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“比較される会社”から、“指名される会社”へ|ベンチャー・スタートアップ企業に企業出版が必要な理由

スタートアップは、成長するほど難しくなります。
最初は、熱量だけで伝わっていた。社長が話せば、サービスの価値も、会社の想いも、なぜそれをやっているのかも、ちゃんと伝わっていた。でも、組織が大きくなるにつれて、少しずつ問題が起き始めます。
営業資料を整えても、Webサイトを改善しても、広告を出しても、なぜか「違い」が伝わらない。サービス説明はできる。でも、“らしさ”や“思想”までは届かない。結果として、本当は全然違う会社なのに、比較一覧表の中の1社として見られてしまう。
価格。機能。実績。知名度。もちろん、それらも大事です。でも本当は、そこだけで選ばれたいわけではないはずです。
伝えたいのは、
・なぜこの事業をやっているのか。
・どんな未来を実現したいのか。
・何を変えたいと思っているのか。
ではないでしょうか。
実際、急成長しているスタートアップほど、「どう理解されるか」を強く意識しています。
比較一覧表の中の1社ではなく、“理解された上で選ばれる会社”になるために。
この記事では、ベンチャー・スタートアップの成長に欠かせない「理解のされ方」の設計方法についてお話しします。
第1章:なぜ、良い会社なのに“比較一覧表の中の1社”になってしまうのか
スタートアップ企業の経営者と話していると、よく出てくる言葉があります。
「サービスには自信があるんです」
「実際、既存顧客の評価も高いんです」
「でも、なかなか違いが伝わらない」
これは珍しい悩みではありません。特に、シリーズA〜B前後のベンチャー・スタートアップで非常によく聞かれる悩みです。
最初は、社長自身が営業をしていたから伝わっていました。
なぜこの事業をやるのか。何を変えたいのか。どこに本質的な価値があるのか。
熱量も、思想も、背景も、社長が直接話すことで伝わっていました。でも、組織が大きくなり始めると少しずつ変化が起きます。
営業担当が増える。採用も増える。広告も始める。Webサイトも整える。
すると逆に、「説明はできるけど、違いが伝わらない」状態になっていく。実際、現場のヒアリングでも、こんな声がありました。
「普段は紹介が多く、代表1人で営業活動をしていたため、紹介以外のチャネルを作りたかった」
「社長依存の営業から脱却し、組織として再現性ある発信・顧客獲得の仕組みが必要だった」
これは、多くのベンチャー・スタートアップ企業が次のフェーズで直面する壁です。
良い会社なのに、“同じ箱”で比較される
今は比較されやすい時代です。検索すれば似たサービスが並びます。
AIが要約する。SNSでは、短い言葉しか届かない。
すると、本当は全然違う会社なのに、比較一覧表の中の1社として見られてしまいます。そうなってしまうと選ばれる可能性は低くなります。比較一覧表に並んだ瞬間、“その会社らしさ”は消えてしまうのです。

第2章:スタートアップほど、「価値を一言で説明しにくい」
ベンチャー・スタートアップ企業ほど、実は、“一言で説明しにくい価値”を扱っています。
例えば、新しい市場。新しい概念。新しい業務のあり方。新しい価値観。
つまり、まだ世の中に「理解するための言葉」が存在していないものを扱っている。だから、単純な機能比較だけでは、本当の価値が伝わりにくいことが多いのです。実際、スタートアップ経営者と話していると、こんな言葉をよく聞きます。
「説明すると長くなるんです」
「実際に会うと分かってもらえるんですが」
「既存カテゴリに当てはめると、良さが浮かび上がらず埋もれてしまう」
これは、単なる説明不足ではありません。むしろ逆です。“新しい価値”を作ろうとしているからこそ、既存の言葉だけでは説明しきれない。
つまり、スタートアップほど、「理解されるまでに時間がかかる」宿命を持っているのです。

