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SEOにおいてもリスティング広告においても、「検索ボリュームが大きい検索ワードを狙え」が鉄則です。
しかしどんな時でもこれが正しいとは限りません。自社のマーケティング戦略に則って、検索ボリュームが小さくても”ある戦略ワード”を目標とし、自社のマーケティングにより検索順位だけでなく検索ボリューム自体も上げていく方法もあるのです。
検索数の少ないキーワードを狙う戦略とは?

SEO対策においては、特定のキーワードで検索エンジンのランキングにおける上位表示を目指します。たとえ1位を獲得できたとしても、そのキーワードの検索ボリュームが極端に少なければ、ウェブサイトへのアクセス数は期待できません。
検索順位で上位表示を目指すだけなら、誰も検索しないような検索ワードを選べば比較的簡単に達成できます。
しかし、ビジネスとしてウェブサイトを運営していく以上は、ある程度のアクセス数を確保しなければなりません。
そのため、キーワードプランナーなどで検索ボリュームを調べ、ある程度の検索ボリュームがある検索ワードを選ぶことが重要になります。ニッチな分野を狙う場合でも、最低でも2桁以上の検索数がある検索ワードを選ぶのが良いでしょう。
しかし、検索ボリュームが少ないキーワードだからといって、必ずしも不適格と判断すべきではありません。自身の戦略と努力で検索ボリューム自体を上げていくのも一つの戦略なのです。
「0⇒1」と「1⇒10」のマーケティング
マーケティングを大きく分けると、「0⇒1」と「1⇒10」の2種類に分類できます。「1⇒10」のマーケティングとは、すでに存在するニーズに対して、改善や改良を繰り返し、徐々に成果を上げていく手法です。例えば、既存商品の販売数を増やす、ウェブサイトのアクセス数を向上させるといったマーケティング活動が当てはまります。
一方、「0⇒1」のマーケティングとは、まだ存在していないニーズを新たに創り出す手法です。
顧客のニーズが未成熟な段階で、情報もほとんど流通していないため、検索ボリュームも非常に少ない状態です。しかし、ここに挑戦することで、大きな成功を収める可能性を秘めていると言えるでしょう。
「0⇒1」のマーケティングで成功すれば、その市場の先駆者、リーダーとしての地位を獲得できます。そのため、後発の競合に対して大きなアドバンテージを得ることができ、顧客獲得においても優位に立つことが可能です。
さらに、その分野における高い評判を獲得することで、優秀な人材やビジネスパートナーを獲得することにも繋がります。

ニーズの顕在化を実現する秘訣

「0⇒1」のマーケティングにおいては、「ニーズの顕在化」が最大の課題となります。
「こんな商品やサービス、誰が求めるのだろうか?」という疑問を払拭し、「今まで気づかなかったけど、確かに必要かもしれない」という認識に変え、最終的には「まさに私が求めていたものだ!」という状態にまで顧客の意識を変えていく必要があります。
そのためには、市場環境や社会環境、時代環境の変化を捉え、顧客の潜在的なニーズを掘り起こすことが重要です。
しかし、それ以上に重要なのは、マーケター自身の強い意志と情熱です。困難な状況に直面しても、諦めずに信じる道を突き進むことが、「0⇒1」のマーケティング成功には不可欠です。
過去の私自身の経験を振り返ると、革新的な商品やサービスは、発売前のアンケート調査では低い評価を受けることが少なくありませんでした。顧客は、まだ意識していないニーズに対しては、否定的になりがちです。
しかし、だからといって諦めるべきではありません。むしろ、顧客自身がまだ気づいていないニーズを顕在化させることが、「0⇒1」のマーケティングの醍醐味と言えるでしょう。
「0⇒1」マーケティング成功の秘訣と注意点

「0⇒1」のマーケティングで成功した人々に、その秘訣を尋ねると、「強い意志と、そして少しの運」という答えが返ってくることが多いようです。
マーケティングは、基本戦略を理解し、市場環境を分析した上で、自社の強みを活かした戦略を立案することが重要です。そして、一度戦略を決定したら、周囲の反対や予期せぬ困難に遭遇しても、強い意志を持ってそれを乗り越え、前進し続けることが大切です。
「1⇒10」のマーケティングと大きく異なるのは、実行タイミングの見極めです。
どのようなニーズが将来顕在化するのかは、情報収集によってある程度予測できます。しかし、それがいつ顕在化するのかは、正確に予測することは難しいでしょう。
実行時期が早すぎると、ニーズがまだ顕在化しておらず失敗に終わる可能性があります。逆に、様子見をしている間に、他社に先を越されてしまう可能性もあります。
最適なタイミングでマーケティングを開始できた企業は大きな成功を収めますが、タイミングを誤ると失敗に終わってしまうこともあります。
デジタルマーケティングにおいては、「〇〇で困った時には、××のような手順で□□すれば解決する」といった定型的な解決方法が提示されることがよくあります。しかし、「0⇒1」のマーケティングにおいては、このような既存の解決策は通用しない場合が多いでしょう。
例えば、コンテンツマーケティングという言葉は、現在では広く知られていますが、当初は検索する人はほとんどいませんでした。コンテンツマーケティング支援企業のイノーバ社の宗像社長によると、当初の検索ボリュームはわずか100~200だったそうです。
しかし、10年後には1万件を超えるまでに増加しました。これは、宗像社長をはじめとするイノーバ社の社員が、コンテンツマーケティングの価値を信じ、地道な啓蒙活動を続けた結果と言えるでしょう。
このように、「検索数1桁や2桁で上位表示されているキーワードを、3桁、そして数千件、数万件へと成長させる」という戦略も、「0⇒1」のマーケティングにおいては有効です。検索数が少なくても諦めずに、長期的な視点を持ってマーケティング活動に取り組むことが、大きな成功へと繋がるのです。
まとめ:マーケティングの醍醐味
今までお話したことをまとめると、以下のようになります。

マーケティングは算数ではありません。
「検索ボリュームの大きい検索ワードを狙う」「狙った検索ワードに対してたくさんの記事を書く」「関係しそうな検索ワードを全て買い、とにかく対応コンテンツを作りまくる」という定型的な業務に没頭していると、成果はすぐに飽和点に近づきます。
「人のまだ考えてないことに未来の芽を見つけ、そこに情熱と努力を注ぎ、人より先に大きな花を咲かせる」ことこそがマーケティングの醍醐味だとも言えるのです。
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