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SNSブランディングとは?5大SNSの種類と特徴、運用方法を解説
数年前のメディアを利用したブランディングツールといえば、多大な予算をつぎ込んだCMや新聞広告、ポスターなどで認知を獲得していくのが一般的でした。しかし、SNSが私たちの暮らしに根付き、「若者のテレビ離れ」も進んでいます。
テレビ時代の購買プロセスはAIDMA(注目→興味→欲求→記憶→行動)と言われていましたが、ネット時代では、AISCES(注意→関心→検索→比較→検討→行動→共有)となり、「検索」と「検討」そして「共有」が重視されるようになりました。SNSは手軽な検索ツールとして使用され、拡散力が高いSNSは「共有」においても積極的に利用されています。
このように世の中の変化に合わせ、SNSツールを利用した企業ブランディングに取り組む企業が増えてきています。
また、このようにSNSを利用したブランディングは「SNSブランディング」とも呼ばれています。
本記事では企業のSNSブランディングのメリットや注意点、どのように投稿していくのかなどをご紹介致します。
企業がSNSブランディングを行うメリット
コスト削減
前述したように、認知拡大のための従来の方法は多大な費用や時間がかかりました。
しかし、基本的にSNSは無料でスタートできるツールがほとんどです。(広告機能を使用する場合は有料の場合が多い)費用に余裕がない中小企業でも、手軽に企業のブランドイメージを構築・浸透が可能になりました。
情報伝達のスピードが早く、直接的なアプローチが可能
SNSは代理店を通さず自ら運用できることや情報発信の早さがメリットのため、SNSを利用することで小回りの効いた企業ブランディングが可能です。その情報伝達スピードの早さから宣伝を始めとして反応や結果が分かるまでも迅速であり、PDCAも回しやすいのが特徴でしょう。
このように企業が主体となって発信したい情報をいち早く発信でき、無料且つPUSH型の施策が可能なツールは少ないでしょう。
認知拡大
今やSNS利用者は全年代で見てもおよそ7割、さらに20~29歳の間では9割近くの人が利用しています(総務省HPより)。圧倒的な利用者の数は年々増え続けています。そして、SNSはユーザー同士の繋がりによる拡散力が非常に強く、投稿がヒットすれば予想を遥かに超える範囲まで届ける事ができます。SNSはタッチポイントとなりやすく、効率的に潜在顧客の開拓ができます。
リピート率の向上(ファンの創出)
企業ブランディングにおいて、ロイヤルカスタマーと成り得るファンの創出は欠かせません。
SNSではフォローという機能がついており、自社アカウントをフォローしてくれるフォロワーは企業にとって自社を応援してくれるファンとも言えます。ファンとなってくれた顧客は商品や企業に愛着があるため、リピート率も高くなります。
継続的な情報発信や、ユーザーと積極的に関わり、アプローチしていくことで、親密度を深めて信頼性を向上させることができます。
接点獲得(フォロー)のハードルが低い
SNSは手軽さも利点の一つと言えます。そのため、名前やメールアドレスを書き込みをさせて登録させるメルマガなどの会員になるよりも手間がなく、ワンクリックで簡単にフォローできるため、企業アカウントのフォローハードルが低いといえます。また、前述したように情報伝達のスピードが早いため、ユーザーにとっても鮮度の高い情報が得られることから、企業の公式アカウントをフォローするユーザーも多いです。
UGCの創出
UGCとは、「User Generated Content」の略で「一般ユーザーによって作れられたコンテンツ」のことを指します。
具体的には、食べログの口コミやAmazonのレビュー、個人のSNSの投稿、写真、ブログなど、企業が主体ではない消費者発信のコンテンツのことです。消費者自身による投稿は他ユーザーから見た際に信頼性が高くなります。
SNSは特にこのUGCが創出しやすい媒体とされています。また、このようなUGCをリポスト(再掲)などで自社アカウントから紹介する取り組みを行うことで、コンテンツの制作負担を大幅に削減することも可能です。
現代で主流であるSNSの種類と特徴
Twitterは特徴として、リアルタイム性に優れていることや、リツイート機能(人の投稿を引用した投稿)により情報拡散が一番早いことが上げられます。利用者層は20代~40代が多く、140文字という短文での呟きと言われるツイートを発信し、コミュニケーションツールとして活用されています。
活用方法としては、堅すぎない気軽なツイートや積極的にユーザーに対し「いいね」や「引用リツイート」などでのリアクションを取ることでユーザーとコミュニケーションをとることが有効です。積極的なアクションは顧客との関係構築や、自社商品の認知拡大、信頼性の向上を狙えます。
また、ブランディング以外にも市場のトレンドを調査したり、エゴサーチなどを行い、ユーザーの意見を収集するのに非常に便利です。
※エゴサーチ:自分の名前やハンドルネームなどを検索エンジンで調べて、インターネット上においての自分の評価を調べること。
