出版実績

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自己啓発の本
独自性のつくり方

独自性のつくり方

  • 著者:田村正資
  • 定価:1,870円(本体1,700円+税10%)
  • 発行日:2025年7月25日
  • ISBN:9784295411178
  • ページ数:208ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

差別化とは異なる、新しい価値のつくり方

最適解を出すだけならAIにはもう敵わない時代。私たちが「効率」や「正しさ」で勝負する意味は、どこにあるのだろう?
SNSを開けば、世界中の天才たちの「すごい」が息をするように流れ込んでくる。「それに比べて、自分には何もない……」
「好き」を語る自信も、何かを続ける気力も失っていく……。

本書が提案するのは、そんな“競争”から一度そっと降り、あなたの「自己満足」――つまり、個人的な「こだわり」や「気になる」から始める、新しい価値のつくり方です。

著者は、QuizKnockの運営会社で働きながら活躍する気鋭の哲学者。価値の源泉は無理にひねり出すものではなく、あなたの日常にこそ眠っているという事実を、哲学由来の思考ツール「図と地の思考」で解き明かします。あなたが無意識にとっている「習慣」や、心の奥で抱いている「問い」に光を当てることで、そこにしかない独自性の種を見つけ出すのです。

・なぜ、中途半端な「やりかけ」の仕事が、未来の創造性を育むのか?
・なぜ、「クイズの出題者」の視点が、共感を呼ぶ企画につながるのか?
・なぜ、あなたの「当たり前」の感覚こそが、他人にはない「独自性」の源泉になるのか?

本書を読み終える頃には、あなたは他人の評価軸に頼らずとも、自分の「こだわり」や「気になる」をユニークな企画や発信へと育てる具体的な方法がわかります。競争に疲れた心が軽くなり、自分らしい視点と表現で他者と深くつながる道が見えてくるでしょう。

著者紹介

田村正資

哲学者
1992年、東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は現象学(メルロ゠ポンティ)。開成高校クイズ研究部リーダーとして、伊沢拓司と第30回高校生クイズ優勝(2010年)。現在は株式会社batonで新規事業開発を手掛ける。これまでにYouTubeチャンネル「QuizKnockと学ぼう」やECサイト「QurioStore」の立ち上げに携わった。新規事業開発のかたわら、哲学研究と作家活動も継続。論文執筆のほか、『ユリイカ』『群像』に論考や批評を寄稿・連載するなど文芸誌でも活躍している。著書に『問いが世界をつくりだす メルロ゠ポンティ 曖昧な世界の存在論』(青土社)。

目次

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はじめに 「競争」のハードルが上がりきってしまった時代に

ちょうどいいライバルとの競争は、成長への近道である
競争から降りるだけでは、競争の価値観から逃れられない
SNSの普及で上がった競争のハードル
他者との比較に縛られず、自分自身の成長を評価する考え方
大学院生から会社員になったときに考えていたこと
みんなの土俵から降りて、自分に寄せた文脈をつくってしまうこと

 

 

第1章 競争をやめて「自己満足」を追究しよう

競争の問題点
・競争や比較からの離れがたさ
・競争は私たちが呪いをかけ合うように仕向ける
・競争で得られた価値は土俵が変われば失われてしまう
「自己満足」をシェアする生き方
・終わりなき競争から離脱する
・自分のユニークさを「面白がる」考え方・生き方
・ユニークであるとは、自分の世界と社会に片足ずつ突っ込んでいる状態のこと
独自性の種は誰にでもある
・独自性は、勝者だけに認められるものではない
・「自己満足」こそが独自性の種である

 

第2章 自己満足は「図と地の思考」で見えてくる

世界と自分の相互作用とは何か
・世界との絆は「環境」「技能・関心」「行動目標」の掛け合わせで捉えられる
・違和感を大事にすると独自性の種が浮かび上がる
世界の経験、その「図」と「地」
・図と地とは何か
・図と地は入れ替わる
・比喩によって図と地をつなぐ
・地と習慣、図と問い
独自性を見つけることは、あなたの「実存」と向き合うこと
・独自性の種は埋もれている
・自己満足の時間を取り戻す
・競争から降りながら価値を追究する

 

第3章 自分らしい習慣と問いを自覚する方法

習慣と問いを自覚するきっかけとしての「違和感」
・違和感とは何か
・違和感はどんなときに生じるのか
習慣を自覚する瞬間
問いを自覚する瞬間
・問いは再発見される
・一時的な問いと長持ちする問い
・違和感を言葉にすることの大切さ
習慣と問いを自覚するためのTIPS

 

第4章 自分らしい視点を育てる方法

世界の見方を組織化する2つの原則
・連続性の原則―系譜をたどり延長線を描く
・共通性の原則―思いがけない結びつきを見出す
自分らしい視点を育てるためのTIPS

 

第5章 自分らしさを熟成させる方法

創造するために放っておくことの重要性
・「地」の中には、あなたの知らないあなたが隠れている
・「地」から浮かび上がってくるのを待つ
・選ばれなかったものが、選ばれたものの価値を定めている
自分らしさを熟成させるためのTIPS

 

第6章 自分らしい視点をかたちにする方法

AI時代の「自己満足」の重要性
「ゼロイチ」から始めないということ
表現に社会的な価値がもたらされる瞬間
自分らしい視点をかたちにするためのTIPS

 

第7章 自己満足を「社会的な価値」に変えていくために

なぜ、ふたたび社会的な価値のことを考えるのか
・競争社会を自己満足的に乗りこなす
・社会的な価値とは何か
「解答者」ではなく「出題者」になろう──「クイズ」的な試み
・クイズとは何か
・クイズを仕事に応用する
自己満足の基準をコミュニティにシェアすること──「批評」的な試み
・批評とは何か
・批評を仕事に応用する
ひとりひとりの「独自性のつくり方」へ

 

 

おわりに 和館の思い出に捧ぐ