価値創造に取り組む21世紀の全てのビジネスパーソンに必要な能力は、現在とは異なる、新しい価値観や社会像を「夢想」する力である。本書が指南するのは未来社会の姿の描き方、夢想の技術である。パンデミックにより我々が全く「新しい生活様式」を余儀なくされたように、これまでの常識や価値観自体が変わってしまうような議題に対しては、目の前の数字やデータの延伸で未来を予測することはできない。想像・妄想・夢想を駆使し、「新しい世界観」を打ち出し、不確実な世界を自分たちの意志で切り拓いていく能力を事例をもとに解説していく。
世界観のデザイン
- 著者:岩渕正樹
- 定価: 2,178円(1,980円+税10%)
- 発行日:2024年8月23日
- ISBN:9784295410065
- ページ数:288ページ
- サイズ:210×148(mm)
- 発行:クロスメディア・パブリッシング
- 発売:インプレス
目次
はじめに
序章 私が「世界観」に辿り着くまで
0-1 この先に「未来」はあるのか?
0-2 この「世界」に未来はあるのか?
0-3 ずっと「夢」を見ていたい
0-4 この事業に・組織に「ビジョン」はあるのか?
0-5 「創造」するために「想像」する
COLUMN1 アメリカのデザイン・フューチャリストとしての筆者の実践
第1章 なぜ「世界観」なのか
1-1 「今日の非常識」は明日の常識
1-2 世界が変わっていく「順序」
1-3 創造性の「ヨコ」と「タテ」
1-4 「フォア × バック」キャスティング
1-5 世界観の「粒度」
1-6 「誰かが与えてくれる未来」無き時代
1-7 「未来予想図」が世界を変える
1-8 目指す未来は「1つ」なのか?
1-9 「君のいる場所」から世界を変えろ
1-10 ビジネスパーソンにも「他人ごと」ではない
1-11 「世界観」を描ける人材を増やす
1-12 ビジネスで「未来を夢想する」難しさ
1-13 未来は「必要ない」問題
1-14 未来が「抽象的」問題
1-15 未来が「現実的」問題
1-16 「現実的」という名の敵
1-17 「世界観」で世界を変える
第2章 「世界観」とはなにか
2-1 「映画・アニメ・ゲーム」の世界観
2-2 「令和」の世界観
2-3 世界観の「具体事例」
2-4 「良い」世界観の条件
2-5 ファンタジーと「リアリティ」のあいだ
2-6 SFの「新しい潮流」から学ぶこと
2-7 世界観の「立ち位置」
2-8 デザインを「通した」リサーチ
第3章 世界観のデザインに至る「系譜」
3-1 SHIFT:イノベーションの作法
3-2 スペキュラティヴ・デザイン
3-3 デザインド・リアリティーズ
3-4 トランジションデザイン
3-5 世界観をデザインするための「3つ」の態度
COLUMN2 クリティカルなデザイン教育の必要性
第4章 想像力の「筋トレ」
4-1 リバース・イマジネーション
4-2 リバース・イマジネーションの実践
COLUMN3 その他の「筋トレ」ツール
第5章 「世界観のデザイン」の実践
5-1 世界観のデザインプロセスの全体像
5-2 現在1:自覚(MINDFULNESS)
5-3 現在2:着眼(SCOPING)
5-4 現在3:分析(ANALIZING)
5-5 過去1 :発掘(EXCAVATING)
COLUMN4 ソーシャル・ドリーミング・マトリクスによる想像力の筋トレ
5-6 未来1:夢想(DREAMING)
COLUMN5 「逆張り」による想像力の筋トレ
5-7 未来2:構築(BUILDING)
5-8 未来3:具象(MATERIALIZING)
5-9 未来4:使命(ENVISIONING)
5-10 未来5:移行(TRANSITIONING)
5-11 現在4:行動(DOING)
5-12 現在5:継続(ITERATING)
第6章 明日から実践するためにできること
6-1 実践でよく問われることに対するFAQ
COLUMN6 世界観のデザイン・コミュニティをつくりたい
終章 誰もがデザイナーで「ある」時代に
あとがき
付録 世界観のデザイン 実践ワークシート
1. マインドフルネス・マップ(現在)
2. クエスチョン・ステートメント
3. STEEPマップ
4. ソーシャル・ドリーミングマトリクス
5. ワールド・ビルディングキャンバス
6. 未来からのプロトタイプ
7. マインドフルネス・マップ(未来)
8. トランジション・フローマップ
9. インパクト・ブレークダウン・ストラクチャー
10. インパクト内省ボード
参考文献(Endnotes)