- カテゴリ
- タグ
採用活動で必須のストーリーブランディング。感情を揺さぶり、選ばれる企業へ
「なかなか採用候補者が集まらない」「内定を出しても辞退する人が多い」そんなお悩みを抱えているすべての方へ。それは、企業規模が小さいからでも、企業に魅力がないわけでもありません。
「ストーリーブランディング」を実践すれば、採用活動を成功に導くことができます!
本記事では、大手広告代理店からクロスメディアグループにジョインし、様々な企業や商品・サービスのブランディングやマーケティング、PR、新規事業開発を担当してきた高橋孝介さんに、ストーリーブランディングとは何なのか。採用活動で重要視される背景も伺いました。
ストーリーブランディングで、成長の限界突破を
───今回のインタビューのテーマである「ストーリーブランディング」について教えてください。企業が、マーケティングの数ある手法の中から、ストーリーブランディングを必要とするのはどのようなときなのでしょうか?
高橋:それは成長の限界突破を志すときです。私たちクロスメディア・マーケティングも従業員60名ほどのベンチャー企業であり、実感していることでもあります。
多くの中小・ベンチャー企業では、事業を成長させるためにマス広告やブランディング、PRの展開をしようとしますが、体力がないために難しい場合が多いです。しかし、現在マーケティングの中心となっているデジタルマーケティングの手法を活用すれば、大きな予算をかけずに顧客獲得ができるようになってきました。
ですが、デジタル広告での成長にも限界があり、中小・ベンチャー企業であっても、大企業が行っているようなテレビCMや新聞広告、PR会社によるブランディングやPR戦略が必要になる局面が訪れるのです。
───成長を志しているのに大きな予算がかかってしまう。そして大きな予算をかけて行った施策も、期待していた効果が得られるのかわからないですよね。そんな時はどうしたらいいのでしょうか?
高橋:おっしゃるとおり、大企業が行っているようなマス広告やブランディング、PRには億単位の投資が必要ですし、それが成功するかどうかの確証はありません。そこで私たちが提案したいのが、ストーリーブランディングによる成長の限界突破です。
───ストーリーブランディングでは、どのような効果が期待できるのでしょうか?
高橋:マス広告やブランディング、PRの施策と同様に、「オリジナルの顕在層」を増やしていくことができます。
従来のマーケティング施策だと、デジタル広告で、明確なニーズやイメージをもっている「顕在層」とよばれる人たちに対して訴えかけ、加えて、マス広告やブランディング、PRを行い、自社や自社の商品・サービスのファンである「オリジナルの顕在層」を増やしていました。この部分の役割をストーリーブランディングが担います。
ブランディングとは、世界観をつくること
───企業の成長ステージにおけるストーリーブランディングの重要性がわかってきました。ストーリーブランディングとは、ストーリーによってブランドをつくるということなのですね。では、ここでブランドについて改めて教えてください!
高橋:近代マーケティングの父とよばれるフィリップ・コトラー教授は、ブランドを「個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」と定義しています。
簡単にいうと、ほかと区別されて認識されていることが、ブランドが確立されている状態だということです。コトラー教授がいうように、名称、言葉、記号、シンボル、デザインなどあらゆる要素がブランドをつくっています。ブランディングとは世界観をつくることなのです。
───では、ブランディングで世界観をつくることで、どのような効果が得られるのでしょうか?
高橋:世界最大のブランド資産データベースによると、ブランディングができると、企業の成長率が大きく上昇するそうです。
ブランディングができている企業が広告を行った場合、ブランディングができていない企業が広告を行った場合と比べて、成長率が最大8倍にもなったそうです。つまり、ブランディングは、成長を志向する企業にとって非常に重要だといえます。
ブランドにおけるストーリーの重要性
───ブランディングは、顧客に選ばれるために必要不可欠なものなのですね。では、選ばれるブランドをつくるために重要なこととはなんでしょう。
高橋:ブランドがもつストーリーを伝えることです。
例えば、ミネラルウォーターとスマートフォンの場合で説明します。何の特徴もないミネラルウォーターと「evian」であれば「evian」を選びたくありませんか?また、何の特徴もないスマートフォンと「iPhone」であれば「iPhone」を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
「evian」であれば、フレンチアルプスで採れる美しい水を使っていたり、CSR活動を積極的に行っていたりすること。「iPhone」であれば、スティーブ・ジョブズの物語や多くのエピソードが人々に認識されています。「evian」や「iPhone」というブランドのもつストーリーが共感をよび、選ばれているのです。
商品・サービス自体のもつ品質、性能、原料などの実質的価値が同じであっても、デザインやストーリーなどの情緒的価値に共感してもらえれば、選ばれる。ストーリーは、ブランドがもつ価値の一つであり、選ばれる基準となっているのです。
─── 情緒的価値を構成するストーリーは、ブランドをブランドたらしめる、大きな力があるのですね。
高橋:ストーリーは、人の感情に働きかける力があります。そして感情が動くと、記憶に残りやすくなります。
記憶をつかさどる脳の一部「海馬」のすぐ隣には、感情に反応する「扁桃体」という部分があります。感情が動いて扁桃体が強く働くと、すぐ隣にある海馬も同時に強く働くといわれています。脳の仕組みからも、感情の動きを伴う物事が記憶されやすいことがわかるでしょう。
そして企業や商品・サービスが選ばれるためには、「第一想起」が重要だとよくいわれます。第一想起されるためには、記憶されることが重要。記憶されるためには、ストーリーで感情を揺さぶることが重要なのです。
採用活動におけるストーリーの重要性
─── 選ばれるブランドになるためには、感情を揺さぶるストーリーが必要なんですね。企業の採用活動においても、同じことが当てはまりそうです。
高橋:おっしゃるとおりです。自社のストーリーを伝えることで、採用候補者に他社との違いを理解し、想いに共感してもらい、選んでもらえるようになると思います。
私たちクロスメディア・マーケティングの場合も同様です。出版社というと、世の中にはたくさんの会社があります。その中で選んでもらうためには、企業理念や文化、社風などを伝え、ほかの出版社との違いを知ってもらい、私たちの想いに共感してもらう必要があるのです。
─── では、採用活動でストーリーを伝えるにはどのような方法があるのでしょうか?
