化経営で北海道から色んな世界を変えていく』
——さて、次は出版についての話を伺いたいのですが、THE 100 VISION(グループ目標)が誕生してすぐに本の出版を考えられたんですよね。
山地:そうですね。先ず本の内容でもある経営についての話をしたいと思います。経営トップとして複数の事業を担当しながら、グループ発展につながる、取るべき経営戦略の答えが出ない苦しい数年間がありました。そのときに研究した結果、3つの経営方針にたどり着きました。
1つ目は事業の多角化で複数の太い柱を建てて、景気の波のリスク回避と事業の拡大をねらうこと。
2つ目はそれらの事業、企業をホールディング会社のもとで1つの連邦として経営すること。
3つ目はトップダウンとボトムアップをミックスした、社員参加型の経営をすること。
これが後日まとめて「連邦多角化経営」となり、本のテーマにもなります。
それ以来、各事業は幹部中心に自律型組織による自主計画、自主管理、自主評価の仕組みで運営されるようになりました。
さらにグループ全体を1つの会社のように仕組みで統括管理することで、個別事業の管理や業績など課題対策に追われなくなった私は、新規事業開発や経営システムのブラッシュアップに注力できることとなりました。
このように経営を幹部や社員に丸投げできるようになったときに、この経営手法は世の中の経営者にも役立つのではないかと思い、情報発信したいと考えるようになり、出版に挑戦しました。
——それが1冊目の著書『丸投げチームのつくり方』ですよね。
山地さんが出版を検討していたとき、大手や老舗のビジネス書出版社からも声がかかっていましたが、その中で創業2年目のベンチャー出版社の当社を選んでいただいたときはとてもうれしかったです。
山地:経営者のことは経営者が一番わかっているじゃないですか。だから、編集者で経営者の小早川さんと一緒に本をつくるのがベストだと思いお願いをしました。
——電話でこの話をお聞きして、編集者で経営者である自分の価値を知ることができました。他人の価値を再表現するプロを自認していましたが、自分の価値は自分ではなかなかわからないものですね。はじめて本を書くというのはどうでしたか?
山地:自分の考えを文章にするというのは、これまでにない体験でした。文章を書くという知識もなかったので、他の経営書を見様見真似で書いて原稿を提出したら、ほとんど修正がなく校正原稿が戻ってきたので驚きました。そのとき、小早川さんから「これでいいんです。生の声には迫力があり、人の心に響くんです」と言われました。それまで、本を実際に出版できるか半信半疑でしたし、文章を書く技術が必要だと思っていたので、この言葉によって、自分の考えや発信する文章に対して大きな自信が持てたんです。
——私は編集を「他人の頭の中を言語化する」と定義しています。山地さんとは、リアリティのある経営の本をつくりたいと思っていました。編集をし過ぎず、山地さん独自の表現で、その人となりを読者に伝えたかったんです。
本をつくっているときに、山地さんが「原稿を書くこと自体に大きな価値がある」と言われていたことが、とても印象に残っています。どのような価値を感じましたか。
山地:本の出版は私にとって大きな転機となりました。本を書く過程はまさに人生の棚卸しでした。執筆中に「この出来事はいつだろう」「この決断は何年ごろだったか」といったことを振り返りながら、それらを本に盛り込んでいくことで、深く自分の考えを理解する機会にもなりました。
実際に文章を書いている中で、自分の失敗、教訓、成功については、自らの生きざまを反映させて表現することが重要だと感じました。実際に体験した人でなければ、その真意や感情は伝えられませんし、リアリティを表現するのも難しいでしょう。例えば、誰かが何かを言ったという伝聞の文章を読んでも、心に留まらないことが多いです。しかし、その人自身の言葉で語られた内容は、読む人の目を惹き心を動かします。
——本を出版することで何か経営に寄与することはありましたか?
