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本の出版に興味がわいても、どのような流れで本を作っていくのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、年間120冊を出版するクロスメディア・マーケティングが、本ができるまでの制作工程を解説します。書籍のジャンルやタイプによって異なる部分もありますが、ここでは一般的な本づくりの流れをまとめました。
1.本の企画案の作り方
まず最初に、一番重要なコンセプトづくりです。貴社の今あるコンテンツは何なのか、どんな内容の本にするのか。出版の目的やゴールとあわせて、それを達成するにはどのような内容にすべきなのか編集者とともに企画を詰めていきます。A4一枚程度で構いませんので、企画書を作ってみることをオススメします。
ベンチマークとなる書籍を見つけ、書店での陳列場所を確認すると、書籍のイメージがより具体的になります。
また、読者ターゲットを決めることも重要です。性別や年齢、職業、生活スタイルなど細かくペルソナを考えてみましょう。たとえば「港区に住む28歳独身男性で、投資に興味がある。最近は休みの日にはジムに通っていて、食べることが趣味。」などといったように、具体的なペルソナを設定することが重要です。
制作期間:2週間程度
2.本の構成案の作り方
構成案では、書籍の骨組みを決定し、読者にとって分かりやすい流れを作ります。
まずは各章のタイトルを決めます。書籍内容によって異なりますが、5章~8章程度が一般的です。章のタイトルと内容もそれぞれ考えていきます。
各章の内容がおおまかに決まったら、章ごとに見出しを10本ずつ考えていきます。ビジネス書は大体7〜10万字が一般的と言われています。5章構成の本をつくる場合、各章は1万4千~2万字となります。そうすると各見出しの文字量が1400~2000字程度と想定できます。
また、ここでは文章のテイストなども決めていきます。読者ターゲットに合わせて、どのような表現が最適か編集方針を固めていきます。
制作期間:2週間程度
3.本の執筆の進め方
構成が決まったら、次は取材と執筆です。
著者自身が執筆する場合は取材は不要ですが、ライターを起用する場合は目次構成に沿って取材を行います。一回の取材は、1時間半~2時間程度です。最初の打ち合わせ(キックオフ)からなるべく間が空かないよう、スケジュールを調整しながら取材を重ねていきます。
取材や執筆の過程で、構成が変わることがよくあります。迷ったときはコンセプトに立ち返りましょう。貴社の伝えたいメッセージやゴールを達成するためにはどうするのが最善なのか、編集者、そしてライターとともに検討していきます。
制作期間:1か月~3か月程度
4.本の編集作業の進め方
書籍の企画が始まった時から編集者の仕事もスタートしています。編集作業とは、完成した文章の誤字脱字や表現を修正するだけでなく、書籍企画の現場指揮官のような役割を担います。
もちろん、できあがった原稿の重複部分を削ったり、他の章へ移したりと一般的に皆さんがイメージする編集作業も行います。「2.本の構成案の作り方」で設定した目次構成をブラッシュアップし、細部の調整を行います。著者と編集者はここから入校日まで原稿のチェックを重ねていきます。
制作期間:3週間程度
5.本のタイトル・コピーの決め方
企画書をつくる際に仮タイトルを設定していると思いますが、ここではできあがった原稿を踏まえて、タイトルやサブタイトル、帯コピーなどをさらにブラッシュアップし、最終的なものを決めていきます。
まずは多くのアイディアを出すことから始めます。ひらがなや漢字の選択だけでも印象は大きく変わりますし、同じ意味でも表現方法は複数考えられるでしょう。迷った時はコンセプトに立ち返り、読者ターゲットの目線で考えていきます。
エッジの効いたものにするとよりターゲットを狭めることになりますが、目立つ可能性が上がります。ここも編集者と相談しながらつくりこんでいきます。
制作期間:2~3週間程度
書籍のタイトルについて詳しく知りたい方はこちら↓
『売れる本の「タイトルの付け方」とは?考え方や決め方をご紹介』
6.本のデザインの決め方
デザインは、全ての文字情報が確定してから進める最終工程です。
文字量が1文字変わるだけでデザインに大きく影響するため、タイトルやサブタイトル、帯コピーが決まってから開始します。コーポレートカラーの使用や写真の配置など、具体的な要望を共有することが重要です。デザインの参考となる書籍や素材があると、イメージ共有がスムーズになります。
イメージの共有ができたら、私たちの場合は、数パターンのラフ案を出します。そこからひとつに絞り、絞ったデザインをコンセプトから離れることのないようさらにブラッシュアップしていきます。
外見のデザインとあわせて、書籍の中のデザイン(文字・見出し・目次など)を見直し、世界観をより統一されたものへと仕上げていきます。
書籍のデザインについて詳しく知りたい方はこちら↓
『帯で売れるか決まる?!重要な本の帯コピーとは?』
まとめ
本の出版は以下6つの工程を経て完成します:
- 企画 – コンセプトと読者ターゲットの設定
- 構成 – 章立てと見出しの作成
- 執筆 – 取材と原稿作成
- 編集 – 内容のブラッシュアップ
- タイトル・コピーの決め方 – 装丁要素の決定
- デザイン – 視覚的な完成
各工程の中には、同時進行で行われるものもあります。企画によってはタイトなスケジュールで進行しなければいけない場合や、さらに工程が増える場合もあります。また、内容や発売時期によって上記のスケジュールが変動することもあります。
いかがでしょうか?書籍制作のイメージが伝わったでしょうか。本の形になるまで、さまざまな人の手を経てやっと読者へ届くのです。そのほかにも、発売時期に合わせた新聞広告や書店販促のためのランディングページの作成、書店でのフェアやセミナーイベントなどさまざまなプロモーション活動もあります。
企業出版の基本について詳しく知りたい方はこちら↓
『企業出版とは?一番わかりやすい入門編~メリットや事例、費用まで~』
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FAQ(よくある質問)
A. 企画書を作成し、コンセプトと読者ターゲットを具体的に設定します。
A. 5章〜8章構成が一般的で、ビジネス書は7〜10万字程度が目安となります。
A. 誤字脱字の修正だけでなく、書籍企画の現場指揮官として全体のクオリティを管理します。

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