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ランチェスター戦略とは?ミート戦略と差別化戦略の法則をご紹介

# 差別化戦略

ランチェスター戦略をご存じですか?ランチェスター戦略とは戦力が勝る「強者」と戦力の劣る「弱者」にわけ、それぞれがどのように戦えば有利に戦局が運べるかを考えるための戦略論を指します。一般的には「小が大に勝つ法則」や「弱者必勝の法則」などども言われています。

この考え方は、競合他社に勝ち、シェア拡大や売上アップに繋げるためにマーケティングや営業戦略において有効であると広く認知されています。

ランチェスター戦略を利用した地域No.1戦略についてはこちら↓

『なぜ地域No.1をめざすのか。~弱者必勝の差別化戦略~』

ランチェスターの法則とは

ランチェスター戦略の原点となるのがランチェスターの法則です。

ランチェスターの法則はイギリスの航空学エンジニア、フレデリック・ウィリアム・ランチェスター氏が第一次世界大戦に導き出した戦争の法則で、「兵力数と武器の性能が敵に与える損害量(戦力)を決定づける」というものでした。

このランチェスター法則は戦い方の違いで第一法則と第二法則の二つから成り立っています。

ランチェスター第一法則

第一法則は局地戦、接近戦、一騎打ち戦に適用されます。同じ武器を持った兵士同士の戦いの場合、1人の兵士は1人にしか攻撃できません。この時、「戦力=武器効率×兵力数」と表せます。「武器効率」は武器の性能を数値化したもので1メートルの剣が1であるなら2メートルの剣は2となります。また、「戦力」は相手に与える「損害量」に置き換える事もできます。

この式から分かることは

  • 武器効率が同じ場合は、兵力数で勝敗が決定される
  • 兵力数が少ない場合は、武器効率を高める事で勝つことができる

ということです。

ランチェスター第二法則

第二法則は広域戦、遠隔戦、確率戦(確率兵器といわれる、距離が離れていても複数の敵にダメージを与えられるマシンガンのような兵器を使った戦い方)に適用されます。このような戦い方の時、「戦力=武器効率×兵力数の二乗」となります。2乗になると戦力がかなり変わってきます。この式からは

  • 兵力数が多い場合は、相手の武器効率を凌駕する圧倒的な戦力をもつ
  • 兵力数が少ない場合は、武器効率を多少上げても勝つことができない

ということがいえます。

法人営業戦略の教科書 中丸秀昭著 クロスメディア・パブリッシング刊 p35)

ビジネスへの転用

これら二つの法則の方程式をビジネスの観点から当てはめると、戦力→営業力、武器効率→営業の質、兵力数→営業の量となり、「組織の営業力=営業の質×営業の量」となります。

この時、「営業の質」は企画力や商品開発力、広告展開の際のインパクトなどの数値では表せないものを指し、「営業の量」は生産ラインの数や営業マンの数、広告展開の媒体数など、数値で表せるものを指します。

法人営業戦略の教科書 中丸秀昭著 クロスメディア・パブリッシング p44)

営業量(兵力数)が多い企業を「強者」、少ない企業を「弱者」としたとき、第一法則の考え方をビジネスに応用すると、「営業の量が競合他社より少ない場合でも営業の質をあげることで勝機を見出すことができる

また、「営業の質」をすぐにあげることが難しい場合でも、「営業の量」が劣る弱者も、「営業の量」を局地的に集中させることで部分的に強者よりも有利な状況を創り出す事が可能なのです。

このことから、「営業の量が少ない弱者は、第一法則下で戦う」方が良い事が分かります。

第一法則は「弱者」が取るべき戦略であり、逆に、「強者」は負ける事もあり得るのが、第一法則下での戦いなのです。そのため、弱者に優位に働く、第一法則は「弱者の戦略=差別化戦略」といわれます。

一方、第二法則の考え方をビジネスに応用すると、「営業の量が競合他社より多い場合、相手の営業の質が多少高くてもそれを凌駕して圧勝できる」のです。

このことから、「営業の量が多い強者の場合は第二法則の条件下で戦う」方が良いことがわかります。第二法則における戦いは「強者」が取るべき戦略であり、「弱者」では歯が立たないのです。このように強者に有利に働く第二法則は「強者の戦略=ミート戦略」とよばれます。

この戦略をビジネスで応用する場合において注意しなくてはならないのが、「強者」と「弱者」の定義として、「強者」は「市場地位1位の企業のみ」を指し、「弱者」は「市場地位2位以下の企業すべて」が該当するということです。そのため、「自社のポジションを競合局面から判断(弱者か強者か?)」し、自社の取るべき戦略を決定しなければならないのです。例えば、誰もが知る優良企業であっても、初参入の市場においてはそのポジションは弱者になります。

ちなみに、日本企業においては、国内企業数約420万社のうち、強者として分類されるのは、約1万2000社であり、割合でいうと0.3%という値になります。このようにほとんどの企業が「弱者」に該当するということが明らかになっています。

まとめ

ランチェスターの法則を理解し、自社が強者であるか、弱者であるかを見極めることで自社がどのような戦略を取ればよいのかが明らかになります。

上記に記載した通り、日本企業のほとんどは「弱者」に当てはまることから、中小企業は弱者の戦略である差別化戦略を取る必要があります。差別化戦略は営業の質を高めるか、営業の量を局地的に集中させるという戦い方であるため、他社にない独自の商品・サービスの展開や、局地戦として地域へのアプローチに力を入れることが有効な戦略といえるのです。大企業に真正面からぶつかるのではなく、このような戦略を駆使し、差別化により生み出した新しいフィールドで戦う事が重要です。あなたもランチェスター戦略を理解することで、営業という戦いを制することができるのです。