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出版実績

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社会・経済の本
寿司ビジネス

寿司ビジネス

  • 著者:ながさき一生
  • 定価:1,738円(本体1,580円+税10%)
  • 発行日:2026年2月20日
  • ISBN:9784295411819
  • ページ数:272ページ
  • サイズ:188×130(mm)
  • 発行:クロスメディア・パブリッシング
  • 発売:インプレス

回転寿司の裏側から "AI目利き" まで。世界を魅了する「SUSHI」の全貌を解き明かす。

国内外で拡大し続ける巨大マーケットを「魚ビジネス」のカリスマが徹底解説!


5億円マグロはなぜ5億円なのか?

2026年1月5日、豊洲市場の初セリで青森県大間産の本マグロが1本5億1030万円という驚異的な価格で競り落とされました。寿司ネタになる魚1匹の値段として、世界最高額と言ってよい金額です。大間産の本マグロは、津軽海峡という世界有数の好漁場で、一本釣り、または釣り糸を長い縄に何本も付けた延縄(はえなわ)によって漁獲されます。魚自体は荒波の中で鍛えられ、脂の乗りと身質の良さは別格です。大量に獲れる魚ではなく、希少性、品質、物語性、そのすべてが重なった魚です。

しかし、このマグロは高価格で提供されたわけではありません。すしざんまいの築地本店で、来店客に「赤身398円」「中トロ498円」「大トロ598円」という通常価格で振る舞われました。5億円マグロは、一部の人の贅沢品ではなく、多くの人に「夢」として共有されたのです。

寿司ロボットから細胞魚肉まで

「職人がいなければ美味しい寿司は作れない」――かつての常識は、高度な機械と計算し尽くされた科学の力によって書き換えられつつあります。

1981年にその原型が誕生した寿司ロボットは、今や毎時4800貫を生産できる性能に達するものも現れ、世界90カ国以上の厨房で稼働しています。回転寿司では、AI需要予測システムが「どのネタを、いつ、どれだけ流すか」を指示し、マグロの目利きすらAIが担うようになりました。

2025年5月には、世界初の培養サーモンがアメリカのレストランで提供されました。細胞培養によってつくられた「培養魚肉」は、寿司ネタとしての利用も意識されています。脂の多い部分だけ、赤身だけといった形で規格をそろえやすく、安定供給にも向いています。

●「おまかせ」に込められた日本文化――寿司が体験として成立する理由

海外の人々が寿司に強い印象を受ける理由は、味だけではありません。「静かな空間だった」「時間の流れ方が違った」「職人との距離が印象的だった」――こうした声は、寿司が単なる食事ではなく、総合的な「体験」として受け取られていることを示しています。

寿司店でよく耳にする「おまかせ」という言葉は、海外の人々にとって最も理解が難しい概念の一つかもしれません。直訳すれば「I leave it to you」ですが、その意味合いは単なるメニュー選択の放棄ではありません。「おまかせ」とは、寿司の価値を最大化するための、日本独特の文化的な仕組みなのです。

本書では、「おもてなし」や「おまかせ」といった日本文化が、寿司という食体験にどのように組み込まれているのかについても解き明かします。

▼こんな方におすすめ

・寿司や水産業界で働いている方、これから働きたい方

・飲食ビジネスに興味のある経営者・起業家

・日本の食文化を深く理解したいインバウンド関係者

・寿司が好きで、もっと寿司を楽しみたい方

・食のサステナビリティに関心のある方

著者紹介

ながさき一生

魚で社会を調える人/株式会社さかなプロダクション 代表取締役 フェロー/一般社団法人さかなの会 理事長/東京海洋大学 非常勤講師
1984年、新潟県糸魚川市にある「筒石」という漁村の漁師の家庭で生まれ、家業を手伝いながら育つ。2007年に東京海洋大学を卒業後、築地市場の卸売会社に就職し、水産物流通の現場に携わる。その後、東京海洋大学大学院で魚のブランドや知的財産の研究を行い、修士課程を修了。2006年からは、ゆるい魚好きの集まり「さかなの会」を主宰。2017年に「さかなプロダクション」を創業し独立。食としての魚をわかりやすく解説する中で、ふるさと納税のコンテンツ監修、ドラマ「ファーストペンギン!」の漁業監修、寿司の絵本や図鑑の監修を手がける。水産業を取り巻く状況を良くし、魚のコンテンツを通じて世の中を良くするため、広く、深く、ゆるく、そして仲間たちと仲良く活動している。著書に『魚ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
[さかなの会ホームページ]https://www.sakana-no-kai.com/
[X]https://x.com/nagasaki_ikki
[Instagram]https://www.instagram.com/nagasaki.ikki/

