本書は「内向型=静かな人」という世間に蔓延するイメージに真っ向から異を唱え、脳科学の知見をもとに「内向型とは刺激に敏感なだけの人」であると再定義する一冊です。「そのままでいいんだよ」と優しく肯定するだけの従来の内向型・HSP本とは一線を画し、内向型の人がどうすれば自分の内側を拡張し、社会で生きやすく、そして成果を出せるのかを、抽象から具体まで一本の線で繋げて解説します。
●「内向型=静かな性格」ではない
これまで社会では、コミュニケーション能力、瞬発力、自己アピール力など、いわゆる外向型的な資質が高く評価されがちでした。そのため、内向型の人は「もっと積極的にならなければ」「明るく振る舞わなければ」と、自分を矯正しようとして消耗してきました。
しかし本書が伝えるのは、内向型は「静かな性格だから静かにしている」のではないということです。
1960年代、心理学者のハンス・アイゼンク博士らは内向型をこう定義しました。「内向型は、脳の皮質覚醒レベルがもともと高く、外部からの刺激に対して過剰に反応しやすい脳を持つ」。
また近年の研究でも、内向型はドーパミン受容体遺伝子(DRD4)の長さが短く、わずかな刺激でも「満腹」を感じてしまうことが示されています。
つまり、外からの刺激が内向型の脳をすぐに満たしてしまうために、限りあるエネルギーを維持する目的で、刺激の少ない静かな環境を本能的に選んでいると言い換えられるのです。
●仕事と人生を覚醒させる実践的アプローチ
著者は、かつて人前で言葉が出ず「傷つき回避型」だった自身の経験と、150名以上へのコーチング実績をもとに、「中庸」という生き方を軸に、内向型の覚醒への道筋を示します。
そもそも「自分は静かである」という概念は、静かにしてきた行動の結果つくられたセルフイメージです。静かというイメージがなければそもそも、自分を根暗だと捉えたり、元気が足りないなどのネガティブな思考のフレームが生まれる余地はないはず。そう考えるとセルフイメージの書き換えをすることで、結果としてこれまで守ってきた静かな自分という安全領域(コンフォートゾーン)を飛び出し、ラーニングゾーンへと入っていくことが可能になります。
脳科学に基づいて、内向型が陥りやすい偏った解釈(認知の歪み)を提示し、「どう捉えれば行動しやすくなるのか?」そして「最終的に何をすれば、成果が出やすい状態になるのか?」を紹介します。抽象論に留まらず、自分の殻を破るための具体的な行動のヒントが詰まった一冊です。
▼本書にぴったりの方
・人付き合いや会議、雑談などで疲れやすい方
・自分は「積極性が足りない」と感じている方
・内向的な性格を仕事の強みに変えたい方
・無理に明るく振る舞うことに疲れてしまった方
・自分らしい働き方、生き方を見つけたい方
・静かなタイプでも成果を出したいビジネスパーソン
・深く考える力や集中力をもっと活かしたい方