この本で解説するのは、デジタルを駆使した新しいマーケティングの考え方
「エンゲージメントマーケティング」です。
これは、「潜在顧客⇒見込顧客⇒買う気満々の見込顧客⇒顧客⇒継続顧客⇒ロイヤル顧客・アンバサダー」
と長期間にわたって客との関係を続けるマーケティングのこと。
「withコロナ」の時代に重要な、対面営業に依存しない新しい「売る仕組み」、
それがこのエンゲージメントマーケティングなのです
▼「施策」や「ツール」ではなく、「戦略」から始める
特にデジタルマーケティングに携わっていると、「施策から始める」ことや「ツールから始める」ことが
多くないでしょうか。もちろん、こうしたことも間違いではありませんが、全体像が見えなくて、
「部分最適思考」に陥っているかもしれません。
そうした意味で、次はマーケティングを「戦略から始める」のはどうでしょうか。
本書で力点を置いて述べるのが「競争戦略」です。
なぜなら、デジタルマーケティングは、この競争戦略が不十分だと感じることが多いためです。
グーグルアナリティクスやマーケティングオートメーション/CRMなどの各種のツールでは、
競争相手の存在や動向は表示されません。結果として、マーケティングを「顧客と自社」の関係だけで
捉えるという過ちを犯しがちです。マーケティングで一番大事なことは、「顧客目線」で考えること。
しかし、多くの人は「顧客から見れば、自社はたくさんの選択肢の中のひとつに過ぎない」
という当たり前のことを忘れてしまうのです。
また、この本で一番多くのページを割いたのが「行程戦略」です。
これはエンゲージメントマーケティング固有のマーケティング戦略と言えるでしょう。
長期間にわたって客との関係を続けるマーケティングのため、それぞれの行程により課題も
施策も違ってきます。この点については、「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」
「クロージング」「CRM」の4つの行程で解説します。
「ブランド戦略」については、本書では語りませんが、それぞれの行程で、
・どんな心理(パーセプション)を獲得していくのが良いか
・それをどうやって決めるのか
については紹介してあります。
これは、客の「行動の変化」は客の「心理の変化」の結果なので、源泉となっている「心理の変化」に
踏み込まないと、施策立案が表層的にならざるを得ないためです。
▼新しい「売る仕組み」を作る
近年はネット、特にスマートフォンの浸透によって、人は欲しい情報をその場で
すぐ手に入れられるようになりました。実際に使った人のコメントも簡単に入手できます。
結果として、「営業マンと出会う前に選択プロセスの大半を終了している」という事態が起こっています。
そのため、「対面営業」のミッションは最後のクロージングに限定されます。
自社商品と出合い、客の頭の中で自社商品を「欲しい商品ナンバーワン候補」にまで育てていくのは、
「対面営業」ではない他の施策となります。それが、デジタルを使ったエンゲージメントマーケティングと、
「対面しない営業」=インサイドセールスです。
「施策から始める」のではなく、「ツールから始める」のでもない、
「戦略から始める」エンゲージメントマーケティング。あなたもぜひ一度やってみませんか?
「戦略から始める」ことにより、施策に中長期的な方向性が示され、
施策立案に深みとクリエイティビティーを増すことができるはずです。
デジタルを使った、新しいマーケティングの考え方と実践知を、
マーケティング初心者でも実行できる形に落とし込み、「シートに書き込んでいく」だけで
戦略が出来上がる一冊。ぜひあなたの事業にお役立てください。