目次

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序章 世界の文化「寿司」のことをどのぐらい知っていますか

 

 

 

第1章 サーモンから学ぶ寿司ビジネスの世界

1 サーモン寿司はどうやって誕生したか
2 サーモンはどのように生産するのか
3 サーモンが寿司になるには何が必要なのか
4 なぜ高級店でサーモンは出てこないのか
5 サーモンはどのくらい生産されているか
6 そもそも寿司とは何なのか
COLUMN 「サーモン」という言葉は曖昧

 

第2章 5億円マグロから学ぶネタの世界

1 世界一高い寿司ネタ5億円マグロ
2 なぜマグロは寿司ネタで人気なのか
3 マグロの価値種類と獲られ方
4 味のパラメータ鮮度と熟成
5 知っておきたい主なネタ別の知識① 魚類編
6 知っておきたい主なネタ別の知識② 魚介編
COLUMN 地域別人気の寿司ネタ

 

第3章 豊洲市場「大和寿司」から学ぶ仕込みの世界

1 「市場の寿司屋」大和寿司の仕込みの哲学
2 仕込みの裏側実際どのようなことをするのか
3 煮る・蒸す・炙る 加熱の妙
4 仕込みで使う調味料
5 仕込みで使う道具の数々
6 仕込みはネタだけではない
COLUMN 町寿司に行こう!

 

第4章 赤酢「山吹」から学ぶシャリの世界

1 赤酢「山吹」がなければ今の寿司はない
2 シャリとは何なのか
3 寿司の中心はシャリか、ネタか
4 寿司に向く米、向かない米
5 お米からシャリになるまで
6 酢、塩、砂糖……美味しいシャリをどうつくる
COLUMN 世界の寿司米事情

 

第5章 「東京寿司アカデミー」から学ぶ握り手の世界

1 修行は不要?すし職人は2ヶ月で育つ?
2 寿司職人とは、接客業である
3 寿司職人に必要な知識と技術
4 握り方の種類
5 時代とともに変わる寿司職人
6 サッカーと似た道をたどる寿司
COLUMN 寿司職人はどのくらい稼げるのか

 

第6章 「おもてなし」から学ぶ文化の世界

1 サービスではないおもてなし
2 寿司とは食ではなく、体験である
3 コミュニケーションから生まれる価値
4 寿司の高い価値は寿司以外に宿る
5 「おまかせ」が生む独特な文化
6 寿司には日本文化がつまっている
COLUMN 高級寿司のビジネス事情

 

第7章 寿司ロボットから学ぶテクノロジーの世界

1 寿司ロボットはこうして生まれた
2 ネタの加工に使われるテクノロジー
3 冷凍技術が寿司を変える
4 回転寿司のテクノロジー① 機械編
5 回転寿司のテクノロジー② デジタル編
6 テクノロジーは寿司文化をどう変えるのか
COLUMN 回転寿司のビジネス事情

 

第8章 東南アジアから学ぶ歴史の世界

1 寿司のルーツは東南アジアの保存食
2 寿司の国日本での最初の〝すし〟
3 現代の寿司は、江戸前寿司である
4 現代の日本における寿司のスタイル
5 世界に寿司を広げるきっかけになったロールすし
6 世界におけるSUSHIの現在地
COLUMN 伝統的、ワールドワイド、多種多様な寿司

 

第9章 スシロー未来型万博店から学ぶこれからの寿司ビジネス

1 スシロー未来型万博店が見せた未来の食体験
2 陸上養殖と最近の養殖事情
3 代替魚肉と細胞培養が寿司を変える?
4 気候変動とグローバル化で変わる寿司
5 寿司は持続可能な食文化
6 寿司のための水産資源管理とは?
COLUMN 「魚ビジネスEXPO」を開催して

 

終章 寿司は人類を豊かにする

 

 

 

あとがき