でも今の情報環境は、「一瞬で分かる」を求める
ここで問題になるのが、今の情報環境です。SNSやショート動画、AI要約、比較サイト。
今は、短く、早く、瞬時に理解できる情報ほど強い。逆に言えば、“背景説明が必要な価値”ほど不利です。
本当は、
・なぜそれをやるのか。
・なぜ従来の方法ではダメなのか。
・どんな未来を作ろうとしているのか。
これらを理解して初めて、価値が見えてくる。
でも、そこまで読まれない。だから結局「で、何ができる会社なんですか?」という短い比較軸に戻されてしまう。そして、比較一覧表に載せやすい部分だけで判断される。
機能。価格。実績。知名度。
本当は、そこだけが価値ではないのに。
「会えば分かる」が、限界を迎える
特に、成長フェーズに入ったベンチャー・スタートアップ企業ほどこの問題が大きくなります。
最初は社長自身が全部説明できた。だから「会えば分かる」で成立していた。でも、組織が大きくなると、それだけでは限界が来ます。
営業人数が増える。採用候補者が増える。接触チャネルも増える。
すると、社長が直接説明しなくても“会社そのもの”から思想や価値観が伝わる状態が必要になる。
実際、現場ヒアリングでもこんな声がありました。
「社長依存の営業から脱却したかった」
「採用でも、自社の考え方に共感してくれる人を増やしたかった」
「サービスだけでなく、会社の思想まで理解してほしかった」
これは単なるマーケティング課題ではありません。“会社の理解設計”の課題です。
だから、「深く理解されるメディア」が必要になる
ここで重要になるのが“深く理解されるためのメディア”です。
SNSは接触には強い。広告は認知には強い。
でも、「なぜこの会社なのか」まで理解してもらうには、情報量が足りない。特に複雑な価値を扱うベンチャー・スタートアップ企業ほど、短い情報だけではどうしても“らしさ”が削ぎ落ちてしまう。だから今、急成長している企業ほど「深く理解されるコンテンツ」を重視し始めています。
その代表的な手段の一つが書籍です。書籍は、単なる情報伝達ではありません。
思想。背景。問題意識。独自視点。未来像を、順番に、深く、誤解なく伝えられる。
つまり、比較一覧表の中では消えてしまう価値を伝えることができるメディアなのです。
第3章:急成長企業ほど、「理解され方」を設計している
ここまでの話をまとめると、重要なのは「どうやって認知を増やすか」よりも、“誰に、どう理解されるか”です。特に、ベンチャー・スタートアップ企業では、ここが極めて重要になります。
なぜならスタートアップは、最初から市場全体を取りに行ける存在ではないからです。
市場の大多数を、最初から狙わない
市場には、大多数の顧客がいます。しかし多くの場合、彼らは、
・前例を重視する
・業界横並びを好む
・大手実績を重視する
・「みんな使っている」を安心材料にする
といった傾向があります。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
でも、新しい考え方や新しい価値を提唱するスタートアップにとっては、最初からそこを主戦場にするのは簡単ではない。どうしても、認知量・実績・安心感では、大企業が強いからです。
だから、急成長しているスタートアップほど最初に考えます。「市場全体」ではなく、“誰ならこの価値を本気で理解してくれるか”を。
スタートアップが狙うべきは、「強い問題意識」を持った少数派
実際、新しいサービスや考え方は、最初から万人に理解されるわけではありません。
むしろ最初は、「それ、今までと何が違うの?」「今一つピンとこない」と思われることの方が多い。だから重要なのは、少数ではあっても“すでに問題意識を持ち始めている人”を見つけることです。
例えば──
「従来型の労務管理に限界を感じている」人事責任者。
「小さい会社でも、もっと自由に経営できるべきだ」と思っている経営者。
「今の業界構造、そろそろ限界では?」と感じているDX推進担当者。
「今までの常識とは違うやり方を探している」成長企業の経営者。
「今の延長線では、次のフェーズへ行けない」と感じ始めている経営者。
こうした人たちは、市場全体から見ればまだ少数派かもしれません。でも、スタートアップにとって重要なのは、最初から全員に理解されることではない。“強い問題意識を持った人”に深く刺さることです。
そして、その理解者・共感者の輪を少しずつ広げていく。新しい考え方や、新しい価値観を、市場に提唱・啓蒙しながら。それによって最初は少数派だった価値観が、やがて次の多数派になっていく。
これが多くのスタートアップが辿る成長プロセスです。