高橋:昨今では多種多様なメディアが登場しています。文字や画像、映像、音声などを組み合わせて最適な表現メディアを活用することが大切です。
しかし、そのなかでも、採用活動にかけられる予算は限られているので、「採用候補者の心に届くような深さのあるストーリーを伝えられるのか」「その手段としてメディアの特性は合っているのか」といった点は考慮する必要があります。
中でも、私たちクロスメディア・マーケティングがお勧めしたいのが、書籍を活用してストーリーを伝える方法です。
─── ストーリーを伝えるメディアとして、書籍を勧めている理由を教えてください!
高橋:書籍を活用すれば、「企業が採用活動でするべきこと」をすべて達成できると考えているからです。
企業が採用活動中に採用候補者に対してするべきことは「興味をもってもらうこと」「働きたいという動機をつくること」、そして働きたいと考えている人の「不安を払拭すること」の3つです。
書籍はこれらの情報を体系的にまとめて伝えることができます。
─── では、具体的な書籍の活用シーンを教えてください!
高橋:まず、書籍の出版をきっかけにプロモーションやPR活動を行うので、企業のことを知ってもらえる機会が増え、「母集団を形成したい」という課題を解決できるでしょう。
「エントリー数を増やしたい」という課題には、会社説明会や採用イベントで配布するといいといいでしょう。ある企業では、書籍を採用に活用したことでエントリー数が前年から20%増加したそうです。
また、「内定承諾率を引き上げたい」という課題には、内定時に書籍を渡すことで、企業の想いや魅力をより深く知ってもらえるでしょう。こちらもある企業では、内定辞退率が50%以下に低下したそうです。
このように書籍は採用活動の様々な場面で有効なツールといえます。
採用活動の成功を導くストーリーブランディングの事例
─── 実際に書籍を活用して採用活動で成功している企業はあるのでしょうか?具体的な事例があれば教えてください。
高橋:北海道に本社をおく企業様の事例ですが、一軒の携帯ショップのフランチャイズから始まり、現在ではウェブ制作やアパレルショップ、飲食店など、多角的に事業を展開しています。現在は東京にも拠点を設け、さらに今後は、日本全国、グローバルへの進出を目指しています。
この企業様は、自社の成長だけではなく、地域の成長もビジョンとして掲げています。また、一般的なスタートアップであれば、他社資本を取り入れたり、資本調達を行ったりしながら拡大していく企業も多いですが、そういったものに頼らず着実にビジネスを成長させていきたいという思いがあり、その決意も本に書きつづっています。
今後の成長目標を見据え、自社の認知拡大やブランディング、優秀な人材の採用を目的として書籍を出版したところ、書籍の内容に共感する学生との出会いが生まれたそうです。
─── ストーリーが採用候補者の感情を揺さぶり、素敵な出会いに繋がったんですね!
高橋:もう一社紹介します。創業30年以上の歴史をもつ、半導体設計の老舗メーカー様の事例です。
半導体は世界的に注目されている一方、地理的要因で採用活動がうまくいっていない状況でした。今後グローバルへの進出を目指しており、自社の認知拡大やブランディング、人材確保のために書籍を出版しました。
書籍では、半導体のすばらしさを伝えています。AIやVR、ロボット、電気自動車などの様々な先端技術すべての根幹にあり、必要不可欠な技術であるということ。半導体の成長がなければ、現代の技術の発展もなかったということ。 また、同社は、かつて半導体で隆盛を誇っていた日本を再び活性化させる取り組みも行っています。
採用活動でも、書籍のタイトルの同様のキャッチコピーで一貫してストーリーを展開し、多くの人の目にふれることで企業認知が高まり、採用候補者から注目を集めています。
─── 採用活動においてストーリーを伝えることが重要だといわれる背景には、昨今の人々の価値観の変化も関係しているような気がします。
高橋:そうですね。以前の採用活動では、企業規模や年収などが企業の選ばれる条件でした。しかし、ミレニアル世代以降は「働く意味」で仕事を選ぶ人が多いそうです。
大企業も中小企業も関係ありません。すべての企業にとってストーリーを伝えることが重要であり、それを実現するために私たちはブックマーケティング(企業出版)というサービスを提供しています。
興味をもたれた方はぜひ、お気軽にご相談ください。