山地:今回の取材にあたって、出版をしたことでの経済効果を算出したら、マーケティングやリクルーティング、ブランディングなどで10億円ほどの効果があったことがわかりました。特にブランディングに大きな効果があり、講演やイベント、会合に参加すると、「あの本の山地さんですか?」と声をかけられることがよくあります。当社のフランチャイズ加盟店の方々からも、「100VISIONの山地さんのフランチャイズですね」と言われたと聞くことが多くなりました。本の内容に共感し、フランチャイズに加盟してくれる人が増え、直接的な売上のアップにつながっています。
また、知名度が上がることで、講演依頼が増え、私が主催する『連邦・多角化経営実践塾』の受講者数も増加しました。
他には、本を書く過程で自分の考えを整理し文章にしたことで、考え方に一貫性が生まれ、講演やセミナーで自分の想いを正確に伝えることができるようになりました。これが採用活動にも良い影響を与えています。経営に関する本なので、キャリア採用なら理解できるのですが、直接的なターゲットではない学生にも効果的で、優秀な人材を採用できるようになりました。
——ヤマチユナイテッドは現在も積極的に多角化経営を進めて新しい事業を展開されていますね。その事業のアイディアはどのように生まれるのでしょうか?
山地:私だけではなく現場からもたくさん生まれています。新しい事業のアイディアは、既存の事業資源を活かし、各部署が持つミッションを統一することで具体化されていると感じます。
例えば、私たちのグループ会社の1つである(株)ジョンソンホームズでは、「いつまでも続く、自分らしい幸せな暮らしを提供する」というコンセプトのもと事業を展開しています。このコンセプトは、「人生」と「暮らし」というキーワードからインスピレーションを得ています。それに基づき、カフェやインテリア、リノベーション、オーダーソファの製造・販売など、私たちならではのユニークな事業を生み出しています。
さらに、イベント事業を手掛ける(株)アンカーから派生して、最近は警備会社を設立しました。この新会社は「みんなが憧れるような、世界で一番かっこいい警備会社をつくる」という社員のアイディアが始まりです。この提案をされたときに私は、「新しい試みだ! 挑戦してみよう!」と答えたんです。社員が挑戦したいという熱い想いも、提案する事業自体も「最高にかっこいい」じゃないですか。
——10年前に山地さんの多角化経営をテーマとした講演をお聴きしたとき、すでに、住宅、家具、カフェ、さらにはイベント事業に至るまで、幅広い事業展開をされていました。それは、一見すると一貫性がないように感じるかもしれませんが、「かっこよくて豊かな空間をつくる」というコンセプトですべてが繋がっていると聞いて、なるほどなぁと感動したんです。そのコンセプトは今も変わらず続いていますか?
山地:一貫しています。かっこいい事業をやり続けていきたい。そのために、時代に合わせたセンスのいい商売に少しずつシフトしていきたいです。
今、当社の事業は、かっこよさでは業界トップクラスだと思っています。社員の想いも一緒です。自社の製品やサービスに自信があるから、社員全員が北海道から全国制覇する勢いで事業に取り組んでいます。
例えば、5年前に始めた分譲住宅事業は、すでに北海道で第2位のシェアを獲得しています。かっこよくてセンスのいい暮らしを販売スタッフが自信を持ってお客様に勧めることが、お客様から高く評価されています。センスのいい商品とスタッフの対応が競合他社との差別化になっているんです。
——新しい事業をする上で、社長として大切にしていることはありますか?
山地:私の座右の銘は「人生を楽しく」です。仕事も人生もとことん楽しむという姿勢でいるので、まわりからは「本当に楽しいことしか考えていないね」と言われることが多いです。自分が欲しいもの、興味のあるものを展開していった方が楽しいじゃないですか。お祭り大好きだからイベント事業をやるし、健康に興味が出てきたからジムや介護事業をする。
みなさん仕事にたくさんの時間を割いています。仕事が楽しいと人生が楽しくなると思いませんか。だから、リーダーが一貫したビジョンを忘れずに熱く語ることで、「このビジョンに賛同すれば、自分の人生がより楽しく、意味のあるものになるかもしれない」と思ってもらえる。私はリーダーとして、新人にもベテランにも理念やビジョンを示し情熱を持って、共に素晴らしい世界を築いていこうと呼びかけています。魔法をかけるんです。
ヤマチユナイテッドには、私の想いに共感し伝えられるリーダーが大勢います。そんな社員たちと一緒に、これからも、もっともっと面白くて相当かっこいいことやりますよ。
※本記事は、メディア「STORY AGE」に掲載された対談インタビューより、書籍出版に関するエピソードを抜粋して構成したものです。
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『連邦多角化経営で北海道から色んな世界を変えていく』
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