次に考えるべきは、「どんな会社※として認識されたいか」
そして、「誰に」を決めた後に考えるのが“どんな会社として認識されたいか”です。マーケティングでは、こうした認識のされ方を「パーセプション」と呼ぶことがあります。
※対象は会社でなく自社が提供するサービスでも構いません。
重要なのは、企業が言いたい言葉ではありません。相手である顧客の頭の中で、最終的にどう理解されるかです。
つまり、顧客が他人にその会社を説明するときの言葉。
「あの会社(サービス)って、要するに〇〇だよね」という“頭の中の一言”。
それがパーセプションです。
例えば──
「従来型の労務管理に限界を感じている」人事責任者に対して
「〇〇って、単なる労務効率化じゃなくて“組織そのもの”を変えようとしてる会社だよね」という認識を取る。
「小さい会社でも、もっと自由に経営できるべきだ」と思っている中小企業経営者に対して
「〇〇って“スモールビジネス側”の会社って感じするよね」という認識を取る。
「今の業界構造、そろそろ限界では?」と感じているDX推進担当者に対して
「〇〇って、単なるツール会社じゃなくて“業界そのもの”を変えようとしてるよね」という認識を取る。
「今までの常識とは違うやり方を探している」成長企業の経営者に対して
「〇〇って、なんか他社と見てる景色が違っているようでどうしてもワクワクしてしまう」という認識を取る。
「今の延長線では、次のフェーズへ行けない」と感じ始めている経営者に対して
「〇〇と組むと、その熱量の強さから会社が次のステージへ行けそう」という認識を取る。
急成長企業ほど、偶然ではなく「誰に、どんな会社として認識されたいか」を最初に設計しています。だから重要なのは、「何を売るか」「何を語るか」だけではありません。
“誰の頭の中に、どんな意味で存在するか”をしっかり見定めることです。

第4章:ではその理解を生み出す施策・メディアは何か
「誰に、どんな会社として認識されたいか」が決まったら、次は「そのためには、具体的に『何を』伝えれば良いか、『何によって』伝えれば良いか」を考えます。
例えば──
「従来型の労務管理に限界を感じている」人事責任者に対して、
「〇〇って、単なる労務効率化じゃなくて“組織そのもの”を変えようとしてる会社だよね」という認識を取る。
あるいは、「小さい会社でも、もっと自由に経営できるべきだ」と思っている経営者に対して、
「〇〇って、“スモールビジネス側”の会社って感じするよね」という認識を取る。
その認識を得るためには、具体的には何を語れば良いですか?
「そのためには、具体的な何かを一言で簡潔に語れば良い」。これはコミュニケーションの基本でしょう・・・・・・
それは本当でしょうか?
「一言で伝える」では、伝わらない
もちろん、分かりやすい言葉は重要です。でも、スタートアップが提唱する価値は多くの場合、一言では理解されない。
なぜなら、彼らが扱っているのは単なる機能改善ではなく、
・新しい考え方
・新しい業界構造
・新しい価値観
だからです。
例えば「組織そのものを変えようとしている会社」と思ってもらうには、単に機能説明をするだけでは足りません。
・なぜ従来型の労務管理では限界なのか。
・なぜ今、組織そのものを見直す必要があるのか。
・なぜその発想に辿り着いたのか。
・どんな未来を作ろうとしているのか。
まで、理解してもらう必要がある。
つまり、「背景・問題意識・独自視点・思想・未来像」まで伝わって初めて「この会社って、単なる効率化ではなく組織そのものを変えようとしてるんだ」という認識になります。
これは、
「今までなかったこんな機能が付きました」
「コスト20%削減しても同じパフォーマンスを発揮」
といった単純なUser Benefit訴求とは全く違います。
では、そんな複雑な価値をどうやって伝えるのか
ここで問題になるのが、施策・メディアの限界です。
例えば──SNS。広告。短尺動画。これらは接触には強い。
でも、複雑な価値を順番に理解してもらうには、情報量が足りません。どうしても「分かりやすい一言」だけが残ります。結果として、価格や機能、実績、知名度など、比較一覧表に載せやすい要素に回収されてしまう。
では、Webサイトやパンフレットならどうか。もちろん、SNSよりは多くを伝えられます。
でも実際には、
・必要な箇所だけ読まれる
・流し読みされる
・比較検討の一材料として見られる。
といったことが多い。
つまり、“深く順番に理解する”というより、必要情報を拾う読み方になりやすいのです。「創業者が直接語る」は、強い。でも限界もある。では、創業者がセミナーや講演で熱く語れば良いのか。
確かに、それは強いです。熱量や思想、温度感、空気感は非常に伝わる。実際、スタートアップで「会うと一気にファンになる」会社は多いです。
でも、そこにも限界があります。まず、その場に来た人にしか伝わらない。さらに、熱量は伝わってもあとで冷静に整理して理解するには、情報が流れていってしまう。
つまり、“感情”は伝わる。でも、“構造”までは残りにくい。
スタートアップの価値は、「順番に、深く」理解される必要がある
ここが重要です。スタートアップの価値は、一瞬で理解されるものではない。だから本当は、
「なぜ今までのやり方ではダメなのか」
↓
「どんな問題が起きているのか」
↓
「なぜその発想になるのか」
↓
「だからこのサービスが必要」
↓
「どんな未来を作りたいのか」
という順番で、理解してもらう必要があります。
⇒別の言い方をすると、一言で伝えられるコンテンツではなく、重層的コンテンツ構造となります。ここで言うコンテンツとは、伝える内容のことです。
つまり、“順番に”、“深く”理解される必要がある。そして実は、これを最も得意としているメディアの一つが書籍です。
施策選択の手がかりとなる資料をダウンロード資料にまとめました。全体の理解設計のやり方を含めた資料となっています。是非ダウンロードして下さい。