Facebookは世界で最も利用人数が多いSNSとして知られています。利用者層は30代~40代が中心で、ビジネスの場で使われることも増加しています。特徴として、実名登録をするユーザーが多く信頼性が高いことや、情報発信における制限が少なく、文章や画像、動画など自由なコンテンツ発信が可能です。
Facebookは実際に面識があるユーザー同士が繋がっていることが多いため、既に関わりを持っているユーザーへ情報発信をすることで、より親密な関係を構築することができます。
Instagramは写真投稿がテーマのSNSであり、雑誌のようなビジュアルやデザインが非常に重視されます。利用者層は10~20代の若者が多く、とくに女性を中心に人気があります。投稿後24時間で自動的に消えるストーリー機能や、ハッシュタグ検索が特徴的な機能として上げられます。
商品の魅力的な写真(インスタ映えする画像や動画)を投稿することで、ウェブサイトやパンフレットだけでは伝えきれないイメージを視覚的に伝えることが可能であり、販売促進を行うことができます。自社で写真投稿をするだけでなく、インスタグラマーなどのインフルエンサーとのコラボや紹介も企業のブランディングに利用できます。
さらに、ユーザーが投稿した来店時の写真や商品レビューなどのUGCをリポスト(人の投稿を引用した投稿)やコメント、いいねをすることでユーザーとコミュニケーションが図れます。また、ストーリー機能では、簡単にアンケートを取ることができるため、ユーザーニーズが分かりマーケティングに繋げることも可能です。
LINE
基本的には友人や家族間でのメッセージツールとして使用されており、若者だけでなく全世代が利用しているSNSといえます。企業がブランディングやマーケティングに利用する場合は、企業向けの利用メニューとしてLINE公式アカウント(旧名称:LINE@)を活用します。LINEをブランディングに使うメリットは、自由度の高い情報発信が可能であり、クーポンの表示や、個別チャットによる問い合わせ対応ができる点が挙げられます。なお、企業向け機能の本格的な利用には料金がかかります。
YouTube
YouTubeは動画コンテンツの発信がメインのサービスとなっています。動画は視覚、聴覚など多角的に情報が発信できることや、他SNSと比べても比較的制限が少なく、文字や画像よりも濃くわかりやすい情報をユーザーに伝えられます。
さらに他のSNSと簡単に連携できることから、複合的に利用すれば、より高い拡散効果が狙えるのです。近年、動画マーケティングも注目されているため、動画発信に取り組む企業は今後も増加していくでしょう。
他にも、今話題のTikTokやビジネスSNSとして浸透しつつあるLinkedIn、自由度の高い発信ができるNoteなど、様々なSNSがあります。
SNSを企業で運用する際のポイント
SNSツールを利用し企業ブランディングを成功させるためにはどのような投稿をしていけば良いのでしょうか。
コンセプトの設定
ご紹介した通り、それぞれのSNSはそれぞれに機能や相性に違いがあります。特徴や利用者の傾向、自社製品やブランドとのマッチングなどを総合的に考え、戦略から練っていくことが重要です。
SNSを利用してるのに効果がない、感じられないという企業は、このコンセプト設計を飛ばし、投稿に踏み切っているケースが多々あります。SNSブランディングは自社で行っているブランディングと同様に発信する内容のコンセプトを設定が非常に重要なのです。
ターゲティング
自社でブランディングするターゲットに合わせて、SNSもターゲティングをすることで、伝えたい層への的確な情報発信が可能です。
さらに、発信内容もターゲットを意識した運用をすることで、よりユーザーの心に刺さるコンテンツを届ける事が可能になり、企業のブランディングに繋がります。
投稿の一貫性
SNSの投稿に一貫性を持たせたり、写真や文章の口調の雰囲気を統一することで、顧客に抱いてほしいブランドイメージを固定できます。
担当者が複数いる場合は企業のブランドイメージを損なわないために、特に意識する必要があります。例えば、運用ルールを決めたり、自社のキャラクターになりきったりするのがおすすめです。とくにキャラクターになりきることで、法人顧客相手にも硬すぎないコミュニケーションを取る事ができるため、知名度の低いBtoBの企業やメーカーでも、ブランドを身近な存在に感じさせる事ができやすくなります。
フォロワーキャンペーン
フォロワーの獲得や認知度拡大のためにキャンペーンを行うこともSNSブランディングにおいては有効です。
Twitterではリツイートとフォローをしてくれたユーザーの中から抽選でプレゼントをしたり、Instagramでは写真投稿とフォローでプレゼントやタグを利用したコンテストの開催をしたりするなど、SNSの特性に合わせてキャンペーンを行うことで、企業のブランド価値が広まったり、さらに多くの新規ユーザーを獲得するチャンスになります。
コミュニケーション
企業にとっては情報発信するための宣伝ツールとしての利用目的が大部分を占めています。個人のユーザーも情報収集ツールとしても活用しているため一見、需要と供給が満たされている様ですが、個人ユーザーにとってSNSはコミュニケーションツールであることを忘れてはいけません。
