出版実績

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ビジネスライフの本
世界観のデザイン

世界観のデザイン

  • 著者:岩渕正樹
  • 定価: 2,178円(1,980円+税10%)
  • 発行日:2024年8月23日
  • ISBN:9784295410065
  • ページ数:288ページ
  • サイズ:210×148(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

米国JPモルガン・チェース銀行初の「デザイン・フューチャリスト」が切り拓く、「デザイン主導の未来思考」の方法論

▼「未来社会」を思索する技術をこの一冊に

本書は、著者が日米のビジネスの現場を通して整理した、長期的な未来の「世界観」と、それに向かうための「現実のアクションをデザインする技法」をまとめたものです。

より速く、より高品質に、より安く……。
今「良し」とされる世界観の延長的な思考では、明るい未来を描くことが難しくなってきています。
そうであれば、これまでとまるっきり異なる生き方や働き方、人間観や世界観を再発明しなければなりません。
遠回りに見えますが、最初に長期的な未来を「想像」し、そこから振り返ることで、今、真に自分たちが社会のために「創造」すべきものが見えてくるのです。

本書はこれまでの教育やビジネスで重要視されてきた、「一つの解」を論理的に導く能力ではなく、「複数の可能性」を想像力を駆使して探索する能力にスポットライトを当てています。
そのため、夢見ることや情熱を忘れかけている若手、SF好きな学生や教職員、新しい領域にはみ出したいデザイナーなど、右脳と左脳両方を駆使する・したい方に幅広く届くことを願っています。

また、そうした方たちが、それぞれの所属する組織や立場で活用できるよう、

・現実を学際的・多面的に捉える洞察力
・敢えて常識を逸脱し、飛躍した未来を思い描く夢想力
・想像や妄想をかたちを通じて伝える実装力
・夢を夢で終わらせず、現実と繋げる着地力

などの要素を交えつつ、今世紀に生まれた種々のデザイン理論のほか、現場の組織や事業の中で活用するためのプロセスと実践ツールを紹介します。
なお、本書を読み進めるためにデザインの事前知識や経験は必要ありませんので、安心してください。

著者紹介

岩渕正樹

ニューヨークを拠点とするデザイン実践者・研究者・教育者。東京・浅草生まれ。東京大学工学部、同大学院学際情報学府修了後、IBM Designでの社会人経験を経て、2018年より在米。2020年パーソンズ美術大学修了。現在は米JPモルガン・チェース銀行初のデザイン・フューチャリストとして、戦略的な未来洞察や新規サービスのコンセプトデザインに従事。また、東北大学特任准教授として、世界観のデザインの研究・教育を通じて21世紀の学生の価値創造力の醸成に尽力。近年の受賞に米Core77デザインアワードなど。Design Futures Initiative 東京支部代表、Good Living 2050 国際ビジョンコンテスト審査員。

目次

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はじめに

 

序章 私が「世界観」に辿り着くまで

0-1 この先に「未来」はあるのか?
0-2 この「世界」に未来はあるのか?
0-3 ずっと「夢」を見ていたい
0-4 この事業に・組織に「ビジョン」はあるのか?
0-5 「創造」するために「想像」する
COLUMN1 アメリカのデザイン・フューチャリストとしての筆者の実践

 

第1章 なぜ「世界観」なのか

1-1 「今日の非常識」は明日の常識
1-2 世界が変わっていく「順序」
1-3 創造性の「ヨコ」と「タテ」
1-4 「フォア × バック」キャスティング
1-5 世界観の「粒度」
1-6 「誰かが与えてくれる未来」無き時代
1-7 「未来予想図」が世界を変える
1-8 目指す未来は「1つ」なのか?
1-9 「君のいる場所」から世界を変えろ
1-10 ビジネスパーソンにも「他人ごと」ではない
1-11 「世界観」を描ける人材を増やす
1-12 ビジネスで「未来を夢想する」難しさ
1-13 未来は「必要ない」問題
1-14 未来が「抽象的」問題
1-15 未来が「現実的」問題
1-16 「現実的」という名の敵
1-17 「世界観」で世界を変える

 

第2章 「世界観」とはなにか

2-1 「映画・アニメ・ゲーム」の世界観
2-2 「令和」の世界観
2-3 世界観の「具体事例」
2-4 「良い」世界観の条件
2-5 ファンタジーと「リアリティ」のあいだ
2-6 SFの「新しい潮流」から学ぶこと
2-7 世界観の「立ち位置」
2-8 デザインを「通した」リサーチ

 

第3章  世界観のデザインに至る「系譜」

3-1 SHIFT:イノベーションの作法
3-2 スペキュラティヴ・デザイン
3-3 デザインド・リアリティーズ
3-4 トランジションデザイン
3-5 世界観をデザインするための「3つ」の態度
COLUMN2 クリティカルなデザイン教育の必要性

 

第4章 想像力の「筋トレ」

4-1 リバース・イマジネーション
4-2 リバース・イマジネーションの実践
COLUMN3 その他の「筋トレ」ツール

 

第5章 「世界観のデザイン」の実践

5-1 世界観のデザインプロセスの全体像
5-2 現在1:自覚(MINDFULNESS)
5-3 現在2:着眼(SCOPING)
5-4 現在3:分析(ANALIZING)
5-5 過去1 :発掘(EXCAVATING)
COLUMN4 ソーシャル・ドリーミング・マトリクスによる想像力の筋トレ
5-6 未来1:夢想(DREAMING)
COLUMN5 「逆張り」による想像力の筋トレ
5-7 未来2:構築(BUILDING)
5-8 未来3:具象(MATERIALIZING)
5-9 未来4:使命(ENVISIONING)
5-10 未来5:移行(TRANSITIONING)
5-11 現在4:行動(DOING)
5-12 現在5:継続(ITERATING)

 

第6章 明日から実践するためにできること

6-1 実践でよく問われることに対するFAQ
COLUMN6 世界観のデザイン・コミュニティをつくりたい

 

終章 誰もがデザイナーで「ある」時代に

 

あとがき

付録 世界観のデザイン 実践ワークシート
1. マインドフルネス・マップ(現在)
2. クエスチョン・ステートメント
3. STEEPマップ
4. ソーシャル・ドリーミングマトリクス
5. ワールド・ビルディングキャンバス
6. 未来からのプロトタイプ
7. マインドフルネス・マップ(未来)
8. トランジション・フローマップ
9. インパクト・ブレークダウン・ストラクチャー
10. インパクト内省ボード

参考文献(Endnotes)