書籍は、「理解の順番」を設計できる
書籍の強みは単なる情報量ではありません。理解の順番を設計できることです。
①なぜその問題が存在するのか。
②なぜ従来の方法では限界なのか。
③どんな未来を実現したいのか。
④なぜその思想に辿り着いたのか。
これらを順番に、誤解なく、深く伝えられる。
しかも書籍は、“能動的に読む”メディアです。SNSのような受動視聴ではなく、「理解しよう」という態度で読まれる。だからこそ、比較一覧表の中では消えてしまう価値まで届けることができるのです。
実際、企業出版を行った顧客の声としてこんなものがありました。
「サービスだけでなく、会社の思想まで理解してほしかった」
「社長の考えを顧客にも社員にも伝えたかった」
「顧客から見た会社のレイヤーを、一つ上の存在に上げたかった。
発注業者でなく、共に成長出来るパートナーに」
これは単なる宣伝・販促ではありません。“どういう会社として存在したいか”の話です。
だから企業出版は、単なるPR施策ではなく「理解され方を設計する施策」として、今あらためて重要になっているのです。

第5章:企業出版とは、「理解され方」を設計するプロジェクトである
ここまでの話をまとめると、企業出版の本質は「本を出すこと」ではありません。
重要なのは“どんな会社として理解されるか”です。
比較一覧表の中の1社ではなく、
「この会社、分かってる」
「なんか他社と見ている景色が違う」
「この会社となら、次のフェーズへ行けそう」
そんな認識を、市場の中に作っていく。
そのために、「誰に」「どんな認識を取るか」「どんな順番で理解してもらうか」を設計する。つまり企業出版とは、“理解され方を設計するプロジェクト”なのです。
本は、「会社の人格」を固定化する
スタートアップは、成長するほど「社長が話せば伝わる」では限界が来ます。
営業。PR。広告。イベント。広報。IR。採用。
様々な場面で、“会社そのもの”から、思想や価値観が伝わる必要がある。その時、書籍は非常に強い。なぜなら書籍は、
・会社の問題意識
・独自視点
・思想
・未来像
これらを構造化し、言語化し、残せるからです。つまり、“社長の頭の中”を会社全体の共有資産に変えられる。

「理解された上で指名されて選ばれる会社」へ
実際、企業出版を行う企業が本当に欲しいのは単なる知名度ではありません。
「価格だけで比較されたくない」
「思想まで理解してほしい」
「共感した上で選んでほしい」
「発注先ではなく、パートナーとして見てほしい」
そうした想いです。つまり、目指しているのは“理解された上で指名されて選ばれる会社”です。比較一覧表の中の1社ではありません。
だから今、急成長しているベンチャー・スタートアップ企業ほど、企業出版を広告・パンフレット等の宣伝ツールではなく“会社の理解を設計する戦略”として活用し始めています。

では実際に、どのように理解設計を進めるのか。
実践方法を知りたい方はこちら
資料では、この記事で説明した考え方を、実際に設計する方法を解説しています。
「誰に、どんな会社(サービス)として認識されたいか」をまず決めてから、
そのためには具体的に何をどんな順番で伝えれば良いのか、と述べましたが、
実際にやってみると「どんな会社(サービス)として認識されたいか」を
初めに決めるにはマーケティング・スキルが求められ、簡単ではありません。
そういう時どうすれば上手く行くか等、
初めての方にも実践できるようにワークシート化しています。
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