そのため、「いいね」やコメントを残すなどリアクションを積極的に行う事が大切です。
接触する回数が増えるほど、その物・人物に対する好感度・親近感が高まりやすくなる心理効果(ザイオンス効果)などから、更なる関係構築が見込めます。ここで注意すべきなのは、誰にでもアタックするのではなく、しっかりターゲットやペルソナを明確にすることが重要です。
SNSブランディングの注意点
デメリット
SNSのメリットを沢山ご紹介しましたが、デメリットも存在しています。それは炎上の可能性があることです。SNSを利用するうえで一番に気を付けなければいけません。発信者側のふとした発言が火種となり炎上してしまうと、実際に原因があろうと無かろうと、ユーザーにとっては悪印象と成り得ます。そのため、SNS担当者は運用ルールを共有するなどリスクヘッジが重要です。
時間帯
SNSの更新時間は意識的に決めることで、より多くの人にみてもらうチャンスが生まれます。例えばTwitterでは、
- 通勤時間帯の朝7〜8時ごろ
- 昼食時の12時ごろのピークタイム
- 夜18〜21時までの余暇の時間
などのゴールデンタイムがあります。このようなユーザーがSNSをよく使う時間帯に併せて投稿を行うと、多くのユーザーへ効率的に情報発信ができるのです。
SNSブランディング成功事例
ハーゲンダッツ ジャパン
プチ贅沢なアイスで良く知られるハーゲンダッツでは、TwitterとInstagramをブランディングの方向性に合わせて使い分けることでSNSブランディングを行っています。
Twitterではキャンペーンやクイズでフォロワー参加型の賑やかな投稿をメインに行い、Instagramはインスタ映え重視の綺麗な写真の投稿が中心となっています。
また、最近ではハーゲンダッツ『バニラ』に合う全国の名産品(おとも)を募集し、「#ダッツのおとも」というハッシュタグをつけて投稿してもらうことで、UGCの創出を促す取り組みも積極的に取り組んでいます。
それぞれのSNSの特徴や機能、年齢層を上手に理解・活用し、ファン層を絞ったブランディングを可能にしているのです。
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— ハーゲンダッツ (@Haagen_Dazs_JP) December 6, 2021
シャトレーゼ
山梨県甲府市に本社を置く菓子メーカーであるシャトレーゼは若者の認知拡大、ファン創出と来店促進のためにTwitter公式アカウントを開設し運用しています。
広告的な内容のツイートよりも、商品力を素直に伝えるユーザー目線の画像や動画、参加型のコンテンツ企画からUGCを創出を促すことでエンゲージメントを高めています。
例えば、シャトレーゼのアイスを活用したカクテルの作り方を動画コンテンツとして発信します。それを真似て作ってくれたユーザー投稿(UGC)を公式アカウントでリツイート、すると、それを見た新たなユーザーが更なるUGCを創出してくれるのです。このような繰り返しで実際にシャトレーゼはファンが増加し、売上へと結びついています。
シャープ株式会社
Twitterのフォロワー83万人を超えるシャープの企業アカウントは、いい意味で企業感が無いゆるい遊びのあるツイートと、フォロワーとの積極的なコミュニケーションで、圧倒的なエンゲージメントを誇っています。
Twitterを更新している中の人は「シャープさん」という愛称で親しまれており、シャープ商品の宣伝ツイートだけではなく、「今日のごはんを教えて」など、親しみやすい投稿やユーモア溢れる投稿が多く、また、ユーザーが発信したシャープ製品についてのツイートには必ずリプライやリツイートを行い、活発なユーザーとのやり取りを見ることができます。
一般的な企業アカウントが行っている宣伝のみの機械的なツイートではなく、身近な友人や知人のような、中の人の体温を感じることができるツイートは人気を呼び、話題となっています。
2011年 やれと言われツイッター
2012年 部署変わってもツイッター
2013年 怒られてもツイッター
2014年 怒られてもツイッター
2015年 怒られてもツイッター
2016年 怒られてもツイッター
2017年 部署関係なくツイッター
2018年 働けど
2019年 働けど
2020年 猶わが生活楽にならざり
2021年 じっと手を— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) December 10, 2021
まとめ
昨今では様々な種類のSNSが世界中のユーザーに利用され、情報発信媒体として欠かせないものになりました。本記事では世の中の変化に合わせた、SNSツールを利用したブランディングについてご紹介しました。SNSブランディングで重要なのは、それぞれのSNSの特徴を理解し、自社に合ったツールで、戦略立てて運用していくことです。ご紹介した通り、メリットは大きいですが、デメリットや注意点もあるため、最初は成功事例を参考にしながら運用していくことが成功の近道といえるでしょう。