出版費用の3倍のリターン、売上は1.5倍に。顧客の増加と知名度アップでビジネスが広がる

お客様事例
——今回が初めてのご出版ですが、どのようなきっかけだったのでしょうか。
池上:私は、12年間かけて宮城県内で最大規模の税理士事務所をつくりました。そのノウハウを生かして、「会計事務所 売上1億突破本気塾」を運営しています。塾を始めて4年ほどで、他の税理士の方を年商1億円に導く手法に自信がついてきました。その頃、経営塾の運営の方から、本を出してみないか、と勧められたのが出版を考え始めたきっかけです。
出版して儲けようとか、何か大きなことを成し遂げようと思ったわけではありません。これまで培ったノウハウを、集大成として形にしたいと考えたんです。そこで、一生に一度のつもりで、挑戦してみようと決めました。
本書は、税理士事務所を経営するためのさまざまな方法論を伝えるものですが、同時に、私自身の考えを表明する場にもなりました。例えば、第5章には、「成功してどうするのか?」というテーマを盛り込みました。年収3000万円を達成したとしても、人生がそこで終わるわけではありません。成長し、発展していくことで人生は豊かになるはずです。そうした想いを本に込めました。
——出版社はどのように決めましたか?
池上:出版の検討を始めたとき、別々の方から2つの出版社を紹介してもらいました。
一つ目の会社は、一度連絡してから、2週間経っても一度も返信が来ませんでした。残念ですが、やる気が感じられなかった。せっかく出版するなら全力で取り組みたいと考えていたので、お断りして、もう片方の会社に決めました。それがクロスメディア・マーケティングです。
クロスメディアは、章立てなどの本づくりの過程をリードしつつ、丁寧に伴走してくれました。締め切りをしっかり設定してもらえたのも助かりましたね。スケジュールをあいまいに進めていたら、完成しなかったと思います。
——本を出すにあたり、プロモーションはどのように行いましたか?
池上:正直、自分の本が売れるとはあまり思っていませんでした。発売のとき、Facebookの友達500人くらいに「今度、本を出すことになりました」とメッセージを送りました。「すべてのノウハウを詰め込んで、一生に一度の気持ちで書きました。“一生のお願い”です。買ってください」と書いたら、予約が一気に300冊くらい入ったんです。おかげさまでAmazonの「税理士の資格・検定」などのカテゴリでランキング1位になりました。
知り合いの方の提案で、出版記念セミナーも開きました。東京、佐賀、名古屋、福岡の4カ所。合計で約130人の方が出席してくれました。
——出版後は、どのような反響がありましたか?
池上:目標は500部でしたが、紙の書籍と電子書籍で合計5000部を突破しました。日本で開業している税理士の数は3万人程度。そのうちの5000人ということは、単純に計算すると、開業している税理士の16%が読んでくれたことになります。
出版による反響は、私が運営している塾の収益に大きく現れました。出版後5ヶ月くらいで、新規で38人の方からお申し込みがあり、再受講の方も含めると、売上は出版前の1.5倍以上。過去最高の記録です。
——読者ターゲットにしっかり刺さったということですね。経営塾以外にも、出版の影響はありましたか?
池上:出版から時間が経った今でも、書籍をきっかけとした問い合わせは月に3件以上届きます。保険の提案サービスのお客様やメルマガの登録者が増加し、個別相談にも多くのお問合せをいただくようになりました。個別相談に来られる方は、もともと私の活動に強い関心を持ってくれているコアなファンなので、塾の契約率も高い傾向があります。
知名度が上がったことで、税理士サミットのような大規模なイベントに登壇者として呼ばれる回数も増えました。講演することで、さらに多くの方に私のサービスを知ってもらえるという、好循環が生まれています。
また、ビジネスの広がりも感じています。知名度を生かして会計ソフトの会社とスポンサー契約を結んだり、人材紹介会社などから広報の協力を依頼されたりすることもあります。顧客の増加や副次的な収益を含めて、出版にかかった費用の3倍くらいのリターンがあったと思います。
——ご自身の予想に反して大きな反響があったのは、なぜだと思われますか?
池上:市場には確かなニーズがあったのに、それに応える本が世の中にまだなかったからだと思います。コンサルタントの方が書いた本はあると思いますが、税理士本人が自分の成功ノウハウを書いた本は見たことがない。私はすべてをさらけ出すつもりで書いたので、驚いた方もいたかもしれません。そのくらい、思い切って手の内を明かしたのがよかったのだと思います。
読んだ方からは「勉強になった」という感想をたくさんいただきます。自分が若いころに同じような本があったらよかったのに、と思いますね。
日本税理士会連合会が実施している税理士実態調査によると、2023年時点で、総所得金額300万円以下の開業税理士は24.8%に上ります。
本のタイトルは、『税理士ならだれでも年収3000万』。私が示したかったのは、本書で伝えている方法論を使えば、売上3000万円は決して難しいことではないということです。税理士事務所を経営している方の中には、経営者として成長したいと考えている方が少なからずいらっしゃいます。そういう方たちにこの本が届いたのではないかと思います。
——ご自身のノウハウを伝える手段として、書籍は適切だったと思いますか?
池上:他のメディアと比べて、書籍という媒体は本書のターゲット層にマッチしていたと思います。税理士の方の多くは、本を読むことが習慣化しています。紙のテキストで必死に勉強し、資格試験に受かっているからです。
今はパソコンやタブレットなどで情報を得る場合もありますが、例えば、税制が改正されたというような情報があれば、資料を印刷して読みこむ人が多い。そうしないと頭に入らないからです。仮に、本書が電子書籍だけで出ていたら、ここまで売れていなかったかもしれませんね。
——読者へのメッセージとして、ご自身が税理士として大切にされていることを教えていただけますか?
池上:税金は、誰が計算しても同じ答えになります。税法に従って算出するので、変わってしまうほうがおかしい。だから、本書には税金の細かい内容は一つも書きませんでした。
私が大切にしているのは、税金計算以外の部分でお客様の役に立つことです。税理士はたくさんの経営者の方々と話す機会があるので、自然と経営のノウハウが蓄積されていきます。各業界に特有の構造や仕組みを理解し、成長している会社の特徴も見えてくる。補助金などの情報にも精通しています。
そうした有益な情報をお客様に伝えることも、税理士の役割ではないかと思うのです。お客様の役に立とうとするのは、サービス業として当たり前のことですよね。
決算書を一番早く見るのは、お客様本人ではなく、決算書を作る税理士です。決算書には企業の重要な情報が詰まっています。銀行も証券会社も保険会社も、決算書を早く見たいと思っている。それを誰よりも早く見られる立場にあるという意識を持って、お客様に役立つ情報を提供すれば、きっと喜ばれるはずです。
——今後の展望としてお考えのことはありますか?
池上:今回、本書を自身の集大成として執筆しましたが、事務所が成長する中で、新たなビジネスの展開も見えてきました。一生に一度のつもりでしたが、新しいビジネスが成功したら、また本を書くことがあるかもしれませんね。
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